かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

堀川の橋(11)~納屋橋(名古屋市中村区~中区)

2012-03-26 | 近代橋めぐり

いよいよ堀川の橋めぐりも錦橋を過ぎ、名古屋の古くからのメインストリート広小路通にある納屋橋です。
名古屋で一番有名な橋と言えばなんといっても納屋橋です。(そのものずばり納屋橋まんじゅうは、名古屋の老舗の銘菓です)
愛知県民なら誰でも知っている納屋橋ですが、堀川開削時はすぐ上流に架かる美濃街道の通る伝馬橋のほうが人の往来が多くにぎやかでした。

江戸から明治に時代は移り、東海道線全線開通(明治22年)にあわせ広小路通が名古屋駅まで延伸されたのを機に、大正2年(1913)納屋橋は近代的な鉄製のアーチ橋として架けかえられました。
現在の橋は昭和56年に老朽化と拡幅のため架けかえられたものですが、橋の外側にアーチを取り付け、青銅鋳鉄の欄干(再利用)や橋灯(復元)も大正期の姿を再現しています。

厳密に言えば戦後架けかえられたため、近代の橋ではありませんが、戦前の納屋橋の景観を残すため、外観はオリジナルに近い姿に再現されているので、堀川の近代の姿を伝える橋のひとつとして紹介することにしました。


◆納屋橋(なやばし)/名古屋市中村区名駅南1、2(右岸)~中区錦1(左岸)
 竣工:大正2年(1913)→昭和56年(1981)拡幅・構造変更
 構造:鋼ソリッドリブ・アーチ→アーチ風飾り桁
 設計:吉町太郎一(伝承)
 撮影:2012/02/26



■上流右岸(中村区側)より東詰を撮影~納屋橋と旧加藤商会ビル(昭和6年築)



■下流右岸より撮影~橋の下のアーチは装飾で、構造上はなくても支障がありません



■中央部のテラスの欄干には、堀川開削を行った福島正則の紋と三英傑(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)の紋が入っています


 
■親柱と橋灯(西詰下流側)~背の高い石造りの重厚な親柱、橋灯も立派です