素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

蓑虫騒動

2021年09月05日 | 日記
 やっと天気が回復した。布団を干したりシーツや寝間着を洗ったりここ何日か続いたベトベト感を取っ払うことに精を出した。風呂掃除をしていると庭の様子を見に行っていた妻が大きな声で「蓑虫の大群や!」と叫んだ。何と大袈裟なと思ったが「早く獲らないと葉が全部食べられてしまう!」と焦った声。様子を見に行くと南天の木を指さしていた。想像以上にたくさんの蓑虫がぶら下がっていた。周辺の葉は虫食いの穴。「全然気がつかなかったわ」と妻。

 それからは蓑虫退治にかかる。南天の木が高く伸びているので面倒な作業だ。おまけに枯れ葉が顔に落ちてくるというおまけつき。
  50以上は獲ったと思う。
 毎日新聞 2018/12/7に蓑虫が取り上げられていた。 
 「蓑虫(みのむし)の音(ね)を聞きに来よ草の庵(いお)」は芭蕉(ばしょう)の句。ミノムシが鳴くの?といぶかる方もおられようが、俳人は興趣のためならカメでもミミズでも鳴かせてしまう。ミノムシの鳴き声は「ちちよ ちちよ」だとか▲言い伝えではミノムシは鬼の子といわれた。枕草子によると、秋風が吹くころに戻るから待てと親に言われて置き去りにされ、「ちちよ、ちちよとはかなげに鳴く、いみじうあはれ」となった。こんな話を風流人が見逃すはずはない▲鬼ならぬミノガの幼虫であるミノムシはもちろん実際には鳴かない。ただ昔の人が粗(あら)いみのに身をくるんだ鬼の子に見立てた気持ちは分かる。このみの、内側はふわふわで、広げてつなぎ合わせれば丈夫な「蓑虫布」ができたという▲そのみのを作るたんぱく質の糸が、今まで自然繊維最強とされたクモの糸の1・8倍の強度なのが分かったそうだ。製薬会社の興和などがミノムシから長い糸を取り出す技術を開発、新たな工業素材として利用する道が開けたという(後略) 蓑虫騒動は30分程で終わった。
コメント
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