素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

人材育成は個々の学校で

2009年10月19日 | 日記
 17日の毎日(11)面に、貝塚四中と松原七中の実践が紹介されている。貝塚四中は荒れた状態から、約10年間の再生の取り組みの結果、「大阪の奇跡」と呼ばれるほどの回復をし、注目を集めている学校である。

 再生の取り組みの第一歩は「生徒同士がつながる仕組み作りが大切」と生徒会の役割を強化した。生徒指導の秦真人教諭(41)の話。「最初の2年は難航したが、3年生の懸命な姿勢に後輩があこがれて続いていくという良い流れができた。」
 「どの学校でも問題行動を起こす生徒は1割、黙っていてもきちんとできる生徒も1割。中間の8割がどちらに流れるかが鍵」「どんな生徒でも学校に居場所があれば安定する」
 これらのことは、目新しいことではなく、過去さまざまな中学校で取り組まれた実践からでてきた原則のようなものである。

 中国からの帰国生徒など日本語指導の必要な生徒も少なくない松原七中では、プリントを使った反復学習もするが、学校全体で成長しようという取り組みに重点を置いている。

 それぞれの学校は、生徒数、取り巻く条件、教職員構成、歴史などすべて異なるのである。その分析を通じて各学校は最適と思われる方法をみつけだしていかなければならない。そのために他校の実践を研修したり、物の考え方を学習したり、お互いの実践を検証したりということが必要になる。

 転勤で新しい学校に行けば、前の学校で得たことは財産としては残っていても、また一から分析・実践・検証をその職場でやらなければいけない。結局その繰り返しを地道に積み上げていくことしか人材育成の道はないように思う。

 学力テスト成績上位の福井県のことも紹介されていた。福井市立中藤小学校の岩佐明晴校長の話。「特別な学力対策はしていない。教師が毎時間きちんと授業するのが一番大事。学力テストの点数がイコール学力なのかという思いもある。」また県教委の担当者の話「教育には地域性や風土がかかわっている。他の都道府県と比べた順位に意味はない」

 学校を教師と生徒、生徒と生徒、教師と教師がもっとゆとりを持って学びあえる共同体の場としていくことこそ、生徒も力をつけ、教師も力をつけていくために必要なことだと思う。
 
コメント
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