古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

御針箱/裁縫箱の修理

2018年12月21日 | 家具

「家具」続きで恐縮ですが、御針箱の修理依頼です。。。

大切に風呂敷に包んで、「月の虹」へ持ち込まれてきました。

状態は欠品などは無さそうですが先ず、上蓋の外れ。

丁番の釘が折れ外れています。丁番自体にも変形があります。

それに上蓋に一部、木目に沿った割れがあります。

これはある意味仕方なく、木の性質ですから一応は糊を入れて段付きを何とか少なくします。

そして箱自体、下部に行くにつれて開いているのと多分、過去の手を施した時に不備があったのか

巾木のチリが左右で違っている所が気になります。こちらも修理対象。

後は右側板の割れ。こちらも糊を入れるぐらいしか施しようがありませんが修理対象。

悩みどころは、この可愛い扇子の抽斗の取っ手。

新しく塗装(漆塗等)を施すのも良いのですが、長年御身内の方が使われていた証ですので

下部巾木の塗装も含め今回はあえてせずに、蜜蝋での磨きのみ施します。

早速、修理に取り掛かる前に、先ずは丁番用の釘を用意しなければなりません。

この釘は特殊で非常に細くて短い小さな釘です。

showa土花亭での手持ちの釘の内でも、1番小さな釘の登場。(先ず、市場にはございません)

サイズ的にはドンピシャですが、釘頭は丸になります。(本来は丸頭の筈)

釘が揃ったところで修理へ。。。構造的な修理が完了したら落ちる汚れは落とし、蜜蝋で磨いて行きます。

丁番の釘はこんな感じです。

可愛い扇子の取っ手も磨いてあります。下部巾木のチリも左右ほぼ揃いました。

針山は持ち主の方がお裁縫がお得意なので、宿題としてとっておきます。

まだまだ、御使いも頂けますし飾って置くにも邪魔にならない大きさです。

代々大切に使われて来たものです。これからも大切にして頂けますよう宜しくお願いします。

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コメント (2)
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