当たり前の話ですが、近代建築探訪は目的の物件が近代建築であることが大前提になります。
建築は見た目だけでは正確な竣工年は分かりませんので、何はともあれ訪れる前にガイドブックなどで建築年を確認しておく作業が必要です。
その点同じ近代の構造物でも、橋は竣工年が必ず親柱に明示されているので、偶然見つけた橋が年代物かどうかその場で確認でき大変便利です。
ところで橋には4本の親柱がありますが、たいてい竣工年、橋の名称(漢字とひらがな)、河川の名称が明示してあることが多いようです。
堀端橋は改築時に3本の親柱がコンクリート製に変更され、そのひとつには竣工年の代わりに「昭和53年10月改築」の名板がはめ込まれていました。
ひとつだけ残された「ほりはたはし」と刻まれた竣工当時の石の親柱が、唯一当時の面影を残しています。
■堀端橋全景(右岸より撮影)~橋桁の下の鉄骨が良く分かります
■左岸側~上流側(向かって右)の親柱は石造で当時のまま
■右岸側~親柱は2本ともコンクリート製に変更、下流側(向かって右)の親柱には改築年を表示
■新旧2本の親柱~鋳鉄製の欄干は円と直線のアールデコっぽいデザインで当時のままと思われます
◆堀端橋(ほりばたはし)/名古屋市西区数寄屋町(右岸)~堀端町(左岸)
竣工:昭和8年(1933)
構造:鋼桁、RC造
撮影:2012/02/26