素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

昨年度全国公立小中高校・降任希望教員223人

2010年10月28日 | 日記
 今日の毎日新聞のトップ記事である。
          04年度   05年度   06年度   07年度   08年度    09年度
    校長から   5人     8人     8人     5人     4人      9人

副校長・教頭から  71人    60人    62人    69人    84人     90人

  主幹教諭から                 12人    27人    89人     121人

 この数字の動きは、制度改革のひずみが出ていると考えた方が良いのではないか。教諭の仕事は単純ではない。小中高によって違いはあると思うが、中学校の私の場合、退職の年度の仕事は、①3年生6クラスの数学を教える②学年主任③6月より担任④生徒会(文化祭を中心に文化委員会の仕事)⑤時間割をつくり、調整⑥サッカー部の指導 であった。 結構忙しかったが、学校へ行くのは楽しかった。それは①と③が両輪としてあったからだと思う。

 私の仕事の優先順ははっきりしていた。①数学の教諭②学年(担任)③学校の仕事④クラブ指導である。けっこう、朝、放課後にグランドに出てサッカー指導をしていたので、「クラブが一番」と思っていた人も多くいたが、決してそうではない。ただ、クラブの中で生徒達と接するのは大好きだったから、その時間をつくるために①②③を無駄なく片付ける努力や工夫はした。

 制度の大きな流れは、生徒指導主事、学年主任、教務主任、進路指導主事などは授業を軽減したり、担任を持たないことになってきている。基本的には「授業ができなくなる」仕事は避けてきたと思う。わがままといえばそうかもしれないが、授業と担任は教諭の生命線だと思っている。 学校の種々の事情で仕方がないときもあるが、2年間ぐらい無理を聞いたら、3年目には本人の希望を最優先させるというぐらいの配慮が校長を含め職場にないとダメではないかと思う。

 ここからここが私の仕事というように、境界線を明確に引けないのも学校の仕事の特徴であると思う。やたらと中間管理職的なものをつくり、個人の評価システムを導入するという今の制度は無理がある。その1つの表れが降任希望教員の増大ではないかと思う。

 年齢構成が不均衡になることは明白である。もっと柔軟なシステムを個々の学校でつくることができるようにしないといけないのではないか。校長にもっと権限を与え(教育委員会の指示を一方的に伝え、ごり押しするということではない)、この学校ではどういう形で経営すればベストだろうかと発想する本当の意味で学校のリーダーとならないと未来はない。
 

 
コメント
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