素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

膝に抱えた「爆弾」を爆発させないために

2021年02月24日 | 日記
 50代の頃に痛めた左膝を、退職を機にしっかり治そうと思い立ったのが今のジョギングにつながっている。「コロナ禍でマラソン大会が中止になってさびしいでしょう」とたまに言われるが、私にとって走ることは病院へ行ってリハビリをするようなものなので大会参加の優先順位は極めて低い。マラソン大会への参加は気分転換ぐらいの位置づけで目的ではない。

 いつも頭にあるのは『膝に抱えた「爆弾」を爆発させない』ということである。整形外科で変形性膝関節症と診断されてから色々と調べた結果、薬とか注射など特効薬はなく地道に身体を動かしていくしかないということになった。医者からは「曲げることより膝を伸ばすことの方を強く意識することが大切」とアドバイスされた。そして、併設のリハビリ施設に通うかどうか尋ねられた。理学療法士のアドバイスを受けられるのは魅力だが時間の制約を受けるので「とりあえず、ジムで自分でやってみます」と答えた。

 ウォーキングと自転車が中心の有酸素運動とジムのマシーンを使って軽い負荷をかけた筋トレから始めた。もともとO脚の傾向が強いのでそれを改善しないとウォーキングをしてもかえって悪化させる可能性があることに気付いた。古武道や能楽師の話の中に体幹力の大切さがよく出てくる。丹田という単語がキーワードになっているが自分の身体の中で実感できなかった。そこで、体幹部分を強化するためにジムの無料スタジオレッスンにある「ピラティス」に参加した。多面的に知りたかったので2人のインストラクターのレッスンに月と水に各1時間、1年半ぐらい通った。体幹力のなさ、内転筋の弱さ、関節の可動域の狭さを痛感させられた。おかげで基本的なことが体で理解できたので2人のレッスンを融合アレンジして自分なりのプログラムを作り家で続けている。
 
 本屋に立ち寄った時は、「ひざ痛」関係の本、雑誌を立ち読みして常に情報収集に努めている。これは良い!と思ったら購入する。薬代を払うような感覚である。
 先日、久しぶりに購入した本がある。長いタイトルである。
「ひざ痛~変形性膝関節症~自分でよくなる!ひざの名医が教える・最新・1分体操大全」(文響社) 黒澤 尚(順天堂大学医学部整形外科学特任教授)・池内昌彦(高知大学医学部整形外科教授)・渡辺淳也(千葉大学大学院医学研究院特任教授)・巽 一郎(一宮西病院人工関節センター長)の4氏が最新情報をわかりやすくまとめて解説してくれているが、私がバラバラに集めて実践してきて効果を実感しているものが多くあり腑に落ちる内容であった。

 目新しい単語では「プロテオグリカン」があった。ひざの関節軟骨のクッション機能を生みだすうえで重要な役割を担っている成分とのこと。それを増やすための体操が『ひざ軽屈伸』である。似たようなことはやってきたが医学的な裏付けを知ることで自信をもって継続ができるようになった。

 「みるみるよくなる」という類いの即効性を謳った言葉はなく、自分の生活の中で合致した簡単な体操を継続していくことの大切さが強調されている点が良い。『痛めるのは1秒、治すのは1年』これが体との長い付き合いで得た教訓である。この1秒を避けるために用心深く、コツコツと取り組んでいくのだが、この本はそのバイブルとなる。

 
コメント
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