21世紀の初頭くらいまでは、1本100円の串焼き店は、それほど珍しくなかった。
私はつい最近まで、串焼き、串かつ、『松屋』の生野菜なども、100円が当たり前だと思っていた。時代錯誤である。
あともうひとつ、100円が基本だと認識していたのが、ラーメンの替玉。
人生初の替玉はたぶん30年前。当時代田橋にあった『なんでんかんでん』で、1玉100円。
現在のなんでんかんでん(西新宿店)は、1玉150円。他店も、100円以上が当たり前になっているが、
過去に紹介したお店では、京王八王子『NAGAHAMA』や、千歳烏山『榮じ』などが100円をキープしている。
替玉≧100円の数式が一般化する中、いまだに50円で提供しているお店も存在する。
そんな1軒が、今回紹介する調布の『千年ラーメン』だ。

「九州とん骨」「長寿」などの文字が躍る中、目に付くのはやはり、「替玉50円」の看板。

初訪問は今から5年前。調布出身の後輩に教わり、京王閣競輪場の最終レース終了後に寄ったところ、
18時オープンのため準備中(苦笑)。なので、同じ調布の『台北飯店』で、一杯やってから再訪。
注文したのは基本の「ラーメン」で、当時は500円。替玉だけでなく、全体的に安価である。

臭みはないが、豚の脂はしっかり感じる豚骨スープに、硬めに茹でられた麺が泳ぐ。
すぐに食べ終えたので、券売機で「替玉」50円と「おろしにんにく」10円の食券を購入。

にんにく有料は、元のラーメンが安いから仕方ない。麺の硬さは指定できないようなので、お任せで。
硬いというより、ちょっと生っぽい麺だな、との印象だったが、そう感じる客が多いらしく、厨房の換気扇壁には、
「ギョギョギョ! この麺なま! と思うでしょうが大丈夫です」のような説明文が掲示してあった。さかなクン!?
撮影に失敗したので、他人のブログ画像から、その文章内容を抜粋すると、
「β(ベータ、生澱粉)から熱湯に入れて30秒でα(アルファー、食べられる状態の澱粉)に早変わりする自家製麺」
「この麺を作るにあたり、粉の神様・高島義弘先生、九州東福製粉のご指導をいただき完成」とのこと。
アルファやベータは正直よくわからんが、「粉の神様・高島義弘先生」という表記は気になる。
ネット検索してみたが、詳細は不明のまま。プロレスの神様カール・ゴッチのような、頑固オヤジなのだろうか。
なお文末には、「三回食べてください、きっとくせになります。」というメッセージもあった。
2度目の食事は今年の春。競輪終了後、調布駅周辺を散歩して時間をつぶし、18時の開店に合わせて訪問。
さっき掲載した店頭の画像も、そのときに撮影したものである。
ついでに、店頭のメニューも撮影。ラーメンは50円値上がりしたが、それでも安い方だ。

この日の注文は、具だくさんバージョンの「半熟味玉千年ラーメン」740円。

「千年ラーメン」は、普通のラーメンに+150円で、半個の玉子が倍になり、ノリ5枚、チャーシュー2枚、肉高菜が加わる。
さらに+40円で、ゆで玉子が半熟味玉になる。ずいぶんお得だよね。
前回同様、麺の硬さは指定しなかったが、生っぽさは薄れ、ちょっと食べやすくなった印象。
スープは相変わらず臭みはなく、脂の甘さを感じるようなまろやかさ。具材も豊富ですぐに麺を食べ終える。
卓上に設置の紙製メニューに、前回はなかった「替玉(小)」と「替玉(大)」があるのを発見。

半玉で30円、倍のふた玉で90円とは、これまた嬉しい価格だ。さっそく「替玉(大)」を追加。
ちなみに、チェーン店の『一蘭』は、普通のラーメンでさえ890~980円(店舗によって異なる)と高額だが、
替玉も210円、半替玉で150円もしやがる。麻薬でも使っているのかよ。
そんなお店と比べると、安すぎて心配になる替玉(大)がやってきた。あまり見たことのないビジュアルである。

半分ほどを丼に移しても、まだひと玉分残っている。なるほど、確かに倍量だ。

ただし、計3玉の麺がスープを吸ってしまったため、最後の方は油そばのような汁ナシ状態に。

食後はさすがに腹イッパイ。今の自分は、3玉くらいが限界のようだ。
そしてつい先日、店主の「三回食べて」というメッセージに応えるべく、3度目の訪問を果たした。
今回注文したのは、千年ラーメン700円の大盛(麺ふた玉)+40円。

前回紹介し忘れたが、お店オリジナルの「辛子肉高菜」もちゃんと入っている。

目の前にはスープを炊く巨大な釜と、ダシを取り終えた豚骨があった。

こんなにデカい釜で炊くのだから、豚骨の旨味をすべて抽出した、いいスープができるはずだ。
店頭の「長寿」の文字や、屋号の「千年」が示すように、このスープを飲めば長生きできるかも。
そういえば、こちらのお店の評判をネット検索したところ、「昔はもっと臭かった」という意見を見かけた。
私が初訪問した5年前は、すでに臭くなかった。開業は1996年だそうだから、だいぶ昔のことだろう。
かつて、「豚骨ラーメンは臭い方がウマい」説があった。臭みが出るのはしっかり煮込んでいるから、というのが根拠らしい。
ただ、あるラーメン店の店主は、「臭みが出るのは古い食材を使用しているから」と断言。そうなの!?
「臭いスープなんて簡単に作れるが、臭みのないスープは技術がいる」とおっしゃる。
私個人の意見としては、「匂いの有無はさておき、味さえよければいい」で、
臭みのない現在の千年ラーメンは、結構好きなテイストである。
さて、ふた玉の麺をたいらげたので、再度券売機に行き、替玉などの食券を購入。
わざわざ食券を買わず、口頭で注文してもいいようだが、ひとり回しの店主の負担を、少しでも減らしてあげたくてね。
追加購入した「替玉(小)」30円、「スープ追加」100円、「マー油」50円の食券を、卓上の専用置き場へ。

小にした理由は、すでにふた玉食べているので、苦しくならないように、という配慮。
スープは、大盛にしたら増えるかと期待したのだが、普段と同量だったため、今回も減ってしまったので追加。
マー油は多いと苦く感じるので、自分で調整できるよう「マー油ラーメン」を頼まず、あとから入れる方式に。
食券を受け取った店主が、すぐに追加3種を運んできた。

まずはお椀に入った、追加のスープを丼に注ぐ。お椀にはじっくり煮込んだ証拠となる、豚骨の粉が残った。

こちらがマー油。『餃子の王将』でバイトしたときに知ったのだが、マー油は液状ではなく、元は固形なのである。

少しだけスープに溶かしてみたところ、ニンニクを焦がしたような独特の風味が広がる。
やはり、入れ過ぎたら苦くなりそうなので、半分ほどしか入れなかった。

マー油を残したのは申しわけなかったが、スープは追加分も含め、全部飲み干したのでお許しを。
さっき書いたけど、千年ラーメンさんは今年で創業26年目。
繁華街からはやや離れた場所ながら、しっかり固定客をつかんでいる様子。3回食べた私も、そのひとりに加えてほしい。
HPによると、定休日はなく月に1回くらいしか休んでいないようだが、どうか無理せず、今後も営業を続けてほしい。
無理せずといえば、ウクライナ情勢などを要因とした、小麦粉の高騰が叫ばれてる昨今、
現在は安価な替玉やラーメンも、少しくらいは値上げしてもいいのではないかね。
なお府中には、替玉は何個食べても無料という、太っ腹すぎるラーメン店もある。
機会があったら、こちらのお店も紹介したい。 ※追記 紹介しました→こちら

千年ラーメン
東京都調布市小島町3-68-1
京王線調布駅から徒歩約5分、京王多摩川駅からは約8分、JRなら矢野口駅から約29分
営業時間 11時半~13時半、18時~23時半
定休日 不定休
私はつい最近まで、串焼き、串かつ、『松屋』の生野菜なども、100円が当たり前だと思っていた。時代錯誤である。
あともうひとつ、100円が基本だと認識していたのが、ラーメンの替玉。
人生初の替玉はたぶん30年前。当時代田橋にあった『なんでんかんでん』で、1玉100円。
現在のなんでんかんでん(西新宿店)は、1玉150円。他店も、100円以上が当たり前になっているが、
過去に紹介したお店では、京王八王子『NAGAHAMA』や、千歳烏山『榮じ』などが100円をキープしている。
替玉≧100円の数式が一般化する中、いまだに50円で提供しているお店も存在する。
そんな1軒が、今回紹介する調布の『千年ラーメン』だ。

「九州とん骨」「長寿」などの文字が躍る中、目に付くのはやはり、「替玉50円」の看板。

初訪問は今から5年前。調布出身の後輩に教わり、京王閣競輪場の最終レース終了後に寄ったところ、
18時オープンのため準備中(苦笑)。なので、同じ調布の『台北飯店』で、一杯やってから再訪。
注文したのは基本の「ラーメン」で、当時は500円。替玉だけでなく、全体的に安価である。

臭みはないが、豚の脂はしっかり感じる豚骨スープに、硬めに茹でられた麺が泳ぐ。
すぐに食べ終えたので、券売機で「替玉」50円と「おろしにんにく」10円の食券を購入。

にんにく有料は、元のラーメンが安いから仕方ない。麺の硬さは指定できないようなので、お任せで。
硬いというより、ちょっと生っぽい麺だな、との印象だったが、そう感じる客が多いらしく、厨房の換気扇壁には、
「ギョギョギョ! この麺なま! と思うでしょうが大丈夫です」のような説明文が掲示してあった。さかなクン!?
撮影に失敗したので、他人のブログ画像から、その文章内容を抜粋すると、
「β(ベータ、生澱粉)から熱湯に入れて30秒でα(アルファー、食べられる状態の澱粉)に早変わりする自家製麺」
「この麺を作るにあたり、粉の神様・高島義弘先生、九州東福製粉のご指導をいただき完成」とのこと。
アルファやベータは正直よくわからんが、「粉の神様・高島義弘先生」という表記は気になる。
ネット検索してみたが、詳細は不明のまま。プロレスの神様カール・ゴッチのような、頑固オヤジなのだろうか。
なお文末には、「三回食べてください、きっとくせになります。」というメッセージもあった。
2度目の食事は今年の春。競輪終了後、調布駅周辺を散歩して時間をつぶし、18時の開店に合わせて訪問。
さっき掲載した店頭の画像も、そのときに撮影したものである。
ついでに、店頭のメニューも撮影。ラーメンは50円値上がりしたが、それでも安い方だ。

この日の注文は、具だくさんバージョンの「半熟味玉千年ラーメン」740円。

「千年ラーメン」は、普通のラーメンに+150円で、半個の玉子が倍になり、ノリ5枚、チャーシュー2枚、肉高菜が加わる。
さらに+40円で、ゆで玉子が半熟味玉になる。ずいぶんお得だよね。
前回同様、麺の硬さは指定しなかったが、生っぽさは薄れ、ちょっと食べやすくなった印象。
スープは相変わらず臭みはなく、脂の甘さを感じるようなまろやかさ。具材も豊富ですぐに麺を食べ終える。
卓上に設置の紙製メニューに、前回はなかった「替玉(小)」と「替玉(大)」があるのを発見。

半玉で30円、倍のふた玉で90円とは、これまた嬉しい価格だ。さっそく「替玉(大)」を追加。
ちなみに、チェーン店の『一蘭』は、普通のラーメンでさえ890~980円(店舗によって異なる)と高額だが、
替玉も210円、半替玉で150円もしやがる。麻薬でも使っているのかよ。
そんなお店と比べると、安すぎて心配になる替玉(大)がやってきた。あまり見たことのないビジュアルである。

半分ほどを丼に移しても、まだひと玉分残っている。なるほど、確かに倍量だ。

ただし、計3玉の麺がスープを吸ってしまったため、最後の方は油そばのような汁ナシ状態に。

食後はさすがに腹イッパイ。今の自分は、3玉くらいが限界のようだ。
そしてつい先日、店主の「三回食べて」というメッセージに応えるべく、3度目の訪問を果たした。
今回注文したのは、千年ラーメン700円の大盛(麺ふた玉)+40円。

前回紹介し忘れたが、お店オリジナルの「辛子肉高菜」もちゃんと入っている。

目の前にはスープを炊く巨大な釜と、ダシを取り終えた豚骨があった。

こんなにデカい釜で炊くのだから、豚骨の旨味をすべて抽出した、いいスープができるはずだ。
店頭の「長寿」の文字や、屋号の「千年」が示すように、このスープを飲めば長生きできるかも。
そういえば、こちらのお店の評判をネット検索したところ、「昔はもっと臭かった」という意見を見かけた。
私が初訪問した5年前は、すでに臭くなかった。開業は1996年だそうだから、だいぶ昔のことだろう。
かつて、「豚骨ラーメンは臭い方がウマい」説があった。臭みが出るのはしっかり煮込んでいるから、というのが根拠らしい。
ただ、あるラーメン店の店主は、「臭みが出るのは古い食材を使用しているから」と断言。そうなの!?
「臭いスープなんて簡単に作れるが、臭みのないスープは技術がいる」とおっしゃる。
私個人の意見としては、「匂いの有無はさておき、味さえよければいい」で、
臭みのない現在の千年ラーメンは、結構好きなテイストである。
さて、ふた玉の麺をたいらげたので、再度券売機に行き、替玉などの食券を購入。
わざわざ食券を買わず、口頭で注文してもいいようだが、ひとり回しの店主の負担を、少しでも減らしてあげたくてね。
追加購入した「替玉(小)」30円、「スープ追加」100円、「マー油」50円の食券を、卓上の専用置き場へ。

小にした理由は、すでにふた玉食べているので、苦しくならないように、という配慮。
スープは、大盛にしたら増えるかと期待したのだが、普段と同量だったため、今回も減ってしまったので追加。
マー油は多いと苦く感じるので、自分で調整できるよう「マー油ラーメン」を頼まず、あとから入れる方式に。
食券を受け取った店主が、すぐに追加3種を運んできた。

まずはお椀に入った、追加のスープを丼に注ぐ。お椀にはじっくり煮込んだ証拠となる、豚骨の粉が残った。

こちらがマー油。『餃子の王将』でバイトしたときに知ったのだが、マー油は液状ではなく、元は固形なのである。

少しだけスープに溶かしてみたところ、ニンニクを焦がしたような独特の風味が広がる。
やはり、入れ過ぎたら苦くなりそうなので、半分ほどしか入れなかった。

マー油を残したのは申しわけなかったが、スープは追加分も含め、全部飲み干したのでお許しを。
さっき書いたけど、千年ラーメンさんは今年で創業26年目。
繁華街からはやや離れた場所ながら、しっかり固定客をつかんでいる様子。3回食べた私も、そのひとりに加えてほしい。
HPによると、定休日はなく月に1回くらいしか休んでいないようだが、どうか無理せず、今後も営業を続けてほしい。
無理せずといえば、ウクライナ情勢などを要因とした、小麦粉の高騰が叫ばれてる昨今、
現在は安価な替玉やラーメンも、少しくらいは値上げしてもいいのではないかね。
なお府中には、替玉は何個食べても無料という、太っ腹すぎるラーメン店もある。
機会があったら、こちらのお店も紹介したい。 ※追記 紹介しました→こちら

千年ラーメン
東京都調布市小島町3-68-1
京王線調布駅から徒歩約5分、京王多摩川駅からは約8分、JRなら矢野口駅から約29分
営業時間 11時半~13時半、18時~23時半
定休日 不定休