素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

内田樹・名越康文著「14歳の子を持つ親たちへ」読み終わる

2009年10月21日 | 日記
 今、論壇でユニークな光を放つ二人の2年間に渡る対談をもとに、ていねいな推敲を経て出来上がった本書は新書判で680円とお手軽な感じだが、中身はなかなか深い。内容を二人の間の息、間合いのようなものをふくめてうまく紹介することはできない。是非読んでみてくださいとしか言えない。
 
 ただ、記憶に残った2つの単語は紹介しておきたい。

 1つは、内田さんがまえがきのキーワードとして使った『居着く』という言葉。武道の用語で、本来は恐怖や緊張のあまり足の裏が地面に貼り付いて身動きできない状態を指すのだが、武道に限らず人間と人間の出会った瞬間の話に広げられていたが、私自身のいろいろな人との出会いの時を思い浮かべるとすごく腑に落ちて思わず「そうなんだよな」とつぶやいてしまった。

 もう1つは、対談の最後のほうで登場した『ルーティン』という言葉。辞書によると、〈いつもの手順。また、日常の仕事。日課〉⇒毎日繰り返される平凡な日常生活。これを“つまらない”という風潮があり、何かクリエイティブな生活にあこがれる傾向にあるが、もっとルーティン・ワークの大切さに気づかないといけない。というのが二人の意見。

 これも今までの経験からうなづけること。個人でも家族、学級、学校、チームなどの集団において、何らかのルーティン・ワークが確立できると、安定と伸長が図れると思う。

 『ルーティン』をキーワードに、イチローのこと、学校、学級、授業のこと、チームのことなどを考えると自分の中ではスッキリとしたものがあるのだが、今のところ、言葉(文字)でうまく表現できない。もうしばらく頭の中で醸造させておく必要がある。会って話をする機会があれば語り合いたいと思う。

 
コメント
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