素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

“文化大革命”に関する長年の疑問が解けた

2011年05月26日 | 日記
 NHKBSプレミアム(19:30~20:59)で19世紀末から21世紀に至る100年間の中国を女性の視点から読み解く近代史ロマンを4夜連続で放送された。

5月23日(月) 「西太后 王朝の幕を閉じた“悪女”」
5月24日(火) 「婉容 ラストエンペラーの妻 夢と絶望」
5月25日(水) 「宋慶齢 獅子と呼ばれた女」
5月26日(木) 「江青 マダム毛沢東の孤独と欲望」

 最初の3人については食指が動かなかったが、今晩の“江青”は見逃すまいぞと思っていた。彼女をきちっととりあげた番組はなかったのではないかと思う。歴史の人となるには早すぎる感があり、現中国共産党に対する政治的な配慮も微妙でむずかしい側面があったと推察する。

 中国に文化大革命が起こったのが1966年8月、私が15歳の時。江青を含む四人組が逮捕され終焉を迎えたのが1976年秋、25歳の時。激動といってよい中国での出来事について、いつも素朴な疑問がついてまわっていた。積極的に解決しようという気持ちもなかったのでずっとそのまま残り続けて来た。いいタイミングかなという気がした。

1970年に大学に入学したが、当初知っている人は皆無だったので、昼休みは芝生に寝転んでボサッと過ごすことが多かった。そんなある日、芝生に坐っている私に背後から「今の日本についてどう思いますか?」と声をかけられた。私は「平和ですね」と答えた。その時の真面目そうな男の人の驚いた顔が印象的だった。“こんな能天気な人間いるのか?”という感じで、政治的な話をしてくれたがぬかに釘だったように思う。後になってわかったが、彼は毛沢東思想を信奉している活動家であった。それが縁で、講演会や映画に誘われ何回か参加した。

 当時は、紅衛兵活動のピークにあたっていたので情報も多く、一党支配を確立したはずなのにどうなっているのやろという素朴な疑問があった。 
 日中戦争後の国民政府と中国共産党の対立。毛沢東を主席とする中華人民共和国の成立。文化大革命。毛沢東、周恩来、劉少奇、小平の関係。毛沢東の夫人である江青の立場などに関して断片的な浅い知識しかなく、よくわからないというのが本当の所であった。

 今回の番組、江青の生涯を中心にていねいにつくられていて、わかりやすかった。夏木マリ、楊逸、伊原吉之助の3人も自分の言葉でざっくばらんに話をされていて好感が持てた。質の高いシリーズみたいなのでパスした残りの3つも28日、29日の再放送で見てみようかと思っている。近代の中国の大きな流れがわかるような気がする。

 伊原吉之助さんに何となく魅力を感じたので検索してみた。略歴の中で、書物を通じて河合栄治郎氏に大きな影響を受けたとあった。私も大学時代に河合栄治郎著「学生に与う」はバイブルみたいなものだったので親近感を覚えた。伊原さんのコラムも時々読んでいくことにした。

 http://www.jas21.com/index.htm
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