明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

令和の時代にラーメンが190円! 北坂戸『らーめんランド190』

2024年11月20日 | 中華食堂
前回紹介した、西八王子『あづまかん』さんでは、現在でも「ラーメン」の価格は450円である。
拙ブログでは、「ラーメン」350円の八坂『宝来屋』や、 同じく「ラーメン」400円の吉祥寺『のぶちゃん』(現在は450円らしい)など、
安価なラーメンを出すお店を何軒か紹介してきたが、過去最安のお店が、今回のテーマである北坂戸の『らーめんランド190』
今回タイトル、そして屋号でもわかるように、こちらは令和の時代にラーメンを190円で提供している。


今どき190円のラーメンというものを、自分の目と舌で確かめたくなり、往復1670円の交通費をかけてお店に行ってきた。
ラーメン8杯分以上の交通費を費やしてまで、個人的に未踏の地である北坂戸まで足を運んだ理由は、
食材だけでなく、光熱費などの価格も上がり続け、千円以上するラーメンも珍しくなくなりつつあるこの時勢に、
頑なに廉価なラーメンを出している、ストイック(?)な店主に興味を持ったのと、
僭越ながら、そんな店主を応援すべく、お店でガバガバ飲み食いし、少しでも売上に貢献したかったからである。
食べログを見たら、どいつもこいつも、ラーメンなどの安い商品ばかり喰ってやがるけど、
3.0とかエラそうに採点してねえで、薄利多売で頑張っているお店に、もっとお金を落とせよ。

埼玉在住の飲み仲間を誘い、東武東上線に乗り、北坂戸駅に着いたのが17時ちょっと前。
18時まで中休みなので、駅前の居酒屋で軽く飲み、時間を潰してからお店に向かう。
店名が記された看板は見当たらなかったが、入口ガラスには「らーめんランド」のロゴがあった。

※退店時に撮影

屋号は「らーめんランド」のような気もするが、ネットサイトではすべて「190」が付いているので、こっちが正式名なのだろう。
夜営業が始まって間もない時間帯だったが、常連らしい先客が数名いて、全員酒を飲んでいる。
我々もコの字カウンターの端に陣取り、カウンター内の厨房にいる男性店主にご挨拶。
卓上にメニュー表などはなく、向かい側の壁のメニュー札を見ながら注文する。
そちらエリアは常連さんが飲んでいたので、彼らが退店したあと、店主の許可を得てメニューを撮影した。
まずは、冒頭に載せた画像の全体図。「餃子」240円、「チャーハン」400円と、他の商品も安い


上記画像の続き。おつまみ類や、左の方は切れてしまったが、定食類もある。


まずは、私も友人も「焼酎お茶割り」300円を頼み、料理も数品オーダー。


お茶割りの氷は、製氷機ではなく、店主が注文ごとに割ったものを入れてくれる。
最初にお通しとして、オクラに鰹節を振りかけたものが提供される。


数分後、私が頼んだ「チャーシュー」200円が登場。


千切りキャベツの上に、タレがかかった脂身の少ないチャーシューが5枚。
200円では安すぎるが、それより安いラーメンを出していることを忘れてはいけない。
続いて、友人が頼んだ「空豆」150円が出てきた。値段の割には量も少なくない。


今調べたら、あの『日高屋』でさえ、空豆は220円する。価格破壊もここまでくるとスゴイ。
緑茶割りをお替わりした頃、大好物の餃子が焼き上がった。


野菜主体の具材で、クセがなく軽い食感で、醤油と胡椒を少々付けたら、いくらでも食べられそう。
中身を撮影しようと皮を開いたら、毎度のごとく失敗し、ひどい画像になってしまった。


王将や満洲などの大手餃子チェーンが、1皿300円台になった時代ゆえ、240円という価格には、本当に頭が下がる。
続いて、こちらも240円の「スープ餃子」が完成。


餃子は焼いたのと同じだが、塩味のスープに浸っているので、調味料は不要。
緑茶割りをさらにお替わりし、友人が「キムチ」150円を追加。こちらも、値段の割には量がある。


私は、食堂でよくやる“定食のご飯ナシ”を発注。選んだのは「焼肉定食」580円の単品。
店主が肉と野菜を手際よく炒め、千切りキャベツの上に盛り付ける。価格は500円だった。


玉ねぎ、人参、ニラと豚肉に、甘辛いタレをかけて強火で炒める、中華屋さんらしいおツマミだ。

我々が飲み食いしている間に、先客の常連たちが退店し、さらに別の客がやってくる。
その中には、定食を食べて帰る、若い女性ひとり客もいたりする。想像していたより客層が広い。
結構飲んだので、トイレに行ったところ、このとき紹介した、東久留米『珍来』さんのトイレと同じ標語(?)が貼ってあった。


店主の手が空いたところで、いろいろお話しさせていただいた。
お店を開いたのは今から40年前で、かつてはらーめんランドの支店もいくつかあったが、現在はここ北坂戸店だけらしい。
予想どおり、ラーメンの値段は開業から40年間変えていなかった
「なぜ値上げなさらないんですか?」という、これまで何度もされたと思われる質問に対しては、
「お客さんに喜んでもらえれば、いいじゃない」と即答。
開業から数年で、お店を出した際の借金を完済したようで、「以降はマイペースで」営業しているとか。
そういえば、開業から48年間お値段そのままという、よく似た価格設定の喫茶店・小川『待夢』のマスターも、
「最初の数年間は朝昼晩働いていたけど、店舗のローンが終わってからは無理しなくなった」と語っていた。

無論、ラーメンだけでは利益は出ないだろうが、「最近は常連さんが結構飲んでくれるから」、どうにかやっていけるそう。
「今のお客さんを大事にしたい」という理由で、いかなる媒体の取材も拒否している。
確かに、190円のラーメンなんて、絶対にマスコミが飛び付くはずなのに、私もつい最近まで、この店の存在を知らなかった。
常連さん曰く「店主はネットも嫌い」らしい。なので、ブログで紹介するのも、本来はNGだろうが、
どうしても伝えたいことがあったので、あえてマスターの意思に反し、今回記事をアップさせていただいた。
上記については後述するので、締めで食べた、お店名物の激安ラーメンを紹介する。

さっきメニュー札を掲載したが、「チャーハン」や「カレーライス」も400円と安価だが、
190円のラーメンとセットにすると、550円とさらに40円お得。


友人が「Aセット」にしたので、私は「Bセット」を選択。
驚いたことに、カレーは作り置きではなく、注文後に調理していた。
最初に、Aのチャーハンが登場。玉子やネギの他、人参も入っている。


ひと口もらったが、パラパラの仕上がりで塩分もほど良い、まさにプロが作るチャーハンであった。
少したってから、スプーンに福神漬けが添えられた、Bのカレーが提供される。


こちらは、玉ねぎを炒めてカレー粉とスープ(あるいは水?)を加えて作る、中華屋さんの手法ながら家庭的なテイスト。
具材が玉ねぎだけなのはちょっとさみしいが、量が多くシャキシャキで、結構食べ応えがあった。


その直後に、待望のラーメンが2杯同時に完成。


丼の大きさは、一般的な量のラーメンとさほど変わらず。


小さめチャーシュー、メンマ、ワカメにネギと、最低限の具材が入っている。
やさしめの醤油味スープと、縮れが入った中細麺が好相性で、散々飲み食いしたあとなのに、ハシが止まらず。


正直、もっとチープな商品だと予想していたが、いい意味で期待を裏切る、高コスパなラーメンであった。
私も友人も、チャーハンとカレー、そしてラーメンまでたいらげ「ごちそうさまです」。気分よく飲み食いしたため、お会計は6000円チョイ。
お通しが無料だとしたら、緑茶割りをふたりで12杯飲んだ計算になる。二次会にしては飲み過ぎだかな。
「遠いところをわざわざありがとうね」と告げてくれた、店主に最敬礼してからお店を出た。

最後に、さっき記した、らーめんランドさんの「どうしても伝えたいこと」を発表したい。
40年間営業を続けていた店主だが、近年は目の調子がよくないそうで、ついに引退を決意したそうだ。
ただし、お店は閉店せず、「さっき帰ったお客さん、彼が継いでくれるんだ」と、常連エリアに座っていた客が、後継者になるようだ。
本当は、今月くらいに辞める予定だったそうだが、後継者の都合もあり、「あと半年は自分が頑張る」と語ってくれた。
つまり、らーめんランドで現店主の味が楽しめるのはあと半年、ということになる。
味や値段は「引き継いだ方に任せる」そうなので、値上げする可能性は大きい。というか、現状の価格では後継者さんが大変だろう。
現店主に会いたい方や、190円のラーメンを食べたい方は、半年後=推定来年の4月末くらいまでに、訪問してほしい。
私も、店主が引退する前に、もう一度お店を足を運び、「長い間お疲れさまでした」と挨拶をするつもりである。

おまけ
最初に寄ったのは、『和喜あいあい』という居酒屋だったが、こちらもいいお店だった。
北坂戸を訪れる方には、らーめんランドさんとのハシゴを推奨したい。



らーめんランド190 北坂戸店
埼玉県坂戸市末広町8-4
東武線北坂戸駅から徒歩1分ちょい
営業時間 11時半~15時、18時~21時くらいまで
定休日 日曜
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メインは中華、たまにカレー 西八王子『あづまかん』

2024年11月17日 | 中華食堂
五目チャーハンが有名な高尾の街中華、『つるや食堂』さんで飲み食いした帰り、最寄り駅の高尾ではなく、
あえて西八王子に向かっていたとき、黄色い外観のちょっと気になるお店を見つけた。


屋号は『あづまかん』で、ファサードには赤字で中華料理と記してあるが、スパイスカレーも提供している模様。
西八王子に行く機会は少ないが、10月には高校野球秋季都大会があり、八王子球場での母校の試合後に、寄ってみることに。 
なお、球場からお店までは歩くと結構かかるので、クソ暑い夏の西東京大会では訪問を自重した(苦笑)。

前回通過時は、閉店後なので出ていなかった、「ラーメン」と「スパイスカレー」(撮影は裏表逆だが)のノボリが店頭にある。


スパイスカレーは、店主の息子さんが調理しており、週末の土日どちらか、あるいは両日に提供。 
お父さんのお店を間借りしている形式なので、お店Xでも「あづまかん間借りカレー」と名乗っている。 ※開催日などの詳細もXでご確認を
私の訪問時は、カレー販売日に該当しており、下記の看板が掲示してあった。

※特に「入りづらい」とは感じなかった

入店し、カウンター席に腰を下ろす。奥にはテーブル席もあった。
壁に貼ってある中華メニューも確認したが、この日はせっかくなので、スパイスカレーを注文。
カレーは「チキン」「牛すじ」「もつ」の3種と、2種の「あいがけ」もあり、価格はすべて1000円。
もつカレーも気になったが、オーソドックスなチキンと牛すじのあいがけを選択。
厨房には親子らしい男性がふたりいて、カレー担当の息子さんが調理を開始。
数分後、スパイスカレーの2種あいがけが完成。


横アングルも撮影。ライスもカレーも結構多い部類に入るはず。


サフランライスにアチャール各種、両側のソースにも装飾品(?)が乗る、華やかなピジュアルである。
まずは、カレーソースから口にしていく。こちらがチキンで、


こちらが牛すじ。どちらのお肉も柔らかく煮込まれていた。


辛さは控えめで、油っこさもなく、以降はライスと一緒に、最後はチキンと牛すじも混ぜて食べ切った。
身体にも良さそうな商品だし、あいがけで1000円というのもリーズナブルだと思うが、
スパイスカレーの経験が少ない私には、感想を述べるのが難解なテイストであった。
私はやはり、辛さやウマさがダイレクトに伝わる、とろみのある黄色いソースを白米にかける、日本式カレーの方が好きだ。

さっき記載したお店のXは、息子さんが管理しているため、情報はスパイスカレー関連に限られている。
最近は、食べログ投稿もカレーの写真ばかりだが、既述したように、カレーはほぼ週イチの提供で、
他の5日間(木曜定休)は、中華料理のみの営業。今回タイトルどおり、あくまでメインは中華なのである。

数日後、今度は母校野球部に関係なく、温厚そうなお父さん店主が作る中華をいただくために再訪問。
注文したのは、ラーメンと半チャーハンの「Aセット」800円。ランチサービスではなく、一日中この価格だ。
半チャーハンはメニューにないが、普通の「チャーハン」は700円。そして、「ラーメン」単品は450円という昭和価格。
普段の営業は店主のワンオペらしいが、注文後にチャーハンの具材を刻み始めるなど、手抜きをヨシとしない職人魂を感じた。
しばらくして、ラーメン&半チャンがほぼ同時に登場。


ラーメンは、安価ながらじゅうぶんな量があり、


半チャンは、確かにハーフサイズで、パラっとした仕上がり。


まずはラーメンスープから啜ると、醤油の旨味がくっきりと出た、予想に反して結構な濃い口。
具材は、小さめチャーシューに、メンマ、ナルト、ノリ、ネギという、クラシカルな東京醤油スタイル。
麺は、やや縮れた中細麺で、醤油スープとの絡みも良好。


繰り返しになるけど、安価な割には高品質で、店主に思わず「450円じゃ安すぎますよ!」と伝えてしまった。
半チャンは玉子、チャーシュー、ネギに、ナルトの細切れも加わる。


味付けは薄味で、濃いめの醤油ラーメンと合わせると、ちょうどいい塩梅かも。
一番安いラーメンが900円以上する店が増えている中、半チャン付きで800円のラーメンとは、本当にありがたいよ。
会計を済ませ、次回は夜の時間帯に飲みに来ようと決意し退散。

そしてつい最近、あづまかんさんに3度目の訪問。カウンター席に座り、まずはドリンクを注文する。
「ビール」550円は、アサヒしかないようなので(以前はキリンもあった模様)、「ホッピー」400円を選択。
外ホッピーは黒で、焼酎の濃さは、普通の店より多めかな。


ここで、店内壁のメニューを紹介。まずはドリンク類だが、ピンボケ失礼。


こちらは、メインの料理各種。麺類やご飯類の他、定食類もある。


さらに、ホワイトボードの日替わりメニューも。右側上、「ピザ」があるのが面白い。


あと、右下から二番目の「豚肉とキャ別みそ炒め」は、回鍋肉に似た料理だと思われるが、「キャ別」表記は珍しいね。

私が選んだツマミは、大好物の「餃子」400円と、「焼売」400円の点心コンビ。
お通しとして冷奴が出てきた(無料)。餃子などを待つ間にちょうどいいサービスだ。


しばらくして、焼き上がった餃子が平皿で、


蒸し上がった焼売がせいろで登場。


「餃子は業務用の冷凍物」という食べログ投稿があったが、店主曰く「餃子は自家製」とのこと。
冷凍イコール業務用という浅い知識で、お店の評判を落とす、このような食べロガーはネット使用禁止にできないものか。
そもそも、他では食べたことのない味だから、ひと口食べれば手作りなのはわかるはずだけどな。
ちなみに中身はこのとおり。粗めに刻まれた野菜の歯触りがよく、私は調味料不要だった。


餃子「は」とおっしゃったように、焼売は自家製ではないようだ。
餃子と比較するとやや小さめで、肉の臭みがない、柔らかくて甘味を感じるタイプで、少し醤油を垂らして食べた。


すぐに黒ホッピーを飲み終え、「焼酎 お茶割り」(ウーロン)400円にチェンジ。


2杯目のウーハイを頼んだところで、もうひとつの点心メニュー「春捲」400円も追加。
日本では「春巻」表記が一般的だが、競輪ファンとしては捲りを連想させる春捲の方がお気に入り。
数分後、レタスにケチャップと辛子が添えられた春捲が登場。そこそこ長めのサイズが4本。


中身の写真はうまく撮れなかったので割愛するが、具材の豚肉が、チンジャオロースのように細長かった。
最初の1本はそのまま、続いて醤油、ラー油を付けて食し、最後の1本はケチャップも試してみた。


東久留米『珍来』の揚げ餃子のときも思ったが、春捲もケチャップを付けると、ラビオリみたいになるね。
4本の春捲を食べ終え、そろそろシメのお食事を頼むことに。

お店の名前がついた「あづまかんラーメン」700円も気になったが、【辛いラーメン三種】カテゴリーに入っているので、
最近辛さに弱くなっている私は注文を避け、これまた好物である「あんかけ焼きそば」800円をチョイス。
店主が、あんかけ部分を調理しながら麺も同時に焼き、
しばらくすると、店内に香ばしい匂いが立ち込めて、あんかけ焼きそばが完成。


あんかけの下の麺は、柔らかい部分、硬い部分、香ばしい匂いの理由である(苦笑)黒い部分と様々。まあ、この程度の焦げは許容範囲だ。


熱々のあんと麺を絡め、舌をヤケドしないように食べていく。
具材は、白菜、竹の子、人参、インゲン、ネギ、豚肉、ハム、ナルトなどなど。


どの野菜にも、しっかり火が通っていて、ちょうどいい歯応えに仕上がっているのはさすが。
ベースは醤油ラーメンのスープと同じなのか、ちょっとしょっぱかったので、この焼きそばでも酒が飲めそう。
最後の1本まで麺をたいらげ、「ごちそうさまでした」。

あづまかんさんは、息子さんが作る本格的なスパイスカレーも人気を博しているようだが、
豊富なキャリアを持つ、お父さん店主が腕によりをかけた中華料理も、皆さんに味わっていただきたいね。
次回は、辛い料理もイケる友人と訪問して、あづまかんラーメンに挑戦してもらおうかな。

おまけ
お店のすぐ隣には、下記看板のように塩豚骨ラーメンをウリにした、大分ラーメンのお店がある。


すごく気になるのだが、営業は昼間だけだし、年齢的に連食もキツいので、まだ入ったことがない…。



あづまかん
東京都八王子市並木町14-15
JR西八王子駅から徒歩約15分、高尾駅からは徒歩約21分、京王線めじろ台駅からも徒歩圏内
営業時間 11時~14時、17時~20時くらいまで
定休日 木曜
※次回のスパイスカレーは11月23日の予定
コメント (2)
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愉快な五目チャーハン 高尾『つるや食堂』

2024年06月19日 | 中華食堂
一風変わった五目チャーハンを出すお店が、高尾にあると知ったのが数年前。
最近は山歩きをしなくなり、高尾駅で下車するのは、このとき語った日野駅と同様、酔って寝過ごしたときだけ(苦笑)の私ゆえ、
なかなか行く機会がなかったが、今年ようやく、高尾にもう1軒気になるお店があったので、まとめて訪問してきた。  ※もう1軒のお店はこちら

お店の名前は『つるや食堂』。私の好きな外観のお店である


61-と電話番号がふたケタから始まるのが、長年営業を続けている証明である。 ※現在は3ケタの661-

ドアを開けて入店すると、おばちゃんから「いらっしゃい」と声がかかる。店内はカウンター席はなくテーブルのみ。
卓上にメニュー表などはなく、壁の商品札を見て注文する。こんな写真しか撮れなくてゴメン。


いつものように、メニューの詳細は、食べログなどで各自確認してほしい。

このあと、もう1軒寄るので酒類は頼まず、大好物の「ギョーザ」500円と、お目当ての「五目チャーハン」900円を注文。
オーダーを聞いたおばちゃんが、自ら厨房に入り調理を開始し、中華鍋でチャーハンを作り始める。
しばらくすると、出前に行っていたらしいおじちゃんが戻ってきて、
大きな岡持ちをテーブルに置くと、すぐに厨房に入りおばちゃんとチェンジ。


店主兼料理長兼出前運びと、ひとり三役のおじちゃんが仕上げた、五目チャーハンと餃子が同時に提供された。


これが噂の五目チャーハン。大胆かつ斬新、というか愉快な盛り付けである。


横アングルも撮影。チャーハンの上に、チャーシュー、ナルト、カマボコ各2枚に、茹で玉子半分が、そのままの形状で乗っている。


だいぶ前に紹介した、「玉子を切るのがメンドーだからそのまま出した」説がある、神楽坂『龍朋』の冷やし中華を思い出させる。

※商品名は「冷中華」。以前はGW明け、現在は6月から販売開始

味も一応説明すると、チャーシューはしっとりとした歯触りの薄口で、ナルト、カマボコ、茹で玉子は、まあごく普通の味だ。

下のチャーハンは、刻んだチャーシューにナルト、炒り玉子とネギという構成。カマボコを合わせれば確かに五目だ。


チャーハン自体は、適度な塩コショウと炒め具合で、上の具材がなくても(笑)じゅうぶん美味しい。
スープは醤油味で、「ラーメン」と同じものかな。煮干しが効いた塩分控えめのさっぱりテイストだ。

餃子は一人前5個で、大きさは標準。自家製だと思われる。


具材の野菜は細かく刻まれており、老舗中華屋さんでは珍しく、しっかり味付けされており、醤油ナシでもOK。


卓上には、各種調味料の他にマヨネーズも用意されているので、


五目のアタマ部分と一緒に、マヨを付けて食べることに。こうして見ると、酒のつまみみたいだね。


おじちゃんは、私の注文した二品を仕上げると、すぐに別の料理に取り掛かり、再び配達に出ていく。
おばちゃんも接客・配膳だけでなく、出前電話の応対や調理補助と、これまた結構忙しそう。
一瞬手が空いたのを確認し、お会計をお願いしたら、おばちゃんがわざわざ入口まで見送ってくれて感謝。

数日後に二度目の訪問。オーダーしたのは、大好きな麺類のひとつ「五目そば」800円。
この日は先客がいて、近隣住民と思われる、お年寄り4名が酒宴を開いており、なかなか賑やか。
さっきの卓上写真に灰皿が写っていたように、こちらは非禁煙店でもあり、酔客やタバコが苦手な方は、行かない方がいい。
こちらのお店だけでなく、長年営業している食堂は、お店と常連客との信頼関係や独自のルールがあって当然だし、
それを理解しようとせず、匿名でネットに文句を書き込むような一見客は、訪問を控えるべきである。
そもそも、批判と採点ありきの客、たとえば食べロガーたちは、絶対に来ないでほしい。
空腹や心を満たす幸福な時間であるべき食事を、不満を探す機会にするなんて、哀れな人生だよな。

さて、私の幸福な時間がやってきた。五目そばの完成である。


予想はしていたが、一般的な五目そばの上に、例の愉快な彼ら=チャーシュー・ナルト・カマボコ各2枚・茹で玉子半分が乗っている。
スープは、塩味というか、独特のテイストをした、やや濁りのあるタイプ。


中細の縮れ麺とも好相性で、多彩な具材の風味が溶け込み、さらにウマくなる。


具材は、先述の4種の他、白菜、きくらげ、人参、竹の子、ピーマン、豚肉、玉ねぎなど。


チャー・ナル・カマ・玉(略称)は、普通の五目そばに入っていてもおかしくない具材だ。
ひょっとして五目チャーハンは、五目そばを食べた常連の「これのチャーハン版を作ってくれ」という要望から誕生したのかも?
飲んでいる先客がうらやましかったので、次回は私も一杯やろうと決め、この日は退散。
帰りは健康のため、隣の西八王子駅まで歩くことに(結構かかるよ)。
お店の反対側、中央線の南側ルートを選んだのだが、数年前に紹介した『リバティ』が、跡形もなくなっていたのが悲しかった。

3度目の訪問は、別の店で軽く飲み、腹六分&酩酊状態で訪問。
「焼酎 ウーロン割」400円と、飲み食いしてからシメ、は無理そうなので、食事とつまみを兼ねそうな「五目固やきそば」800円を注文。
まずはウーロン割が、お通しのポテトサラダと一緒にやってきた。


焼酎は甲類で、居酒屋より濃いめ。ポテサラは逆に、お通しらしく薄めの味付け。
スポーツ新聞を読みながら待っていると、既視感のある愉快なビジュアル(笑)の五目固やきそばが登場。


「つるや五目アタマセット」(←勝手に命名)の下には熱々の中華アン、そして香ばしく揚げ焼きされた麺。


具材は、モヤシが加わる以外は、五目そばとたぶん同じ。中華アンが冷めず食べるのが遅れたため、麺がアンを吸って膨らむ。
というわけで、腹六分状態で挑んだ五目固やきそばは、ウーロン割も2杯飲んだためか、完食までかなりの時間を費やしてしまった。
なお、五目固やきそばの味自体は、具だくさんでもあり、アンの旨味を吸った麺が、硬い&柔らかいの双方が楽しめて、
空腹でなかったにもかかわらず、かなりウマかった! と報告しておく。

食事中は、近くに座った常連客のおじいさんと、手が空いていた店のおばちゃんと、店内TVの野球中継を一緒に観戦。
ふたりとも巨人ファンらしいので、アンチ巨人であることを隠し、私も一緒に応援…のフリ(笑)。
おじいさん「なぜ大城を使わないんだろうな」 私「今、二軍なんですよ」 ※訪問当時
おばちゃん「今、打ったのは誰?」 私「萩尾っていう若手ですよ」などと、持論を述べず解説に専念。一応、スボーツライターなので(笑)。
まだ三度目の訪問なのに、野球を観ながらくつろいでしまった。それだけ、お店の雰囲気が気に入ったのだ。
お会計を済ませ、おばちゃんに「また飲みに来ますね」と告げて退散。

帰りはこの日も、酔い覚ましを兼ねて西八王子駅まで歩くことに。今回はお店を出てそのまま東進する、中央線の北側ルートを選択。
「カレーライスもあったので、あのアタマセットを乗せた“五目カレー”とか作ってもらえないものか…」
なとど妄想しながら歩いていたら、下記の気になるお店に遭遇。次回はここに寄ってみようかな。

※上記店舗のブログはこちら

もちろん、つるや食堂さんにも引き続き通うつもりである。皆さんも、高尾山登山の帰りにでも、ぜひ寄っていただきたい。

おまけ
つるや食堂さんの店内では、カレンダーを6つほど掲示している。常連客や関係者からもらったのかな。
そのうちひとつが、なぜかヌードカレンダーである(苦笑)。おじちゃん店主の趣味か?


いつもどおりヘタクソな撮影だが、鮮明な画像だとgooブログに怒られそうなので、ちょうどいいか。



つるや食堂
東京都八王子市東浅川町986
JR高尾駅北口から徒歩約7分、西八王子駅からは約29分
営業時間 11時~14時、17時~20時くらいまで、夕方の常連はたぶん、17時前から入っている
定休日 月曜
※出前もやっているので、商品提供が遅れる場合もありますが、のんびり待ちましょう
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東京の野球強豪校とは無関係 拝島『三高飯店』

2024年04月09日 | 中華食堂
数週間ほど前、例のごとく酔って記憶をなくし、下りの中央線で寝過ごしてしまった。
豊田や高尾だったら「ああ、またやってもうた」で済むのだが、よりによって青梅行きに乗ってしまったようで、
気付いたのが終点ひとつ前、私にとって未知の駅である東青梅。時刻は0時50分、当然戻る電車はない。


いつものように、タクシーには乗らず、酔った自分に罰を与えるため、徒歩で立川市の自宅に向かう。
途中、逆方向に進んだり、えずいて立ち往生しながらも、ひたすら歩き続けていると、下記の看板を発見。


『中華料理 三高飯店』。深夜に歩き続ける日大三高出身の私を、勇気づけてくれるような看板である。
この屋号のお店は知らなかったし、自分が今、どこを歩いているのかも不明だが、改めて再訪しようと決心。
看板の激励(?)のお陰で、数時間後には帰宅できたが、翌日は下半身全体が筋肉痛になり、歩くのも苦労する状態。
悶絶しながらも、パソコンで「青梅線沿線 三高飯店」で検索したところ、看板のお店は昭島市で、最寄り駅は拝島と判明。
前回紹介した『品香園』が、日大三高野球部御用達のお店であり、今回も三高関連の飲食店かと思いきや、
残念ながら、三高の読みは「みたか」であり、どうやら無関係のようだ。

数日後、足の痛みも治まったので、青梅線に乗り拝島へ。駅自体は何度も通過しているが、下車した記憶はほとんどない。
南口に出て20分ほど歩き、国道16号線らしい大きな道路に出ると、
例の看板が見つかる。明るい時間帯だと、みたかの読み仮名がはっきりわかるね。


こちらがお店の外観。さっそく入ってみることに。


店内は、厨房前のカウンター席と、テーブル席が3つ。先客がふたり、カウンターとテーブルに分かれて座っている。
ふたりの間に会話はないが、瓶ビールを飲んでくつろいでおり、どちらも常連なのは間違いない。
私はカウンター席に座り、とりあえず「ビール(中)」550円と「餃子」400円を注文。
厨房にはベテラン風の男性店主のみ。彼がひとりで営んでいるようだ。

こちらが卓上のメニュー。この他に、日替わり定食やラーメン+半チャーハンセットなどを記したホワイトボードがある。


入口脇の棚には、多数の漫画(表紙がない状態が多い)が乱雑に積んでおり、店内も決して綺麗とはいえないのだが、
客席には調味料と一緒に植物が置かれ、目の前には熱帯魚の水槽が置いてある。


ブルーの色合いが目にやさしく、注文を待っている間、バカみたいに凝視していた。

まずはスーパードライの中瓶と、お通しらしい、小皿に盛られたキムチが登場。


数分後、餃子が焼き上がる。左端のは、やや形が崩れちゃったね。


食べてみると、具材はよく練られて、しっかり味も付いており、醤油は不要。
お酢が合いそうだが、私は苦手なので使わず、コショウとキムチを添えて食べた。


カウンター席の先客Aは、ビールを飲み終わると、メニュー表にないウーロンハイをオーダー。
テーブル席の先客Bには、あんかけの具材が乗った麺料理(広東麺?)が運ばれたが、しばらく手を付けず、お店の漫画雑誌に集中。
地元に根付いたお店らしい、ゆる~い雰囲気の中、店主はひとり黙々と働いている。

私もウーロンハイを注文し、さらに「ワンタン」550円を追加。
しばらくして、ウーハイがやってきた。自家製らしい丸っこい氷が入っている。


使っている焼酎の銘柄は不明だが、クセがなく飲みやすいタイプで、かつて私が愛した「大五郎系」(笑)ではないのは確かだ。
会計から導き出したウーハイの価格は、たぶん1杯400円で、私は2杯飲んだ。
1杯目の途中でワンタンが完成。醤油ラーメンの麺をワンタンにしたバージョンだと思う。


ワンタンは薄皮で、ちゃんと肉が詰まったものが計8個入っており、いいツマミになる。


具材はモヤシ、メンマ、ネギ、海苔、チャーシュー。小さいけれど2枚入っていたチャーシューは、自家製らしく意外と美味しい。


具材を食べ切り、2杯目のウーハイも飲み終えたので、シメのお食事に。
ホワイトボードには「ラーメンセット」があり、①は餃子3個と半ライス、②が半チャーハン、③は半カレーが、麺類に付いてくる。
価格は、醤油と塩(メニューにはない)が850円で、味噌だと900円。味噌だけなぜか、九〇〇円と漢数字表記だった。
私は味噌+②のセットを選択。さっそく店主が調理を始める。
厨房内には、餃子専用の鉄板の他、中華鍋が3つ設置してあり、ひとつはチャーハン専用、
あとのふたつは、チャーハン以外の炒め物に使用し、一番右側が、麺類やワンタンを茹でる専用。


チャーハンの調理と麺茹でを同時に進め、まずは半チャーハンが提供される。


確かに、一般的なチャーハンのハーフサイズで、油多めのしっとりタイプ。
具材は玉子とネギに、細切れチャーシュー。さっき書いたように、チャーシューがウマい!


ふた口ほど食べたところで、鍋でスープを煮込んで仕上げた、「みそラーメン」が完成。単品価格は750円。


メニューにない半チャーハンは、「チャーハン」700円の半額350円だとすると、セット価格の900円はかなりお得である。
横アングルも撮影。炒め野菜がたっぷり盛られている。


満腹になる前に食べ始める。麺は、味噌ラーメンとは好相性な縮れタイプ。


具材は、モヤシ、玉ねぎ、人参、ニラ。ひき肉などは入ってなかったと思う。
味噌スープは結構しょっぱめ。店主から「七味使いますか?」とたずねられたが遠慮しておいた。
昭和の時代によく食べた、チャーハンと味噌ラーメンに満足し、「ごちそうさまでした」。
他の客が帰ったあとだったので、会計後に少し、店主と会話させていただいた。

さっきの「七味使いますか?」の声掛けからもわかるとおり、店主は明らかに年下の私にも敬語を使う、腰の低い温厚な方である。
冒頭で記したように、「東青梅まで乗り過ごし、歩いて帰る途中でこちらの看板を発見した」と告げたところ、
「それは大変でしたねえ」と同情してくれ、「今日はわざわざ来ていただき、ありがとうございます」とお礼まで言われてしまった。

最初の方で掲載した、お店看板に「PM5:00~AM1:30」と記されていたように、こちらは夜間営業のお店なのだが、
遅い時間帯に来る、昭島市の客なんて、ガラの悪い輩も多いはず。 ※あくまで個人の感想です
そんな、荒くれ者相手の商売人ゆえ、店主も気性が激しい方かと想像していたので、いい意味で裏切られた。
「さんこう飯店」と読み間違えたことを告白すると、店主も「そう読む人が多いです」とのこと。だから看板にフリガナを振ったのかな。
「気をつけてお帰りください」という言葉に従い、昭島のチンピラに絡まれないよう、警戒しながら拝島駅に向かった。
さきほどから、昭島市民をかなり侮蔑しているが、私も同じく、民度の低い立川市民なので、許してほしい。

そして昨日、昭島市内の某店に寄り、態度の悪い店員(昭島市民なのかは不明)にウンザリしながら飲み食いしたのち、
気分直しに三高飯店さんを再訪問。結構満腹になっていたので、アルコールはなしで。
注文したのは、初回訪問時に気になっていた「オムカレー」850円。満腹なのにヘビーな選択である。
待っている間は、既述した漫画コーナーから、個人的には最近あまり見かけなかった、「週刊漫画ゴラク」を拝借。


国立『餃子王』のときにも書いたけど、私の印象では、食堂の漫画雑誌といえば、ゴラクとビッグコミックオリジナルが二強だった。
部数はだいぶ落ちているだろうけど、青年(というかおっさん向け)漫画誌の老舗として、まだまだ頑張ってもらいたい。
ゴラクを読んでいるうちに、オムカレーが完成。そこそこ大きめのお皿に、カレーソースがたっぶり注がれている。


薄焼き玉子の中身は、ケチャップライスorカレー風味のピラフかと思いきや、まさかの白米?


イヤ、厨房では確かに、玉子以外の何かを炒めていた。いざ食べてみると、予想外のバターライスであった!
カレー、オムレツ、バターライスと、中華要素が皆無のメニューだが、これはこれで面白い。
ちなみに、バターライスは具ナシで、カレーも具材は玉ねぎのみ。低カロリー(そうか?)でいいね。
店主は、私が前回そこそこ飲み食いしていたのを覚えていてくれて、「足りますか?」と心配してくれた。
「じゅ、じゅうぶん足りてます!」と返答。もちろん、一般的な感覚でも全然少なくない量である。
どこかで食べた、懐かしくもスパイシーなカレーが食欲をそそり、一気に食べ切った。

「今日は他店で飲み食いしてきたので、一品だけですみません」と謝罪しながらお会計。
無論、店主さんは、「イヤイヤ、気にしないでください」と敬語で返答してくれる。
日大三高とは無関係だろうと、私はここ三高飯店を、そして店主を気に入った!
そういえば、屋号の由来を聞いていなかったので、たずねてみたところ、
「私の名前が高○三○で、名前の三と名字の高で、三高飯店にしたんです」と教えてくれた。
プライバシーの問題もあるので、一部伏字にしたが、「なるほど!」と思わせる命名理由だった。

深夜1時半まで営業しているようなので、私も今度、遅い時間に訪問してみようかな。
帰りの青梅線がなくなったら、歩いて帰ればいいし。どうせ立川まで、ほんの80分くらいだろう…。



三高(みたか)飯店
東京都昭島市緑町3-23-11
JR青梅線拝島駅より徒歩約14分、昭島駅からは約21分
営業時間 17時~翌1時半
定休日 水曜
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名将が舌鼓を打った街中華 淵野辺『品香園』

2024年04月02日 | 中華食堂
「名将」→すぐれた武将。名高い大将。また、野球やサッカーなどのすぐれた監督。  ※goo辞書より
歴史上の武将や、スポーツの名監督は多いけれど、私がもっとも尊敬している名将は、
拙ブログではおなじみ、我が母校・日大三高の硬式野球部前監督である、小倉全由さんである。

※令和5年高校野球東西東京都大会・出場校選手名簿より

小倉監督は、自宅に帰ることはほとんどなく、学園内にあった野球部の寮で、部員たちと共同生活を送っていた。
野球漬けの日々を過ごす中、生徒たちには時々、お菓子をふるまったり、休日を与えていたように、
小倉さんも自身も、たまには高校野球を忘れ、一杯やりたいときもあったはず。
そんなとき、監督が足を運んでいたのが、日大三高と同じ町田市にある中華食堂『品香園』


スポーツ報知の記事によると、小倉さんが初めて訪れたのは2001年とのこと。
この年、三高野球部は春夏連続で甲子園に出場し、夏には全国制覇を遂げている
訪問した時期は不明だが、マスコミ取材が殺到し、OBからは激励や(余計な)叱咤を受け、監督が多忙だったことは間違いなく、
こちらのお店で飲み食いすることで、活力をチャージしていたのかもしれない。
その後、常連となった小倉さんは、部員と一緒に訪問したり、冬合宿の打ち上げで、総勢50人を連れてきたこともあったらしい。
小倉さん及び三高野球部のファンである私が、彼ら御用達の中華食堂を訪れるのは、必然であった。

初訪問は昨年の秋。店内はなかなか広く、厨房を囲むカウンター席の他、テーブル席や座敷席もある。
カウンター席に座り、とりあえず「瓶ビール(中)」620円を注文。すぐにキリンラガーが運ばれてきた。
卓上のメニューを撮影。まずはドリンク類とおつまみ。


こちらは一品料理とスープ。「ギョーザ」は、6個入りの方が少しだけ割安。


麺類も豊富で、基本の「ラーメン」は650円だが、ハーフサイズの「1/2ラーメン」380円や、倍量の「4/2ラーメン」1000円もある。


最後に、定食・丼などのご飯もの。メニュー豊富で席数も多いが、働いているのはご夫妻と息子さんの3名体勢。


お客さんも結構入っていたが、親子3人の好連係により、待たされることはなかった。
最初に注文したのは、ギョーザ6個と「豚肉とキクラゲの玉子炒め定食」900円の単品750円。どちらも私の大好物だ。
息子さんが餃子を焼き、お母さんが食器を並べ、旦那さんが鍋を振り…大勢の注文をさばいていく。
私が頼んだKTI=キクラゲ玉子炒めも、すぐに提供された。


全体の量自体がやや多めだが、ご覧のとおり、キクラゲの割合が他店より明らかに多い。


味付けは濃くなく、印象に残るのはやはり大量のキクラゲ。竹の子も入るため、どこを食べても歯応えがある。
しばらくして、ギョーザも到着。きれいに形が揃っていてイイね!


自家製の餃子は、野菜と肉が6:4くらいか。バランスがよく、誰もが好きなテイスト。


ビールを飲み終え、「ウーロンハイ」430円に替え、餃子とKTIをガツガツと頬張り、シメの食事を注文することに。
ベーシックな醤油味のラーメンは選ばず、塩味カテゴリーから、これまた大好物の「五目ソバ」870円をチョイス。
ほとんど待つことなく、五目ソバが完成。繁盛店の鍋をひとりで担っているだけあって、旦那さんの手際の良さは抜群。


具材は、白菜、キクラゲ、人参、竹の子、絹さや、焼豚、カマボコ、海老、うずら、ゆで玉子、カイワレなどなど。
いろんな旨味が融合した塩味スープの中で、黄色い細縮れ麺が踊る。


ここまで結構飲み食いしてきたので、五目ソバを食べ終わったあとは、結構満腹になった。
会計を済ませたのち、お店の方に許可をいただき、もう1枚だけ、撮影をさせていただくことに。
品香園さんには、数年前バナナマンの日村さんがロケで来たらしく、壁には彼のサインと番組ステッカーが提示してあるが、
私が撮ったのは、別の場所に貼ってあった、下記の画像。


小倉監督のモットーである、「練習は噓をつかない」のメッセージが入った、三高の校章入りミニタオル(?)だ。
書いたのも当然、ご本人である。撮影後は、両手を合わせて拝ませていただいた。なにかご利益がありそうだ(笑)。

旦那さんは、ほぼ目の前にいたけれど、ほとんど話せず。実際、他の客とも会話はしていないが、
無言で調理に専念している様子が、いかにも腕利きの職人みたいで、そういうスタンスは嫌いではない。
高校野球の名将・小倉さんもきっと、字は違うが中華の名匠である、旦那さんを敬っていたに違いない。

年が明け3月に入ると、高校野球の対外試合も解禁になる。
3月2日、選抜甲子園に出場する関東一との練習試合を観戦しに、三高グラウンドへ行ったところ…誰もいない(嘆)。


普段は午前10時くらいから始まるのに、この日の試合は午後開始だった模様。
母校キャンパスは丘の上にあり、3月上旬だとまだ寒いので、午後まで待たず退散し、11時開店の品香園さんに向かう。

開店時間になり、ノレンが出てきて入店を許される。私のあとからも、客がどんどん入ってきた。
飲酒などで長居はせず、この日注文したのは、とろみカテゴリーの「肉ソバ」950円と、「半チャーハン」380円。
相変わらず、旦那さんの鍋捌きは軽快で、ふたつの料理をほぼ同時に完成させていた。


肉ソバは、「豚肉と玉ねぎの甘辛あんかけ煮込み」を、具ナシ醤油ラーメンに乗せたもの。


半チャーハンは、たしかにハーフサイズの量で、麺類とのセットだと330円になる。


まずは肉ソバのあんかけを避け、基本のスープをすすってみたところ、おお、魚介ダシだ!
街中華のラーメンは、いわゆる昔ながらの醤油スープが出てくる場合が多いのだが、
こちらのスープは、今風にアレンジされた魚介テイストで、かなりウマい。
肉あんかけとの相性も悪くなく、とろみスープが麺とよく絡む。


一方のチャーハンは、元々のご飯が柔らかいのか、パラパラタイプとは対照的な、しっとりタイプ。
近年、「チャーハンはパラパラタイプが正統」みたいな風潮があるけど、私は「ウマけりゃどっちでもいい」派である。
無論、品香園さんのチャーハンは、油っこくなく味付けも適度で美味しい。グリンピースがいい脇役だ。
いつものようにお行儀悪く、「肉あんかけチャーハン」にしたりして、双方ともすぐに食べ切った。


会計時、小倉監督がよく食べていた料理をお母さんにたずねたところ、「肉野菜炒めかな…」と教えていただいた。

尊敬する小倉さんが、舌鼓を打った料理を堪能すべく、数日後に3度目の訪問。
「肉野菜炒め定食」880円のおかず単品730円に、初回と同様、瓶ビールを合わせる。
つい先日、「今後は、食事の際は酒を控えようと決意」したのだが(詳細はこちらの冒頭)、この日も酒の誘惑に負けてしまった。
ビールを飲み始めると同時に、旦那さんが調理を開始。あまり待つことなく、肉野菜炒めが完成。


横アングルも撮影。野菜不足の私に最適な、ボリューミーかつ彩り鮮やかな一品である。


他店との違いは、キャベツが細かく刻まれていることと、油通しされた豚肉が、意外と多いことか。
濃いめのテイストでビールが進み、今回も途中でウーロンハイにチェンジ。肉野菜炒めが残りわずかになったところで、
厨房の旦那さんにも、小倉さんがこちらのお店で、何を食べていたのか聞いてみた。
普段は寡黙で、ちょっと怖そうに見える旦那さんだが、私が監督のファンと知ると、表情が柔和になった。
「小倉さんはねえ、まず餃子と肉野菜炒め、さらにツマミを頼んでラーメンで締めることが多かったかな」。
結構食べているし、「ツマミ」ということは…? 「ええ、お酒も飲んでましたね」。
最近、酒のあとにメシが入らなくなった私よりも、年長の小倉さんがそれだけ飲み食いするのはスゴイ! 
だからこそ、孫みたいな世代の部員たちと一緒に、練習で身体を動かせるのだろう。
そんな監督に負けじと、私も【小倉全由フルコース】を味わってみることに。

肉野菜炒めとビールは注文済み。餃子は以前頼んだので、「春巻」1本140円を2本追加。
さらにウーハイのお替わりと、小倉さんが酒のアテによく頼んでいたらしい、「つまみチャーシュー」500円もお願いした。
先に春巻が揚がった。ハシで等分してからかぶりつく。


具材は豚肉、竹の子、椎茸で、甘口の味付けが印象に残る。他ではないテイストゆえ、春巻も自家製かな? 


続いて、生野菜の上に盛りつけられた、つまみチャーシューが登場。


上記画像を見て、タレだけでなく、魔法の白い粉がかかっていたのに気づいた。
ここのチャーシューの脂身は、冷たくてもしつこくない。野菜も付いてきたし、むしろヘルシーだろう。

春巻もチャーシューもウマく、3杯目のウーハイも飲み干し、そろそろ酩酊してきたので、シメのラーメンを注文。
あとで聞いたら、「小倉さんは1/2ラーメンでしたよ」とのこと。私も半分サイズにすればよかった…イヤ、
さっき書いたように、スープが美味しいので、フルサイズで正解だろう。
小さめのチャーシューにメンマと海苔、ネギとカイワレが乗った、シンブルだけど奥深いラーメンが登場。


前2回の訪問時に、ラーメン丼の横アングルを撮ってなかった。


残ったつまみチャーシュー2枚を加え、いざ食べ始める。


お酒と料理でお腹一杯のはずだが、絶品スープのお陰で、麺がスルスル入っていく。
よせばいいのに、スープも残さず飲み干し、小倉さんのフルコースを完食!
酩酊&満腹状態だったが、監督のパワーを授かったのか、淵野辺駅まで徒歩20分以上の帰路も、苦にならなかった。

最後に個人的な話題を少々。
実は、このお店のすぐ近くに、かつて高校の同級生が住んでおり、学校帰りや休日に、よく遊びに行ったものだった。
たまに、彼の家で中華の出前を取ってくれたのだが、そのお店は、ここ品香園だったのではないか。
会計後にご夫妻に、だいぶ前ですが、○○(←友人の名字)さんの家に出前しませんでしたか? とたずねたところ、
「もう40年くらい営業しているから、記憶はあいまいだけど、○○さん宅には何度か配達したと思う」と、お母さんが教えてくれた。
結果的に、品香園の料理は、高校野球の名将・小倉監督だけでなく、ボンクラ高校生の私も味わっていたようだ。

友人とはもう20年以上会っておらず、彼の実家も引っ越してなくなっていたが、品香園さんは今も元気に営業中
今後も、母校での試合観戦後などに寄らせていただき、小倉さん直筆のメッセージを眺めながら、飲み食いしたいと思っている。



品香園
東京都町田市根岸町2-26-32
JR淵野辺駅より徒歩約22分、日大三高からも同じくらい。店の前にバス停留所「下根岸」あり
営業時間 11時~15時、17時半~21時
定休日 水曜
※駐車場が12台分あり、詳細はこちらのお店HP
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MajiでKoiする街中華 武蔵境『末広』

2024年03月05日 | 中華食堂
はたらけど はたらけど猶(なお) わが生活(くらし) 楽にならざり ぢっと手を見る
上記は、石川啄木の有名な短歌だが、ロクに働いていない私の生活が、楽になるワケもなく、
最近ようやく、無駄な出費を減らそうと考え始め、真っ先に思い浮かんだのが、食事中の飲酒。
東洋経済オンラインの記事によると、サラリーマンの平均昼食代が624円という時代に、
ほぼ無職の私が、ビールやウーロンハイを追加し、ランチで2千円くらい使うのは、さすがに図々しい。
今後は、昼夜関係なく酒とメシをはっきり分け、居酒屋や飲み会ではガンガン飲むが、食事の際は酒を控えようと決意!

ところがつい先日、そんな私の決意をいきなり揺るがしかねない、恐ろしいお店を知ってしまった。
そのお店とは、この回の最後に「ミニねぎ豚丼」を紹介した、『中華料理 末広』


1969(昭和44)年創業の老舗食堂で、住所は三鷹市だが最寄り駅は武蔵境。ただし、徒歩だと20分くらいかかる。
西武多摩川線・新小金井の方が少しだけ近そうだが、乗換が面倒だろうから、JRユーザーには武蔵境を推奨する。

駅からのアクセスに反し、かなりの繁盛店らしいので、初訪問時は夜営業の開店前に到着したら、すでに若者客ふたりが並んでいた。
店頭には、昔懐かしい料理サンプルがあるが、一部商品は実際のサイズと異なるので、気をつけよう(後述)。


開店数分前になると、女将さんが入口ドアを開け、「お待たせしてすみませんでした。カウンター席へどうぞ」と迎え入れてくれた。
待ち客の存在と、女将さんの丁寧なあいさつで、噂どおりの名店だと確信。そして、入店後も期待は裏切られなかった。
店内はカウンター7席と、4人テーブル席がふたつ。テーブル席は広くないので、大人4人だとキツそうだ。

メニューを撮影したので以下で掲載。
まずはめん類。「ラーメン」500円など、現在も昭和価格を維持してらっしゃる。


各種定食や一品料理、チャーハンなどご飯もの。


麺類、ワンタンとのお得なセットメニュー。


最後に、サイドメニュー・スープ・飲み物。アルコール類が豊富で、ビールだけでも5種類用意されている。


「まずはビール!」といきたいところを、冒頭で決意表明したとおり、なんとか我慢し、
注文したのは、大好物の「餃子」400円に、ちょっと珍しい「玉子スープメン」600円と「ミニねぎ豚丼」のセット250円。
働いているのは、女将さんと現店主の旦那さん、そして先代の奥様、つまり大女将の3名。
旦那さんは調理に専念し、女性ふたりが調理補助や接客を担当。厨房には岡持ちが置いてあり、以前は出前もやっていたようだ。
しばらくすると、まずは玉子スープメンが登場。


こちらが横アングル。右脇に見えるのは、府中本町『天下一』のときも読んでいた、「ナニワ金融道」だ。


繁盛店ゆえ、待つこともある末広さんだが、漫画もたくさん置いてあるので、読みながら完成を待とう。
その直後に、餃子とミニねぎ豚丼もやってきたので、さっそく食べ始める。


ミニねぎ豚丼は、この前語ったように、刻んだチャーシュー&ネギを、ゴマ油やタレで和えたものだが、全然ミニではなく、食べ応えがある。


焼き色の揃った餃子は、立川の『四つ角飯店』と同様、具材が細かく刻まれており、味自体も似ていた。


そして、玉子スープメンは、塩味の透明なスープに、炒り卵や野菜を加えてある。
麺はちょい柔らかめの中細麺。スープを吸ってさらにウマくなる。


具材は玉子、キクラゲ、玉ねぎ、人参、ピーマン、竹の子など。「玉子スープ」450円という商品も、たぶん同内容だろう。


ねぎ豚をスープに加えたり、反対に玉子を丼に乗せたりと、トレードを楽しんだのち、全部たいらげた。


3つとも美味しくボリューミーなのにお手頃価格。さらには女将さんの明朗かつ丁寧な応対も素晴らしい。
四拍子揃った中華食堂に感激しつつ、多摩地区にあったのに知らなかった、今までの自分が悔しい。

別の料理も気になり、数日後に再訪問。店頭で少しだけ待ち、前回と同じカウンター席に案内された。
なお、この日私の隣に座った常連風のおっさん客は、「チキンライス」600円の大盛を頼んでおり、しばらくするとオレンジ色の山が登場。
「中華丼」に使用するような、すり鉢状の器に、一般的なチャーハンの3倍以上のチキンライスが盛られている。
おっさんはすごい勢いで食べ終えたが、メニューには「大盛」の価格は記載されていない。
気になったので会計に耳を澄ませたところ、女将さんが「700円でーす」だって。
+100円であの盛り具合とは…末広さんには、もっと若い頃に出会いたかったよ(泣)。

ネットで予習したところ、チキンライスだけでなく、ご飯ものはだいたい山盛りで、定食はご飯もおかずもたっぷり。
“当店人気NO.1”の「タンメン」620円も、『ラーメン二郎』のように野菜がてんこ盛りで、
私がこの日頼もうとしていた、好物のKTI=「玉子とキクラゲ炒め」650円も、モヤシが大量に入る様子。
なので注文時、女将さんに「モヤシ少なめにできますか?」とたずねたところ、「では、少なめでお作りします」と承諾してくれた。
なお、一緒に頼んだのは、ライスや麺類ではなく、「す、すみません、キリンラガー(600円)も…」であった。
【食事中に酒は頼まない】という決意は、早々と瓦解(恥)。意志の弱い私を許しておくれ。
なお、ビールは大瓶で、お通しのポテサラ付きなので、600円は安い。


先客の調理が重なっており、キクラゲ玉子炒めは、しばらく待つことになった。
減らすのはモヤシだけでいいのだが、女将さんの口調だと、全体的に少なくなりそう…と心配していたところ、
運ばれてきたのが、下記の商品。「これで少なめ!?」(笑)と、思わず笑ってしまう量である。


横アングルだと、さらに凄さがわかる。これより多い普通サイズの量と、それなのに650円という価格に震撼。


左手にビールグラス、そして右手でハシを握りしめ、いざ「大物」に挑んでいく。
大量のモヤシをかき分けていくと、玉子もたっぷり隠れていて嬉しい。


ビール2本を費やし、一般的なお店のKTI以上の量を食べたはずだが、まだ1/3くらい残っている。
ここでビールはやめ、シメとしてご飯とラーメン500円を頼むことに。
当初は「半ライス」170円の予定だったが、念のため女将さんに量を確認したところ、
さっき紹介した全然ミニじゃない、ミニねぎ豚丼用の器を使うらしいので、「小ライス」120円に変更。
小ライスの器は、ひと回り小さかったのだが、出てきたご飯は、ご覧のようにてんこ盛り。一般的なお店の並ライス=200グラムくらいありそうだ。


ほぼ同時にラーメンが登場。チャーシュー、メンマ(太めと細めの2種)、わかめ、ナルトと、500円だけど具材は豊富である。


まずは全然小じゃないライスを、残ったKTIと一緒に食べていく。
半分くらい食べたところで、ラーメンのわかめなども乗せ、ミニKTI丼を作成。見た目はイマイチ(私のせい)だが美味しい。


ラーメンは、正統派の醤油スープで塩分控えめ。麺は玉子スープメンと同じものだと思う。
ご飯と並行して食べていたつもりなのだが、気付いたら麺が増えてる!? 


店主が勝手に替玉を追加…するワケはなく、元々の麺が多く、スープを飲んで減った分、増えたように見えたのだろう。
KTI、ごはん、ラーメンをどうにか食べ終え、腹パンパンの状態でお会計。帰路は往路より、約5分余計にかかった(苦笑)。

そしてつい数日前、初訪問から1ヶ月ほどしかたっていないが、早くも3度目の訪問。
この日は食事メニューのみ注文で、「ワンタン」550円と「ミニカレー丼」のセット250円に、「ミニかつ丼」400円も追加。
半チャーハンはないのに、かつ丼や親子丼の縮小サイズがあるのは面白い。
最初に来たのが、そのミニかつ丼。ちゃんとスープとたくあんも付いてきた。


和風出汁と玉子でとじた、カツは決して小さくなく、横アングルで見れば、ミニではなく立派なかつ丼である。


その直後に、ミニカレー丼も完成。かつ丼にも乗っていた、グリンピースが懐かしくていいね!


最後にワンタンが登場。かつ丼は食べかけだが、揃ったところで集合写真。


一瞬、食べ切れるか心配になったが、どれも味がいいのでスルスル胃に収まっていく。
ラーメンと同じ醤油味スープに入ったワンタンは、具ナシの昭和風ではなく、生姜風味のお肉がパンパンに詰まっている。


少し食べてから、単独画像を撮っていないことに気付いたが、ワンタンは計10個入っていた。


カレー丼は、人参やじゃがいもが入る家庭的なタイプ。かつを乗せて「ミニかつカレー」にしてみた。


ハシ、スプーン、レンゲを駆使し、ガツガツとたいらげ「ごちそうさまでした」。1200円で腹イッパイ、そして大満足である。

さっきも書いたが、味、量、価格、接客のすべてが素晴らしく、酒類も含めメニュー豊富で、衛生面も問題なし。
前回紹介した、白糸台の『やすいみ~と』と同様、末広さんも「混んでいる」以外は欠点が見当たらない…
あ、ひとつあった。「ミニ」「小」「少なめ」が信用できないこと(笑)。店頭の料理サンプルも、実際の量より明らかに少ない。
無論、お店に悪気はなく、「お客さんにお腹一杯になってもらいたい」という真心を、客としては素直に受け止めたい。
末広→広末から連想した、今回のブログタイトルは我ながら下劣だと思うが、お店のファンであることは事実なので、
僭越ながら、末広さんの末広がりな発展・繁栄をお祈りさせていただき、本稿の締めとする。



中華料理 末広
東京都三鷹市深大寺2-35-26
JR及び西武線武蔵境駅から徒歩約18分、西武線新小金井駅の方が少しだけ近そう
営業時間 11時~15時、18時~20時(ラストオーダー)
定休日 火曜、第一第三月曜
※容器代+30円で持ち帰りも可能
※※品切れ早じまいもある模様
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モデルもこなす腕利き店主 東府中『あじさい』

2024年02月10日 | 中華食堂
府中本町の『天下一』から始まった、【府中市内にある個人経営の食堂を巡る】シリーズ。
第2弾の激安洋食店『きねや』に続く、第3弾の今回は、中華食堂『あじさい』をリポート。
こちらのお店に興味を抱いた理由はズバリ、牛乳ラーメンを提供していたから。


日本唯一の牛乳ラーメン評論家を自称する私としては、駆けつけずにはいられないお店であった。
なお、牛乳ラーメンの紹介自体も、天下一から数えて3軒目となる。 ※2軒目は高井戸の『ほづみ亭』

お店について予習したところ、酒やツマミも豊富なようなので、軽く一杯やってから食べさせてもらうことに。
店舗の場所は、京王線東府中駅のすぐ近く。カウンター席がひとつ空いていたので着席。


働いているのは、厨房の料理長兼店主と、接客及び調理補助担当のおばちゃん店員。ふたりが夫婦なのかは不明。
店内はカウンターとテーブル合わせて約15席、実質12人くらいで満席かも。
私の入店後も、今から入店可能か確認する電話が多数かかってきており、かなりの繁盛店のようだ。
まずはドリンクから、「プレミアムモルツ・ジョッキ」600円を注文したところ、キンキンに冷えたジョッキが登場。


隣の客の瓶ビールは、保冷容器に入った状態で提供されており、あじさいさんはビールの提供にも尽力しておられる模様。
注文した料理を紹介する前に、メニューブックを掲載。まずはサラダ・つけ物に、焼き・蒸し・揚げ物のページ。


上記から、好物の「焼きギョーザ」380円を頼んだら、残念ながら品切れだったので、「手作り焼売」450円に変更。
さらに、これまた大好物のKTI=キクラゲ玉子炒めもオーダーした。
こちらのKTIは少々変わっており、商品名は「豚肉と玉子の炒め」750円なのだが、
下記画像のように、(キクラゲ・ニラ・納豆・長ねぎ)から、好みの食材を追加できるのである。

※わかりづらい画像でゴメン

私は当然、キクラゲを選んだが、偶然にも3つとも「NTI」になる、ニラや長ねぎも悪くないし、納豆もマニアにはたまらないのでは。
まずは、生野菜が添えられた、1人前3個の焼売が提供された。


肉の旨味と甘味が詰まった、小さいけれど頼もしいヤツ、である。
先述したように、店内は満席だが調理人は店主ひとり。なので、炒め物の提供はそこそこ時間がかかる。
無論、店主もなるべく早く提供すべく、おばちゃんに指示を出しながら、手際よく中華鍋を振っている。
一見ピリピリムードだが、入退店する客への挨拶は欠かさず、さらには、
他の客が頼んだカニ玉らしきものを、オムレツのように鍋から空中に高く舞い上げ裏返す、パフォーマンスも披露。
カウンター兼アリーナ席から見た限り、店主の腕は確かなようで、出てくる料理に期待が高まる。
カニ玉の次に取り掛かったのが、私の豚肉玉子炒めwithキクラゲであった。


一般的なKTIは、醤油主体の濃褐色タレでの味付けが多いが、ここのタレは薄い茶色なので、炒り玉子や青菜が原色を維持している。
それでも、食べてみると塩分はしっかり感じられ、肉やキクラゲの歯応えもじゅうぶん。
最近食べたKTIではもっとも美味で、こちらのお店の実力を証明する逸品である。

ビールを2本飲み終わり、お腹が苦しくなる前に、お目当ての「牛乳ラーメン」800円を追加注文。
こちらが麺メニュー。「しじみラーメン」や「レモンラーメン」、いかにも辛そうな「炎口湯麺」など、独自の商品も多い。


茹でた麺にスープと具材を合わせた中華鍋に、紙パックの牛乳を「そんなに!?」と見ていて驚くほど注いでいき、
少々煮込んだのち、牛乳ラーメンが完成。 ※冒頭の画像を再掲。


自作も含め、人生で食べてきた牛乳ラーメンの中では、もっとも白いビジュアルであった。
ベースは塩スープだと思うが、味がやや薄口なのは、牛乳が多いからか。
具材はモヤシ、キャベツ、キクラゲ、青菜、ひき肉少々で、麺は中細のちぢれ麺。


乳成分特有のコクがあり、塩バターラーメンのようだが、塩分は控えめな分だけヘルシーだ(←自信なし)。
満腹になったため、スープは残したけれど、麺は食べ切りお会計。
この日品切れだった餃子や、他の商品も気になったので、「また来ます」と告げて退散。

数日後、同じ京王線の千歳烏山駅にある図書館に寄った帰りに、あじさいさんに再訪。
この日は「ウーロンハイ」400円を注文し、餃子はまたしても品切れだったため(泣)、「ミニハルマキ」400円に変更。
ウーハイを飲み終えた頃、春巻き3本がやってきた。


中身のアンはトロトロで、使用具材は判別不能。たぶん自家製ではないと思う。
途中で、激辛シールが張られた、自家製と思われるラー油を付けて食べてみた。


私でも耐えられる辛さだったが、あとから舌がピリピリと痺れてきた。
なお、こちらは「ハイボール」と「メガハイボール」があり、ウーハイのメガをお願いしてみたところ、
おばちゃんが写真のメガジョッキウーハイを持ってきてくれた。会計時、価格は700円と判明。量は通常の倍なのでお得だよ。


春巻きを食べ終えたので、ツマミにもなりそうな食事を追加することに。
豚肉玉子炒めも4種あるこちらは、チャーハンの種類はさらに豊富で、普通の「チャーハン」だけでなく、
「海老」「カニ」「鮭」に「レッド」など、レギュラーメニューだけでも20種類ある。


ツマミ兼食事ということで、「月見肉かけチャーハン」850円をオーダー。
なお、ここまで4ページ分のメニューを掲載したが、店内ホワイトボードなどにも、日替わり料理が多数記載されている。

他の客の注文が重なり、提供まで時間がかかったが、待った甲斐のある商品が登場。


ただでさえウマそうな肉あんかけの中央に、黄身ちゃんを鎮座させるとは、罪深いチャーハンである(?)。


肉あんかけは当然、舌が焦げるレベルの熱々だが、甘じょっばい味付けで濃厚すぎず、お肉も柔らか。
お肉でメガウーハイを飲み切ったあとは、あっさりとした醤油味のスープでお口をリフレッシュ。


黄身ちゃんを崩してから、肉、米、スープと一気呵成にかきこみ、満腹中枢が働く前にたいらげた。


あじさいさんの炒め物が美味しいことはよくわかったが、私が中華でもっとも好きなのは、餃子及び点心である。
なのでつい先日、どうしても餃子が食べたくて、3度目の訪問をしたところ、運よく在庫があった。
この日は生ビール中と、念願の「焼きギョーザ」5ヶ380円と「さっぱりゆで餃子」3ヶ350円をオーダー。
いつものおばちゃんとは別の女性だったが、生ピールは以前と同様、丁寧に注がれていた。
まずは茹で餃子が完成。ゴマ風味のタレとラー油がかかり、青菜が添えられている。


会計時に気付いたが、上記はさっばりゆで餃子ではなく、メニュー表でひとつ下の「オリジナル四川風水餃子」500円であった。
意思疎通がうまくいかなかったようだが、これはこれで美味しかったので問題ない。
数分後、焼き餃子もやってきた。さすがに美しい焼き色である。


餃子自体は水餃子と同じもので、具材はお肉主体でニラの風味も感じる。味付けは薄口なので、調味料を使う。
あじさいさんの卓上には、醤油、酢、コショウ、先述の激辛ラー油に普通のラー油、そしてソースやピンク色の塩もある。
近年は、酢+コショウが流行しているようだが、私がおススメしたい餃子の合わせ調味料が、塩+ラー油である。


上記画像ではコショウも加えているが、塩&ラー油の素晴らしさは、別の機会に改めて語ってみたい。

ビールを2杯飲み、双方の餃子も食べ終えたので、シメのお食事を。
普段は麺類の注文が多い私だが、店主の炒め物の腕前を信頼し、「ブラックチャーハン」の1辛650円をお願いした。
イカ墨スパゲティのような、漆黒のチャーハンかと思いきや、出てきたのはこちら。


普通のチャーハンに黒コショウをたっぷり振った、いわゆる「ブラックペッパーチャーハン」であった。


さっきの月見肉かけ~のときに説明し忘れたが、量は結構多めで、一般的なお店のチャーハンの5割増しくらい。
具材は玉子と刻んだチャーシューとネギ、さらに、刻みではなく細切りタイプの玉ねぎが入る。 
パラパラのご飯に玉子とチャーシューが合わさり、たまに玉ねぎのシャキっとした食感が混ざるのが面白い。
刺激を求め、コショウと激辛ラー油を追加。醤油もかけて、真・ブラックチャーハンにすればよかったかな?


スープと一緒に、今回も一気に完食。次回はエビチャーハンか、それとも普通のチャーハンを頼んでみるか。
なお、店内には「2月11日から一部商品の値上げ」をお知らせする貼り紙があったので、
明日以降は、今回ブログの価格とは異なる商品もあることを断っておく。

何度か称賛したように、あじさいさんはビールも美味しい。
市内に工場があるサントリーも認めているようで、店頭や店内には、プレミアムモルツのポスターが貼ってあるのだが、
モデルは、キャンペーンガールなどではなく、こちらの中村店主ご本人なのである!


当然、無許可の手製ではなく、サントリーが公認・作成したポスターだと思われる。
連日、厨房内では孤軍奮闘で腕を振るいながら、大企業のモデルまでも務める、
多才な店主が作る絶品料理の数々を、皆さんにもぜひ味わってほしい。



中華料理 あじさい
東京都府中市清水ヶ丘1-1-14
京王線東府中駅から徒歩約1分、JRなら府中本町駅から徒歩約20分
営業時間 11時半~14時半、17時~22時 21時半ラストオーダー
定休日 火曜
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こんなところにポツンと良店! 豊田『味風』

2024年01月02日 | 中華食堂
読者の皆様、明けましておめでとうございます。2024年も拙ブログを、よろしくお願いします。

今年も新年一発目は、自信を持って推奨できる、とっておきの飲食店を紹介。
そのお店とは、豊田にある『味風(みかぜ)』。正式名は『蒸し料理とワインの店 味風』だが、メインは中華料理。
ただし、普通の中華屋さんの商品とは、見た目や味が異なる料理を提供しており、しかもそれが、ことごとく美味しい
たとえば、こちらのセイロに入った商品。一見、中華風デザートのようだが、


こちらでは、これが「揚げ餃子」なのである。価格は540円。


皮というか外側の部分は、最初はサクっと、その後はモチっとした食感が楽しめ、具材はひき肉が主体。 
ピロシキっぽいのだが油っこくなく、むしろ軽く感じたため、何個でも食べられる逸品である。

お店を知ったのは昨年秋頃。『トヨチカ』で飲んだ帰り、豊田駅とは逆方向に向かい、あてもなく彷徨っていると、
比較的新しい商業施設の端っこ、他の店舗などとは独立した場所に、飲食店があるのを発見。
定休日だったが、メニュー表が展示されており、気になる商品がいくつかあったので、数日後に再訪問。

店内は町中華というより、喫茶店のような作り。女将さんに案内され、カウンター席へ。
まずは、味風さんの主要料理メニューを紹介。こちらは、お店自慢の蒸し料理が多い【飲茶】。


こちらは、【本格中華料理】【食事】【デザート】。この他にも【おつまみ】や、揚げ餃子を含む【揚げ物】などもある。


まずは生ビールの「アサヒスーパードライ(中)」590円を注文すると、お通し(250円)と一緒に登場。


左はひじきと豆の煮物だが、右は枝豆の紹興酒煮という、ちょっと変わった一品。
食べてみたら、紹興酒のアルコール分や癖はなく、芳香だけが残っている。
この枝豆で期待が膨らみ、いろいろと食べてみたら、さっき記したように、どれも美味しくハズレなし。
その後も通い続け、結構な数の料理を食べてきたが、すべてを紹介すると長くなってしまうので、
特に感激したメニューを厳選し、以下で掲載していく。

まずは、私が大好きな餃子から。普通の焼餃子が見当たらないので、「水餃子 ピリ辛ごまダレ」580円を選択。
茹でた餃子に、オレンジ色のタレをかけ、青梗菜を添えてある。


チュルンとした皮の歯触が素晴らしく、具材の味とタレの辛さは控えめで、合わさるとちょうどいい塩梅。
この水餃子とさっきの揚げ餃子で、「ここの大将は天才かも…」と思ったものである。
そんな凄腕料理人がいるお店を見つけた、私の嗅覚も天才的だな、ムフフフ……ゴメン、調子に乗った。

餃子類ではもう一品、「エビニラ餃子」540円も注文。ニラの緑色が透けて見える。


中身の撮影は失敗したので割愛。ニラの風味が強く、海老の印象は薄かった。

餃子のライバルである焼売=「ジャンボ旨肉焼売」は390円。


「豚のテーマパーク」として有名な、埼玉『サイボク』の豚肉を使っており、品質は折り紙付き。


しっかりとした味付けと歯応えで、実に肉々しく、サイズの割には安価である。

揚げ物カテゴリーから、点心の「春巻」380円もオーダー。


ハシで割ってみたが、片栗粉主体の既製品とは一線を画す、豊富な具材。


蒸し料理がウリだが、揚げ物にも手抜きはなく、皮のパリパリ食感、具材の旨味、ともに申し分なし。
あと、皆さんもお気づきだろうが、どの商品も形がしっかり整っている
あまりにも均等な成型なので、失礼ながら、商品によっては「工場生産の業務用?」と疑ってしまったが、女将さんいわく、
「手間はかかりますが、(店主は)成形までキッチリしないと気が済まない人でして…」と、すべて自家製らしい。
大将は、来客者には「いらっしゃいませー」と声掛けするが、普段は厨房からあまり出ず、黙々と調理や仕込みに励んでいる。
いかにも頑固職人風なのだが、それは誤解であったので、後述する。

ドリンクはワインの他にも、各種焼酎や日本酒、「ウーロンハイ」480円なども用意されている。
私はだいたい、最初にビール、次にウーハイを頼むが、ある日「レモンサワー」480円を頼んだら、
自家製レモンピールが添えられていた。ドリンクにも、ひと手間加えているのはさすがである。


ある日、せっかくなのでワインも注文。一番安い【日本ワイン】の「大和葡萄酒GOLD 白」のグラス500円。


感想は、ワインの知識がないため省略。その前に結構飲んでいたので、ベロベロに酔ってしまった。反省。
なので、その次の訪問時は、同じ白ワインのデカンタでスタート。価格は1500円。


この日注文した料理で、ワインと好相性だったのが、12月限定メニューの「蒸しハンバーグ 中華風ソース」630円。


上記画像ではわかりづらいが、焼きでも煮込みでもない、珍しい蒸しハンバーグは、柔らかくも弾力のある食感で、
中華風と称するソースも、醤油主体だけど別の調味料も入っており、洋風料理じゃないけどワインにも合い、そして美味しいのだ。
あと、メニュー表には記載されていなかった、半熟玉子の存在が嬉しい。これで630円はお得だよ。


今書いたように、味風さんは月ごとの限定商品がある。こちらは11月のメニュー表だが、


本格中華カテゴリーに、私の好物「豚肉・玉子キクラゲの炒め」の「ピリ辛」仕上げがあったので、当然オーダー。
炒め物はセイロではなく、四角い大皿で登場。


豚肉とキクラゲは、チンジャオロースに入るような形状で、同型のタケノコも入っている。


とろみのあるピリ辛タレで、玉子や他の具材をまとめており、お酒のつまみに最適。
私が野菜嫌いなもので、お肉料理の紹介が続くが、こちらはレギュラーメニューの「豚角煮 マスタードマッシュポテト」880円。


横アングル撮影。角煮は、一般的なレンゲにちょうど収まるサイズ。


角煮には、さっきのハンバーグソースと同じく、醤油ベースで味付けされているが、何か隠し味も加わっている。
「醤油麹の角煮らーめん」というランチメニューがあり、この角煮にも醤油麹を使っているのかも。麹菌のお陰か、肉質は柔らかく旨味も増幅。
マッシュポテトは本当にマスタード風味で辛く、ジャガイモや豚角煮の甘味を引き立てる。

どの料理も美味しいが、この角煮がナンバー1かと思っていたが、さらに超えたのが麻婆豆腐。
商品名は「陳麻婆豆腐(辛)」880円で、辛マークにビビりつつも、注文してみた。
数分後、取り皿や胡椒とともに、グツグツと煮立っている麻婆豆腐が登場。


「熱いのでお気をつけください」の忠告どおり、取り皿にすくって、少し冷ましてから食べる。
それでも、麻婆由来の辛さと、山椒由来の痺れが口内で暴れる…けれどもウマい!


あまりの辛さとウマさで、ウーロンハイがどんどん進んでしまいそう。
なので、忙しい女将さんの二度手間にならぬよう、2杯同時に注文。


それもすぐに飲み終え、最後にワインも頼んでベロベロになった…のは既述した。

メインの料理だけでなく、デザートもしっかりしている味風さん。
こちらは、「中華蒸しパンマーラーカオ カスタードクリーム味」250円。


中身は、黄色どころかオレンジに近い、色鮮やかだけど甘さ控えめなカスタードクリーム。


ひとり客なので1個しか頼まなかったが、手間を考えたら複数個頼むべきかも。
私の好きな杏仁豆腐も、こちらでは「麹甘酒ときなこの杏仁豆腐」380円と、やはりアレンジを加えての提供。
商品はこちら。手前のスプーンにきなこが盛られており、「そちらをかけてお召し上がりください」と説明された。


指示に従い、まずはきなこを振りかけて、


上の麹甘酒シロップ(?)とよくかき混ぜて、杏仁豆腐をすくって食べる。


信玄餅のようなテイストを想像したが、麹甘酒は黒蜜ほど甘くないため、杏仁の香りも相まって爽やかだった。

ある日の会計時、たまたま厨房から出てきた店主と、少しだけお話しさせていただいた。
こちらの店主は、このとき店名を出したが詳細は不明だった、豊田の『杏花飯店』出身らしい。
「飯店」を名乗るだけあって、今の味風さんと同様、町中華よりは本格的な料理を提供していたようだが、
店主は「働いていた先輩たちはすごいけど、当時の自分は下っ端で、たいしたことないですよ」と謙遜する。
ここの料理は、どれも個性的で美味しいです、と絶賛したところ、「独自の手法もありますが、基本は杏花飯店で習ったものです」だそうで、
「ピロシキ風の揚げ餃子も、ロシアから中国の北方に伝わったもので、私のオリジナルではないんです」とのこと。
飲茶類の成型も、ひとつひとつ丁寧ですね、という感想には、「イヤイヤ、よく見たらそんなにきれいじゃないですよ」と否定するが、
今回紹介した以外にも、私は多くの料理を食べてきたが、成型も盛り付けも、すべて手抜きなし。
頑固で寡黙な職人ではなく、謙虚で陽気な方だったのに驚くと同時に、ますますお店のファンになった。

今回は泣く泣く削ったが、「小籠包」や「スープ水餃子」など、紹介したい料理はまだまだあるし、ご飯ものや麺類などの未食メニューも多い。
さらには、お店SNSによると、焼き餃子などの裏メニューもあるようだし、店主や女将さんにもたずねたいことは多い。
味風さんについて、後日続編を綴るかもしれないし、いずれにせよ私は、今後もこちらに通わせていただく。

最初の方で記したように、こちらのお店は『トゥモロープラザ』という施設内にあるのだが、大通りからはもっとも奥の位置にある。
周囲は子供用広場や畑があるエリアで、酒が飲めて絶品料理が出てくるお店があるなんて、気付かない方も多いはず。
なので、通りから入ってすぐの場所には、下記のように“こんなところにポツンと酒場”のノボリを出している(笑)。


勝手ながら、今回のタイトルに、上記コピーを拝借させていただいた。



蒸し料理とワインの店 味風
東京都日野市多摩平3-1-1 TomorrowPLAZA107
JR豊田駅から徒歩約8分、店舗近くにバス停あり
営業時間 11時半~14時半、17時~22時、ラストオーダー21時
定休日 月、隔週で火、その他年末年始など
※定休日などの詳細は、お店HPでご確認を

※※年明けは、4日からの営業です
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飯田橋『雲仙楼』の食べ飲み放題は素晴らしい!

2023年12月07日 | 中華食堂
コロナ禍前、飯田橋エリアでたまに働いていた私が、ランチで利用していたお店『雲仙楼』
長崎県の地名である「雲仙」が屋号にあるように、メインはちゃんぽん・皿うどんのはずなのだが、
ラーメン、チャーハンはもちろん、カレー、ハンバーグ、スパゲティなどなど、長崎はおろか、中華とも無関係の商品も多数存在する。
下記は、2019年8月にランチで食べた商品。レンゲもあり、スタ丼のような料理だと思うだろうが、


実は、お店オリジナルの「汁なしスタミナラーメン」850円だったりする。肉野菜&卵黄と麺は、当然好相性。


以前、メニューが豊富すぎる店として紹介した際、「総数は300を超える」「しかも、いまだに増え続けている模様」と記したが、
昨年、某TV番組で紹介された際は、「400以上」とやはり増えていた。

コロナも収まり、通常営業が再開されたようなので、閉業直前の人気ラーメン店『びぜん亭』で食べた帰りに寄ってみたところ、
17時半を過ぎ、営業時間中のはずなのに、「準備中」の札が出ており、店内も暗いまま。


後日、久々に食事がしたくて、予約の電話を入れたところ、「夜は17時からで、準備中の札が出てても入ってきていいよ」だって(苦笑)。
予約当日、飲み仲間とふたりで訪問。4年ぶりの入店だが、店内メニュー札が相変わらず多く、圧倒される。

※会計直前に撮影

お目当ては、前回紹介時に予告していた、「3時間飲み放題食べ放題 3300円」
こちらのコースは、ドリンクは下記画像メニューからの選択だが、フードは「何食べてもOKです」の太っ腹なサービス。


まずは「生ビール」250円(※タイムサービス)をお願いしたら、店主に「ピッチャーでいい?」と聞かれ、もちろん承諾。
早い時間帯は、調理も配膳も店主ひとりのため、ドリンクの頻繁な注文は控えるべし。
ピッチャービール(写真なし)を飲み終え、ウーロンハイ250円(同)を頼んだら、焼酎とウーロン茶がまとめてやってきた。


この方が店主も楽だし、我々も好みの濃さで飲めるので、ありがたいよ。

せっかくなので、お料理もガンガン頼む。卓上に紙とペンがあり、希望メニューを記してから店主に渡す。
以下で、この日オーダーした料理を、順番に羅列していく。どの料理も、ふたりで食べてもじゅうぶん足りる量である。
なお、各料理の価格はメモってなかったので、世話になるのはシャクだが、食べログの投稿画像を参考にした。

まずは、私の大好物であるKTI=「木くらげ玉子炒め」。定食は900円で、単品価格は不明だが…


友人が頼んだ「マーボーはるさめ」は、定食900円・単品700円らしいので、上記KTIも、単品は200円引きと仮定(下記商品も)。


非中華メニューの「ハンバーグ」は、ケチャップ主体のとろみがあるソースがかかった、巨大なサイズで推定600円。


玉ねぎなどのつなぎはなく、ほぼ豚肉。失礼ながら、業務用の商品かと予想していたので、自家製が出てきてうれしい。


この後も、いろんなメニューを食べたが、雲仙楼さんの料理は、ほぼ自家製である。
再び中華メニューに戻り、「餃子」400円を注文も、品切れとのことで「春巻き」に変更。
価格は1本100円で、本数は指定しなかったが、ふたりなので2本出てきた。


こちらは、中華の定番ながら、以前はなかったと記憶している「エビチリ」800円。


食事系メニューも頼んでおり、友人が注文した「チャーハン」700円は、パラパラとしっとりの中間くらいの仕上がり。


私も、お食事を2品オーダー。ひとつは、すぐ目の前の壁に掲示されていた、新メニュー「マーボー日本そば」850円。


完成した、日中合作麺料理がこちら。


以前、同額の「マーボー焼きそば」は食べたことがあったが、日本そばと麻婆豆腐の組み合わせは面白い。


もう一品は、以前から「中華屋なのに、なぜあるんだ?」と不思議だった、「玉子サンド」600円。
しばらくすると、店主は厨房から飛び出し店の外へ。数分後には、食パンを抱えて戻ってきた!
どうやら、近所のコンビニで購入したようだが、ひとり営業だし、在庫がなければ品切れでもよかったのに…というか、
コンビニでパンを買うなら、玉子サンドそのものを買ってきてもいいのだが、それは店主の職人魂が許さないのだろう。
数分後に完成した、玉子サンドがこちら。茹で玉子ではなく、炒めたものを刻み、マヨを和えたと思われる。


店主の職人魂に感激しつつ、玉子サンドを全部たいらげたところで、ちょうど3時間がたち、「ごちそうさまでした」。
20時になり、おばちゃん店員(店主の奥さん?)が手伝いにきたので、お会計をお願いした。
これだけ食べて、しかもビールやウーハイもしこたま飲んだのに、価格はやはり、ひとり3300円!
私も友人も、大満足かつ大満腹(←変な日本語)で、二次会に行くことはなく、その日は解散となった。

オーダーバイキング形式で熱々料理が味わえる、雲仙楼さんの素晴らしい食べ飲み放題を求め、数ヶ月後には別の友人と再訪。
今回も、ドリンクはビールからスタートし、あとはウーロンハイの予定だったが、他にもいろいろ用意してもらえた。


この日は、同じ時間帯に別の団体客もいたため、ウーロン茶やホッピー用の栓抜きなどを、互いに使いまわした。

以下で注文した料理を掲載していくが、2度目はちゃんと、価格も記録しておいた。
最初に提供されたのは、「レバ塩」700円。レバーの塩風味ソテーだったが、うっかり画像を消してしまった。
続いては、牛丼好きの私が熱望した「牛皿」。700円と記された貼り紙と、900円の貼り紙双方が存在する。
実際の商品は、吉野家の「牛皿」特盛よりも多い量が大皿に盛られており、900円でも安い!


牛丼の次はかつ丼のアタマ…というわけではないが、「かつ煮」700円も注文したら、やはり大皿で登場。


そういえば、コロナ前にひとりで飲みに来たとき、食べ放題について店主にたずねたとき、
「いろいろな料理を食べられるよう、普通より少なめに作るよ」と聞いたのだが、全然少なくないね
ちゃんぽん店なのに、なぜか昔からある「もつ煮」600円も、


居酒屋の容器の倍以上はある、「小ちゃんぽん」用の丼に、たっぶり注がれ登場。


ラーメンなどにも使う、中華スープで作ったのか、一般的な煮込みよりコクがあった。

少しお腹いっぱいになってきたので、しばし休憩とばかりに、テーブルの下をあさる。
前回紹介したように、女性週刊誌が大半で、たまに「松坂慶子写真集」などが混ざっているのだが、
この日座った場所では、小柳ルミ子のヌード写真集を発見! ハンバーグやかつ煮もそうだけど、なぜちゃんぽん屋にあるんだ(笑)。


休憩後、再びオーダーを再開。「チンジャオロース」の単品、推定750円で酒を飲み、そろそろシメに。


友人の注文は、私が過去に食べたことのある「小ちゃんぽん」850円。


ひと口もらったが、九州の醤油由来と思われる、甘口スープの優しい味わいは健在。
私が頼んだのは、水餃子が品切れだったので、同タイプの「ワンタン」600円。


個数は数え忘れたが、ワンタンにはちゃんとお肉が入っており、そういえば口にするのは初めてだった、醬油味のスープもウマかった。
さらに、友人がご飯ものも欲したため、これまた新メニューの「柚子胡椒チャーハン」750円を追加。


名前のとおり、柚子胡椒を使ったチャーハンだが、ピリ辛風味で結構イケる。他の中華屋さんでもやってほしい。
ちょうど食べ終えるころ、おばちゃん店員がやってきた=20時になったのでタイムアップ。
この日も当然、大満足&大満腹だったので仕方がないが、個人的に狙っていた、
新メニューの「バナナホットケーキ」700円にたどり着けず残念。繰り返しになるが、なぜちゃんぽん屋にあるんだ(笑)。


それにしても、「八丁味噌ピリ辛ナス炒め」と「バナナホットケーキ」、さらには「オムナポリタン」に「ケチャップチャーハン」などが、
横並びに掲示されているお店が、他にあるだろうか(たぶん、ない)。

さっきも書いたが、この日は我々以外にも、飲み客が多数おり、20時になっても店内は混雑。
コロナ前は20時半までの営業だったはずだが、店主曰く「今は0時までやってる」らしい!
最初の方でチラッと触れた、某番組の取材では、「メニュー以外の料理も、頼めば作ってくれる」と紹介していた。
可能ならば、次回はハヤシライスを提供してほしいが…ただでさえ忙しい店主を困らせちゃダメだよね。
大満足&大満腹コース…という私考案のダサいネーミングはさておき、食べ飲み放題は今後も利用するので、
雲仙楼の店主&おばちゃん、どうか無理せず営業を続けてください!



雲仙楼
東京都文京区後楽2-3-17
JR飯田橋駅東口から徒歩約3分
営業時間 月~金 11時~14時半、17時~0時 土曜は昼のみ
定休日 日、祝、年末年始

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恩師(?)が愛したラーメン 高井戸『ほづみ亭』

2023年11月11日 | 中華食堂
このブログを開設してから、約7年半が経過した。
ブログ自体は、だいぶ前から友人たちに勧められていたのだが、「メンドくさいから嫌だ」と拒んでいた。
今でも執筆はともかく、見知らぬ方からのコメントの応対は、メンドくさく感じるときもある。
私が「いいお店だ」って紹介しているのに、赤の他人の分際で、わざわざ否定意見を寄こすヤツって、
いったいナニが目的なんだろうか。その店の関係者に、肉親でも殺されたのか?
つい先日も、某店の記事に「ここの店員は愛想が悪い。私は嫌われているのかも」といったコメントが、長文で届いた。 ※投稿は公開前に削除
よくわかんねえけど、会ったこともない人間に、こんな愚痴めいた投稿を送るようなヤツだから、「嫌われている」のではないか。
以前も記したけど、ここで改めて、拙ブログの投稿ルールについて断っておくが、
非常識な言葉遣い、かったるい自分語り、誤字脱字だらけの文など、
メンドくさいコメントは無視するので、どうか送ってこないでくれ


上記デメリットを予測しながらも、ブログを始めたきっかけとなったのが、たまたま見かけた、とあるブログ記事。
ブログ主さんは、職種こそ異なるが私と同じフリーランスで、感銘を受けた記事を大雑把に説明すると、
「今の時代、ブログやSNSで宣伝はできる。待っていても客や仕事はこない。とにかく動いてみよう」といった内容を、
エラそうな物言いではなく、軽妙な語り口調で綴っていたため、へそ曲がりの私でも共感できた。
無論、宣伝だけが拙ブログの開設理由ではないが、上記記事に背中を押されたのも事実。
残念ながら、拙ブログが仕事に繋がったケースは、いまだにないが(金銭面で折り合わず)、
「隠れた名店の情報が寄せられる」というメリットもあり、開設してよかったかな、と満足している。

間接的ではあるが、拙ブログの師匠にあたるブログ主さんに、もうひとつ教わったのが、
『ほづみ亭』というお店の存在。今回も前置きが長くてすまないねえ。
お店の場所は、京王井の頭線の高井戸駅近くで、店頭の黄色い看板が目印。


看板には「ラーメン」と表記されているが、「チャーハン」や各種定食もあり、実際は中華食堂だ。
ブログ主さんは、こちらのお店を「マジでなんでも美味い」と絶賛しており、
食べログの評価点の低さや、投稿内容に対し、「こいつらは味音痴のクソバカ野郎だ」などと罵倒していた。
食べロガー批判とは、さすがは私の恩師である。 ※ただし、クソバカ野郎とは書いてない

そんなブログ主さんが、ほづみ亭さんのイチ押しと評価していたメニューが、「牛乳味噌ラーメン」
4年前に初訪問したときの私も、当然のようにオーダー。価格は当時750円で、現在は850円。

※現在のメニュー札の表記は「牛乳みそらあめん」

横アングルも撮影。おしぼりも付いてくるのはありがたいね。


上記の画像2枚ではわかりづらいが、ほづみ亭さんの丼はかなりデカい
その大きく深い丼に、麺と具材、そしてたっぷりの牛乳味噌スープが注がれている。


麺はやや縮れた細めのタイプで、具材はモヤシ、玉ねぎ、ニンジン、ニラ、キクラゲにひき肉少々。
この商品の特徴はやはり、オリジナルの牛乳味噌スープだろう。
結構油も入っており、最初のひと口は熱々だが、いざ味わってみると、味噌のコクと旨味が広がる。
無論、牛乳のおかげであと味はまろやかで、味噌のしょっぱさよりも、むしろ甘味すら感じる。
店内はカウンター席だけなので、厨房の調理過程も観察できたが、店主は白い粉を2度投入していた。
ひとつは旨味調味料で、もうひとつは砂糖ではないか。塩ならもっとしょっぱいはず。
過去に何度も告白したように、私は甘党なので、甘いスープも甘いひとときも大好きである。
甘いウマい、と食べ進めていくうちに、同時に注文していた「餃子」が焼き上がった。


1人前6個で、価格は当時も今も500円。味は決して悪くなかったが、一緒に頼んだメニューの印象が強すぎた。
牛乳味噌スープが気に入ってしまったので、餃子も浸して食べたりして、


スープまで全部飲み干し「ごちそうさまです」。デカい丼ゆえ、食べ応えがあったよ。

その後は、高井戸方面に行く予定がなかなかなく、2度目の訪問は2年後。
八幡山駅近くの『NAGAHAMA』世田谷店で、ラーメン+替玉をたいらげたあと、  ※『NAGAHAMA』についてはこちら
せっかく近所(でもないか)に来たのだからと、ほづみ亭さんにも寄ってみることにした。
麺類を食べたあとだったので、ご飯ものの中では比較的軽めな(?)、チャーハン700円を頼むつもりだったのだが、
「中華丼」も700円だったので、重めなのは承知で変更。現在はチャーハンが750円で、中華丼は800円。
チャーハンと中華丼、同価格だったら具材豊富な中華丼を選ぶよね!?
前回と同様、寡黙な店主はすぐに調理を始め、ほんの数分で完成させた。


ラーメン丼もデカかったけど、中華丼が盛られた鉢も、かなりのビッグサイズ。


豚肉、竹の子、ピーマン、キャベツ、玉ねぎ、キクラゲなどの具材を、中華アンでまとめている。
ニンジンやナルトなどの赤みがなく、全体的に茶色いビジュアルだが、味については問題ナシ。
満腹中枢が働く前にたいらげたかったが、アンは熱々だし量は多いしで、かなりの苦戦。
付け合わせのスープがいい口直しになり、どうにか全部食べ切ったが、会計後は腹十二分で汗だく。
薄々わかっていたが、他店で食事したあとに、ほづみ亭さんへ行くのは無謀!

そしてつい先日。前回の府中本町『天下一』で、牛乳野菜ラーメンを食べたことで、ほづみ亭さんを思い出した。
あのとき、「牛乳ラーメンは過去に何度か食べた」と記したが、そのうちの1軒がここであった。
久々に食べたくなり、2年ぶり3度目の訪問。荻窪駅からてくてく歩き、夜の営業時間再開と同時に入店。
壁のメニュー表が変わっていたので改めて撮影。角度が悪くて見づらいが、こちらが麺類。


価格部分が隠れているが、右下の「焼きそば」~「広東めん」までは800円で、「スペシャルらあめん」は850円。
ついでに、座席の近くにラーメン丼が重なっていたので、そちらも撮影。丼の大きさが伝わるだろうか?


こちらは、定食などご飯もの類。これまた、照明が反射し一部が判読不明で、申しわけない。

 
見えない料理名は右側から、野菜炒め、肉野菜炒め、ニラレバと回鍋肉を挟み、鶏肉辛味噌炒め、茄子肉味噌炒め、
生姜焼き、さらにニラ玉子を挟んで、竹の子肉ピーマン炒め、のはず。
最後に、お酒や麺類のトッピングなど。元々の量が多いので、「大盛り」は危険。


この日はまず、定食のおかずのみが注文可能かを確認したのち、「ビール 中」600円と「生姜焼き定食」の単品を注文。
ビールはアサヒで、お通しとしてメンマの小皿も付いてきた。


厨房では店主が、中華鍋で豚肉や玉ねぎをサッと炒めてタレを注ぎ…
短時間で生姜焼きが完成。前回もそうだったが、店主は手際がよく、どの料理も短時間で提供する。


横アングルも撮影。餃子用の楕円形のお皿に、たつぷりの千切りキャベツと肉野菜が盛られている。


生姜焼きは、中華丼のようにトロミがあり、ひと口頬張ってみると、当然熱々。
生姜風味よりも先に、牛乳味噌スープと同じくまずは甘味を感じ、その後に塩味や酸味が来て、最後に旨味が爆発!
ビールだけでなく、ご飯にも絶対に合うテイスト。定食はもちろん、「肉かけ丼」も絶対おいしいだろうね。
照りのあるタレが浸みた、キャベツがこれまたウマい! 野菜嫌いの私でも、これなら食べられる。


すぐにビールが空いたので、「烏龍ハイ」400円に変更。店主は無表情のまま宝焼酎と烏龍茶を用意し、
グラスに焼酎をドボドボと注いでいる。氷を加えたら、グラスの約2/3が焼酎だよ。


人見知りの私が珍しく、「焼酎、濃いですねえ」と告げたところ、店主は表情を変えず「……」。まるでゴルゴ13だ。
往路と同様、復路も荻窪駅まで徒歩だったが、濃いウーロンハイが効いたのか、エライ時間がかかった(苦笑)。

酩酊してきたが、せっかくなのでシメも食べていく。
スペシャルらあめんが気になったので、どんなラーメンか店主にたずねたところ、
「ラーメンに野菜炒めが乗る」と教わり、野菜嫌いの私は注文を断念。千切りキャベツと被りそうだし。
なので、同価格の「チャーシューメン」850円に変更。「豚肉被り」はいいのか、と怒られそうだな。
店主が大きな丼をスタンバイし、調理を始める。チャーシューは、注文が入ってから包丁で切り分けていた。


相変わらず手際よく、数分後にはチャーシューメンが登場。


丼の大きさを伝えるべく、割り箸を置いてみた。もちろん、箸はごく普通の長さである。


麺は牛乳味噌と同じ、細い縮れ麺。ただ、中華丼の付属スープと比較すると、スープは結構油っこい。


チャーシューはモモ肉かな? 脂身が少ない噛み応えのあるタイプが計5枚。あとはメンマとワカメとネギ。
スープは残したが、麺とチャーシューはしっかりたいらげ、お会計をお願い。
合計額から、生姜焼き単品は650円と判明。定食が850円なので、単品は200引きと判断。

ほづみ亭さんには計3度訪問したが、私だけでなく他の来店客も、店主と注文以外の私語を交わしたのを見たことがない。
寡黙ではあるが腕利きでもある店主には、同系統キャラのゴルゴ13のように、末永い活躍を期待したい。
高井戸方面に来たときは、また飲み食いさせてもらいますよ!



ほづみ亭
東京都杉並区高井戸東3-28-7 ※食べログでは3-27-8
京王線高井戸駅より徒歩約5分、JR・地下鉄荻窪駅から徒歩約26分 ※どちらも信号次第
営業時間 11時半~14時、18時~22時くらい? 数年前、そのくらいの時間には閉まっていた
定休日 日曜
※住所や営業時間は未確認
コメント
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