素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

行合(ゆきあい)の空

2021年09月06日 | 日記
 昨日の夜の天気予報の中で、気象予報士の方が1枚の雲の写真を見せて、「季節が夏から秋に移るころ、暑気と冷気が行き合う空には写真のように夏の雲と秋の雲が並んで見ることができます。これを行合の空といいます。皆さんもちょっと注意して空を眺めて下さい。秋への季節の移ろいを感じることができます。」と話していた。「行合(ゆきあい)の空」という響きが良くて少し意識して雲をみてみようと思った。

 今日も絶好の日和となった。一仕事終え空を見上げると夏の雲と秋の雲が同居していた。
  「行合(ゆきあい)の空」という言葉を知ることで、景色の見え方が違ってくる。言葉の力の不思議さを改めて思った。ロマンチックな気分も「蓑虫まだおるで!」という声で吹っ飛び、蓑虫退治に精を出した。余録に枕草子があったのでそれも調べてみた。


 橋本治さんの「桃尻語訳・枕草子」によればこうなる。『蓑虫は、すっごいいいわよォ。 鬼が生んだってことだからさ、
「親に似てこいつも恐ろしい心もってんだろう」って、親の貧乏ったらしい着物ひっかぶせて、
「もうすぐ秋風の吹き出す頃には迎えに来るんだからな、まってろよ」って言い置きして逃げてっちゃったのも知らないで、
風の音を聞き分けてさ、八月頃になると「パパァ、パパァ」って心細そうに鳴くの。メッチャクチャいい・・・。』


 平安の頃から変わらぬ姿でと思うとまた趣きがある。
コメント
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