素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

第69回「春の院展」を観るため猛暑日の京都へ

2014年06月01日 | 日記
 京都島屋グランドホールで開催されている第69回「春の院展」に出かけることにした。9時から自治会の春の大掃除があったので1時間余り溝掃除や草引きをした後の出発となった。中途半端な時間であったので道は空いて走りやすかった。ただ、京都に近づくにつれて道路に設置されている温度標示板の数字が30℃、32℃と高くなっていった。「予報通り昨日より暑くなりそうやな」と言いつつ、東山山頂公園の駐車場に車を置いて、山を下って知恩院、円山公園、八坂神社を抜けて、四条通り沿いにある京都島屋まで行くという当初の計画は変更しなかった。

 河原町五条の交差点近くにある「ごはん日和」でおばんざいを使った弁当(美味・ヘルシー・安価)を買って、東山山頂公園の展望広場の木陰で京都市内を一望しながら腹ごしらえ。吹く風も爽やかで巷のような暑さは感じなかった。山頂公園から知恩院までの道も樹木のおかげで暑さ知らず、鳥の鳴き声を聞きながら足取りも軽い。
   15分ほどで知恩院の裏門から入り三大名鐘の一つである除夜の鐘でもお馴染みの大鐘に着く。
 老舗の料亭が散在する道を下って円山公園に出ると観光客の数がぐっと増える。いろいろな中学の修学旅行生が班単位で歩いているのに出会った。暑さにもめげず元気そのもの。中高年は茶店や木陰のベンチでぐったり気味。山の中とは打って変わりまとわりつくような暑さである。
 八坂神社から四条通に出るとさらに観光客の数が増える。和服姿も多く見かけるようになる。京都やなという感じ。鴨川へ下りて遊びたい子どもと買い物を早く済ませたい母とのバトルも今日の暑さゆえというところ。冷房の効いた島屋に入った時は思わず「あ~気持ちがいい~」と叫びそうになった。

 明治31年(1898年)に岡倉天心らによって創設された日本美術院は一時中断していたが、大正3年(1914年)横山大観らによって再興。以来、近代日本画の発展に輝かしい足跡を残してきた。この日本美術院が主催運営している日本画の公募展覧会である第69回「春の院展」は同人作家の作品32点をはじめ招待作家、受賞作品、関西在住作家の入選作を合わせた約145点が展覧されていた。目当ては同人作家の後藤純男さん。北海道旅行以来とりこになっている。今回は「大和の春」を出展されていた。

 帰り、妻がせっかく来たのだから建仁寺に寄っていこうと提案。半夏生と桔梗の様子を確認したいと言う。季節外れの暑さも開きなおれば苦にはならない。四条通から花見小路を抜けたところが建仁寺。どちらの花も見頃はもっと先、やはり夏至を過ぎないとと手入れしていた庭師さんが話していた。
  建仁寺から八坂の塔へ向かい、そこから二年坂、ねねの道を通って円山公園にもどり、今度は山道を上り山頂公園まで牛歩の歩み。帰り道の温度標示板は37℃になっていた。「とんでもない数字やな」と思わず声が出た。


 夜のニュースを見て、とんでもない日に京都をウロウロしていたもんだと二人で笑った。

コメント
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