「万葉集」-奈良時代、約1200年前につくられた日本最古の一大国民歌集ー。
上は天皇から下は一般庶民にいたるまで各階級の人々の歌が集められている。編者は、「大伴家持」といわれ二十巻からなり、
雑歌・相聞歌・挽歌の三種に分類され、種類は長歌、短歌、施頭歌など、約四千五百余首の歌がおさめられている。
あしがりのとひのかふちにいづるゆの よにもたよらにころがいはなくに
万葉集の中で、温泉の湧き出ている有様を歌っているのは、この一首。巻十四の東歌の中の相聞歌として、
相模の国の歌十二首の中の八首目に出てくるが、
「足柄の土肥の河内に出づる湯」
温泉は湯河原であることを、有名な歌人佐々木信綱博士によって考証され、この歌の意味についてはいろいろな解釈をされている。
一つを挙げればー「湯河原の温泉が、夜となく、こんこんと河原から湧いているが、その湯河原温泉が湧き出るような情熱で、彼女が俺の事を思ってくれているかどうか、はっきり言ってくれないので、毎日仕事が手につかないよ」と解釈されている。
湯河原地方は、その頃から「土肥」と呼ばれていた。
大化の新政令が公布された頃は、箱根山の東の麓に足柄の国というところがあり、上・下の二郡に分かれており、土肥郷は、足柄の下郡に属する五郷の中の一つの郷であったと云う。(その範囲は北は小田原市から、南は熱海市まで、箱根を含む広い地域)
湯河原の人口密度はきわめて低く、せいぜい七戸くらいで、30人から50人位の人しか住んでいない未開の地、が、この歌が万葉集初期の歌として多分に民謡性を帯びていると思われているところから想像すれば、すでに、湯河原の渓谷には温泉が湧いていたことは勿論、その頃の人々が、その温泉が湧き出る様子を女の情熱にたとえて、酒の酔いに浮かれながら歌った素朴な生活ぶりがほのかに思い出され、今は、温泉場の中央、千歳川と藤木川が合流するところに「万葉公園」がある。
万葉植物約八十八種類の自生のものが保護育成されており、椎の大樹が茂り散策が、画家「竹内栖鳳」の筆によって「足柄の土肥」歌が書かれ、椎の木の陰に、国木田独歩・芥川龍之介など文学碑等がある。
JR湯河原駅前
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「土肥実平」像 頼朝に信頼された武将
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次回に取り上げます
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土肥城跡は、駅裏側の山
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「五所神社」
天智天皇の御代加賀の国の住人「二見加賀之助重行」らの手によりこの地方が開拓されたとき、土肥郷(吉浜、鍛冶屋、門川、堀ノ内、宮下、宮上)
の総鎮守として天照大神以下五柱の神霊が鎮座されたとある。
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土肥一族を始め藩主、領主、庶民の崇敬厚く、1060年,源義家奥羽征討に際し社家荒井刑部実継神霊の加護により軍功を立て、
1180年、源頼朝伊豆に挙兵の時、この地方の豪族土肥次郎実平主公のために戦勝を祈願し佩刀を納めたとある。
1621年、代官守屋佐太夫社殿を再建、1636年、地頭松平美濃守、ついで1661年、地頭稲葉美濃守社殿を再建し、
1740年、地頭大久保出羽守社殿を修覆。
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「明神の楠」 御神木の楠木老木。
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湯河原・縦に細長い町、箱根山嶺の麓から相模湾の海岸に向かって一直線に下り落ちている。
千歳川(神奈川県よ静岡県の境に)
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泉公園
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園内
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街並みにアロエが
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「豆相人車」明治29年。
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街角の石仏
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「湯河原温泉」 神奈川県湯河原町、県南西端
藤木川と千歳川が合流する落合橋が中心地の温泉街 温度44~88度。
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次回も湯河原。
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