かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

愛知県立瑞陵高等学校旧講堂(感喜堂)/旧愛知県商業学校講堂(名古屋市瑞穂区)

2012-10-14 | 名古屋の近代建築

以前ブログをご覧いただいた方から、名古屋市瑞穂区にある愛知県立瑞陵高校に旧制中学時代の講堂と校門が現存しているという情報をいただき、今回やっと訪問することができました。
 
愛知県立瑞陵高等学校は明治40年(1907)愛知県立第五中学校として開校されました。その後大正11年(1922)愛知熱田中学校に改称、昭和23年(1948)の新制高校発足に伴い熱田中学は熱田高校に改称(現在の熱田高校とは無関係)され、同じ年に名南高校、貿易商業高校、愛知商業高校と統合され現在の愛知県立瑞陵高等学校になっています。

瑞陵高校のある瑞穂区北原町は、もともとは旧愛知商業があった場所で、現存する旧講堂は大正13年(1924)に愛知県商業学校の講堂として建てられたものです。講堂は昭和23年4校が統合され、現在の瑞陵高校になってからも引き続き使用され、昭和39年(1964)新たに講堂兼体育館(瑞光館)が竣工したため、図書館として改修された後、昭和54年(1979)からは定時制給食室(感喜堂)として現在も使用されています。
旧講堂は木立に囲まれた校庭の南西角にあり、東側の校舎と渡り廊下でつながっています。建物外観は各面中央部に小屋根が架けられているのが特徴で、同じ県営繕課設計の津島高校(第三中学)旧講堂(大正12年)と大変よく似た外観になっています。
 
わたしが今までに、県内の高校の現存する戦前の講堂として確認できたのは、旧竜城学園(第二中学/岡崎高校/明治40年)、津島高校、瑞陵高校、小牧高校(昭和4年)、東海高校(昭和6年)、滝高校(昭和8年)、金城学院高校(昭和11年)、西尾高校(昭和4年)の8校になります。(注:西尾高校は武道場)
名古屋市内では大正期竣工の講堂は瑞陵高校のみで、市内最古の現存する高校の講堂と思われます。(県内最古は旧第二中学講堂)


◆愛知県立瑞陵高等学校旧講堂(旧愛知県商業学校講堂)/名古屋市瑞穂区北原町2-1
 竣工:大正13年(1924)
 設計:愛知県営繕課
 撮影:2012/09/22

■建物西側



■建物東側出入り口~東西に2か所づつ、計4か所の出入り口があるようです