「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

ふむふむ…。『クリムゾンの迷宮』by貴志祐介

2022年09月21日 | 小説レビュー

『クリムゾンの迷宮』by貴志祐介 

~藤木はこの世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を覆う、深紅色の奇岩の連なり。ここはどこだ?傍ら携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」

 

貴志祐介氏の作品は、こわ面白い『黒い家』by貴志祐介 以来で三作目です。割とグロテスクな描写が好きな作家さんなのかな?とも思いますが、今回の作品はそれほどでもありませんでした。

突然、現実世界から「殺すか殺されるか?」という脱出ゲームの世界に放り込まれ、まさにサバイバルを実体験させられる主人公の藤木ですが、何というかそれほどの緊迫感がありませんでした。

クライマックスでも「こういうことで助かるんちゃうか?」と思えたりしましたし、ヒロインの藍の存在もイマイチでした。

以降ネタバレです。

主人公が助かって謎の賞金500万円をもらって現実世界に戻されるのですが、その後の蛇足のような語りは必要なかったと思います。

本作の内容はともかくとして、私が中学2年の時に友達から貸してもらって、少しの期間ハマった「アドベンチャーゲームブック」シリーズが出てきたのが嬉しかったです。

『サソリ沼の迷路』という作品で、三人の魔法使い(善・悪・中立)の度の魔法使いの弟子になるかというところから物語が分岐していき、最終的なエンディングも違ってくるという内容でした。弟子になる魔法使いを選びなおして何回も何回もやり直して楽しんだ記憶があります。

クリムゾンの迷宮もそれなりに楽しめましたし、時間つぶしにはとても良かったです。

★★★3つです。

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『緋い記憶』by高橋克彦

2022年09月20日 | 小説レビュー
 
~古い住宅地図に閉じ込められた思い出の町、あの少女の家は空き地とだけ記されていた…。凍りついた時のゆるやかな復讐が始まる―。表題作ほか7篇。「BOOKデータベース」より
 
なかなかの短編集でした。直木賞受賞作品なんですね!短編集にしては、どうりで中身が濃いと思いました。
淡々とした語り口調の中にホラー・サスペンス要素満載で、想像しながら読むと、結構怖かったです
 
高橋克彦氏の作品は初読だったのですが、結構好きになりました。
 
また別の作品も読んでみたいです。
 
★★★3つです。
 
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そうなんですけどね...。『千日のマリア』by小池 真理子

2022年09月16日 | 小説レビュー

『千日のマリア』by小池 真理子 


~誰にも言えない、でも決して忘れることはない罪深い記憶。男と女の間を流れていった時間―。夫と移住しペンションを営んだ家をたった一人引き払う時、庭に現れた美しい動物(「テンと月」)。義母の葬儀で棺に寄り添う男が思い起こす光景とは(表題作)。心の奥底深く降り積もった思いを丹念にすくいとる珠玉の短編集。「BOOK」データベースより

 

う~ん、相変わらず小池真理子さんの美しくも官能的で、どこか淋しい雰囲気の漂う、『生と死、愛と性、男と女を見つめた珠玉の8篇』が収められている短編集です。

まぁ短編なので、どれもうまくまとめられているなぁという感じでサラサラと読めます。やはり表題の『千日のマリア』が一番心に刺さるというか、なんとも言えい気持ちになりますね。

小池さんの作品はとても好きなので、どんどん読んでいきたいと思います。

★★★3つです。

 

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とても味わい深い文章『心淋し川』by西條奈加

2022年09月06日 | 小説レビュー

『心淋し川』by西條奈加

不美人な妾ばかりを囲う六兵衛。その一人、先行きに不安を覚えていたりきは、六兵衛が持ち込んだ張形に、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして…(「閨仏」)。飯屋を営む与吾蔵は、根津権現で小さな女の子の唄を耳にする。それは、かつて手酷く捨てた女が口にしていた珍しい唄だった。もしや己の子ではと声をかけるが―(「はじめましょ」)他、全六編。生きる喜びと哀しみが織りなす、渾身の時代小説。「BOOKデータベース」より
 
本当に久しぶりに、「小説レビュー」をアップします
昨年から全く本を読む時間が無かったので、ようやく図書館での貸し出しを再開することが出来ました!本当にうれしいです
 
さて、西條奈加さんの作品は、江戸の人情噺かと思いきや『まるまるの毬』by西條奈加、以来ですが、とても読みやすく美しい時代小説を書かれます。

『まるまるの毬』でも感じたのですが、ストーリーのプロットがとても上手く構成されていて、読んでいて「ん?」と感じる箇所がほとんどないですし、中だるみすることなく、スラスラ読めてしまいます。

 

今回の『心淋し川(うらさみしがわ)』は、【第164回直木賞受賞作】であり、ずっと読んでみたいと思っていました。

内容は、連作短編集で、「心町(うらまち)」という一つの集落で、貧しくとも強く生きようとする人たちの人間模様を描いてあります。

その貧乏長屋集落の中心にいる差配(所有主にかわって貸家・貸地などを管理すること。また、その人。差配人)の茂十という男が、物語のカギを握っており、段々と色々なことが明らかになっていく様は読んでいて気持ちいいです。

色々な登場人物が出てきますが、それぞれに一生懸命に生き抜いており、それが西條さんの筆によって、生き生きと描かれています。

久しぶりに小説を読破し、しかも良い内容だったので、心がとても豊かになりました。

★★★☆3.5です。

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半年も空いていたのか!?

2022年08月11日 | 雑感・日記的な

まぁ〜、本当に長い間、ブログの記事をアップしてへんかったんですねぇ

ご存知の方もいらっしゃると思いますが💦 人生を賭けた大仕事に挑んでおり、お蔭様で無事に乗り越えることができました

ようやく少し落ち着いてきたので、また読書生活を再開したいと思っております

ボチボチと更新していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます🙇‍♂️

 

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