二十一世紀カラオケ晩春の死屍累々 まほろば 最新作 即興
今夜は晩春の七部月が東南から真南の上空に移動して来た。終始、薄雲に覆われて露わになるのはほんの一瞬のことであった。いかにも春の終りの月といった感じで、冬の寒さを完全に脱したが、夏の熱狂にはまだまだほど遠い風情である。春の月、その晩春の天空をあてもなく泳ぐ月とでも言えばよいのだろう。今日は、その月で一番重要で最も面倒な用件を済ませ、帰りに本当に久し振りにTSUTAYAに寄って来た。レンタルしたのは『エンドレス・ワルツ』『トレイン・スポッティング』『ノア』の3本であった。私は1970年代前半の世代だが、70年安保が敗北した後も懲りずに闘い続けた一群の表現者たちを目撃し続けた。その一人がフリージャズの【阿部薫】であった。その阿部の妻の【鈴木いずみ】との破滅的な愛を描いたのが1本目の映画『エンドレス・ワルツ』(1995 松竹)である。・・・《続く》
阿部薫 『1970年3月、新宿』