直径24インチ(61センチ)二十寸の精工舎の大時計。学校の講堂で使用されていたと言われる。
時代は昭和初期と思われ、現:福井県鯖江市が未だ「鯖江町」だった頃の寄木ケース内に現存する
当時の時計店の保険證のエンブレムが時代を物語る。
不動の状態で入荷し早速、風防を外しウエイト付きの針を取り除き、日焼けした文字盤を捲る。
改めて内部を観察するとムーブメントの状態の良さに驚く。
スモールセコンド付きムーブメントは歯車や軸受けの減りも少なく、昭和初期と思われる割には状態が良いというか
良すぎるようにも感じる。
半打ちは右奥のベルを一回鳴らす構造。
固まった油を取り除きクリーングの後、改めて注油しながら調整を繰り返す。
振り子も無かったため手持ちの振り子を改造し、ぶら下げ可動させる。
円のほぼ天辺に振りベラを配し、円の下枠ギリギリの振り子が左右にゆっくり振れる様は圧巻です。
未だ外装に手を加えなければいけませんが、仕上がりましたら改めてご紹介しますね。