「浅川」
八王子市南西部の地名。旧町名。南浅川段丘上に位置し,甲州街道沿いの旧宿駅として発達。
史跡の小仏関跡や多摩御陵が、又、明治の森高尾国定公園、東部は、工業団地で、国鉄旧浅川駅が、「高尾駅」と改名。
初沢町、東浅川町、西と南は南浅川町、北は裏高尾町、廿里町(とどりまち)と接している。
町域は西浅川町を挟んで括れ、西浅川町より南側は山間部でー高尾山口駅附近の高尾町・落合地区、北側は、住宅地或いは商業地。
高尾駅附近の下宿・中宿・上宿となっている。
「高尾山駅・町」
日本百景に選定、ミシュランガイドで、最高ランクの“三つ星”の観光地に選出されている高尾山。(山は、世界一の登山者数を誇る)
高尾山へのルートの一つである甲州街道は、渋滞街道。
高尾町は、八王子市へ編入の際に大字が廃止されて設置された地名で、市への編入前は、都南多摩郡淺川町大字上椚田であったと云う。
「高尾・高乗禅寺」は、天平16年、 聖武天皇の勅命により東国鎮護の祈願寺として、行基により開山され薬師如来が安置されたと伝えられている古刹。
明治22年、 町村制施行により、神奈川県南多摩郡浅川村が成立し、明治34年、 国有鉄道浅川駅が開業、昭和2年、高尾山に ケーブルカー清滝駅 - 高尾山駅間が開業している。昭和36年、 浅川駅が高尾駅に。昭和39年、高尾山に、 エコーリフトが開業。
昭和42年、 京王高尾線が開通、高尾山口駅開業する。
JR・京王「高尾駅下車
高乗禅寺
山号ー龍雲寺は、曹洞宗寺院。
寺は、片倉城主永井大膳大夫高乗(応永9年1402年寂)が開基。
臨済宗の名僧・法光圓融禅師峻翁令山大和尚が応永元年の1394年、創建、
その後、宗旨を曹洞宗に改め、1505年、通庵浩達大和尚が開山したという。
1592年、には寺領十石の御朱印状を拝領。
武相卯歳観音霊場四十八ヶ所18番、八王子三十三観音霊場19番。
高乗寺の縁起
高乗寺は、多摩地区の名刹寺院で、創建の峻翁令山禅師は、武蔵國秩父郡出身で寂後に勅号(天皇よりの法名命名)を賜っている。
法光円明国師と呼ばれた高僧名僧で、山田兜率山廣園寺、深谷常興山国済寺、児玉郡威音山光厳寺、渋谷古碧山龍巌寺などを開山している。
開創に関して、当時の片倉城主ー永井大膳太夫高乗公が深くかかわっており、高乗寺の寺名は此処に由来している。
永井家は、毛利家の系譜の降下であることから、寺紋は毛利家の紋と云う。
寺は、三多摩の曹洞宗の名刹で、都立高尾陣馬公園内に位置し多摩八大寺のひとつに数えられている。
池の前には、生まれ年干支守り本尊八尊仏が並び、霊園内の聖観音初沢観音が。
敷地内には山王神社社殿があり、毎年八月には祭礼が開かれる。
本堂には本尊に釈迦牟尼仏、両脇に文殊菩薩と普賢菩薩を安置・本堂隣接の大慈閣には、正面に十一面観音立像をまつり・奥壇には、
八王子三十三観音霊場第十九番札所と武相観音第十八番札所に指定されている秘仏三十三体観音像を安置されている。
12年に一度、卯年の四月に御開帳と云う。
本堂
「東浅川駅」52.0km(東京起点)・開業ー昭和2年 廃止ー昭和35年。皇室専用駅 (東浅川仮停車場と称した)
大正天皇の葬儀にあたり、浅川駅(現・高尾駅)より東1.1キロに造られた皇室専用の駅。
皇室大喪列車の終着駅として、1927年の昭和2年、に設置され、本来は設けられた当日と翌日(2月7・8日のみ使われ、大喪列車の起点であった
新宿御苑仮停車場とともに廃止される予定であったが、当駅だけは廃止されずにそのまま残り、しばらくの間天皇の霊柩車が据え置かれて一般の拝観に
供された。その後、皇族が武蔵陵墓地に参拝する際に、しばしば当駅が利用され、昭和26年、6月の貞明皇后の葬儀に当たっても、武蔵陵まで霊柩を運搬する経路として当駅が利用された。その後、皇族も自動車に乗るか浅川駅(現・高尾駅)で下車することが多くなり、次第に使われなくなった。
昭和35年、廃止された。
東浅川駅から武蔵陵墓地(多摩御陵)までは都道187号多摩御陵線で結ばれている。
浅川と云えば、
浅川地下壕がある。戦時中、高尾駅南にある金比羅山地下に陸軍浅川倉庫として掘られていた巨大な地下壕
1997年、浅川地下壕を戦争遺跡として保存ー平和資料館を建設するための運動が、
2014年3月、市民の長年の念願がかなって金比羅山が八王子市の市有地となりました。
浅川地下壕(普段は閉鎖されている)
戦時中の警戒警報を思い出した。
浅川地下壕を文化財として八王子市の指定史跡に。
2008年まで、毎年夏に手作りいかだによる浅川サバイバルレースが開催されていたと云う。
コースは八王子市役所]近くの鶴巻橋河川敷公園から高幡不動のふれあい橋まで全長11km。
浅川は八王子市と日野市を流れる川で、京王百草園駅付近で多摩川に合流。
川の周辺は住宅が密集し、河川敷だけは豊かな緑が残る。
川や河原、河畔林、湿地、都市公園、丘陵、高尾山や陣馬山などの低山、さらには高月の水田地帯等、変化に富んだ環境があり、両市を貫流する浅川は、当会の最大の探鳥場所となっている。
多摩川最大の支流である浅川は、八王子市の陣馬山にその源を発し、 幹川流路延長は30Kmで、途中南浅川、川口川、湯殿川などの支流を合わせ、
日野市落合付近で多摩川に注いでいる。
その流域面積は「156K㎡」に達し、流域の豊かな自然形成に大きな役割を果たしている。
浅川流域には多くの野鳥が生息し、四季を問わず探鳥を楽しむことができる。
200種をこえる野鳥を観察され、近年浅川流域では都市化が進み、また大規模な河川工事も行われ、その姿を変えつつあると云う。
「野草」
オオバコ(スモウトリグサ)・食べ方ー アクが少なく、天ぷら、油炒め、あえもの、サラダなど。薬効ーせき、痰、利尿、視力向上、蓄膿症、胃がん。
カキドオシ(カントリソウ)・食べ方ー天ぷら、あえもの、ひたしもの、酢のもの、サラダ、煮物、汁の実。薬効ー子供の癇の虫に効くとされる。
腎臓病、糖尿病、インポテンツ、胆石、たむし、水虫、血止め。
カラスノエンドウ(ピーピーマメ)・食べ方ーくせがなく、あえもの、炒めもの、天ぷら、みそ汁など。薬効ー血行をよくする。腫み、解熱、
内臓の働きを高める。
カワラヨモギ・薬効ー 消炎、解熱、利尿、駆虫薬で、発熱性黄疸、胆汁分泌促進作用。
クズ ・食べ方ー春先の3cmくらいまでの若葉や花、根を食べる。天ぷら、あえもの、炒めもの、根は葛粉や風邪薬の葛根湯となる。
薬効ー風邪のひきはじめ、発汗、解熱、頭痛、二日酔い。
スイバ・食べ方ー春から秋までやわらかい葉、茎を食べる。甘みそあえ、二杯酢、一夜漬、サラダ、お茶など。
薬効ーたむし、いんきん、水虫、なまず、のどの渇き。
スギナ・ツクシ・食べ方ーツクシは、煮びたし、ツクシご飯に。スギナは、お茶やパン、うどんに混ぜて食べる。
薬効ー下痢、便秘、肝炎、腎臓病、むくみ、膀胱炎、利尿、肋膜炎、タン、ぜんそく、リューマチ、関節炎、神経痛。
タンポポ・食べ方ー九分咲きの花と葉は春から夏が食べ頃。おひたし、サラダ、天ぷらなど。根は秋に太くなり、キンピラやお茶、コーヒーにして飲む。
薬効ー強壮、健胃、肝臓、浮腫、ぜんそく、婦人
延長ー30.15 km ・水源ー陣馬山(八王子市)・河口・合流先ー多摩川(日野市)
浅川の産出ーメタセコイアの化石。新第三紀鮮新世のもの。国立科学博物館の展示。
都八王子市・神奈川県相模原市の境目にある陣馬山(857m)や堂所山(731m)に源を発し東へ流れ、日野市石田付近で多摩川に合流する。
日野台地と多摩丘陵(七生丘陵)に、はさまれて流れる。小仏峠を源流とする南浅川の合流地点(八王子市役所付近)より上流を通称として
北浅川と呼ぶ。八王子市楢原町付近(中央自動車道の架橋下付近)の流域では、メタセコイヤの化石や新種のハチオウジゾウの一部の化石が発見。
カワセミは多くはないがポピュラーで、居そうな場所で定点観察してないと出会う確立が低いという。
コゲラは、近年、住宅地の庭木や児童公園の樹木等でも良く見かけると云う。
カルガモは、一年を通して水辺に暮らす留鳥で春に雛鳥を連れて道路を横断し都市公園の池に向かう場面が。
ジョウビタキとルリビタキー 同じようなところに少し距離をとって暮らすという。
都市に残された貴重な自然環境という面から、護岸をコンクリートで固めてしまうのではなく、
ヨシなどの植物によって水の勢いを抑えて水質を浄化する取り組みなど、自然環境に配慮した対応も取られている。
八王子市は、太平洋戦争中、軍需工場や都内の学童たちの疎開先になり、浅川地下壕は、その八王子に掘られた大地下壕。
その規模は長野市の松代大本営地下壕と並んで日本最大級と云う。
東洋一といわれた軍用飛行機メーカー、中島飛行機株式会社の秘密地下工場として使われ、1997年に「浅川地下壕の保存をすすめる会」が結成され
現在、200人をこえる会員が、壕内の測量調査、地下壕見学会や講演会の開催、会誌、学習活動をつづけていると云う。
日野市付近の多摩川
次回は、高尾山・薬王院へ。