一宮市の競輪場のすぐ脇、家電量販店コジマの駐車場の一角に、柵で囲まれたモニュメントのような鉄の筒が建っています。
この場所には1997年まで紡績工場が建っており、この鉄の筒は工場の煙突(高さ40m)の一部をカットしたもので、すぐ脇には「東京芝浦製作所製 明治四十一年二月」と記された銘板も一緒に保存されています。
一宮を中心とした尾西地方は、戦前から繊維産業が栄えましたが、戦後の繊維不況により多くの紡績工場が閉鎖されました。その広大な跡地には大手スパーや巨大量販店、マンションなどが建設され、当時の面影を残すのこぎり屋根の工場も今ではすっかり姿を消してしまいました。
■旧日本紡績一宮工場 鋼製耐震煙突(一部保存)/一宮市羽衣2丁目
竣工:明治41年(1908)
設計:技師吉田朋吉
施工:芝浦製作所
構造:鋼板製(内部レンガ張り)
撮影:2009/10/11
■右から書かれた当時の銘板