凝りすぎて失敗か?『6月31日の同窓会 』by真梨幸子
~神奈川の伝統ある女子校・蘭聖学園の89期OGが連続して不審な死を遂げる。
同校出身の弁護士・松川凛子は、同窓生の証言から真相を突き止めようとするが―
学園の闇と女たちの愛憎に、ラスト1行まで目が離せない!
女子校育ちの著者が、かさぶたを剥がしながらダーク過ぎる“女の園”を描く、ノンストップ・イヤミス! 「BOOK」データベースより
真梨幸子さんの作品は、周り全員悪人『殺人鬼フジコの衝動』以来、2作目です。
タイトルや表紙からも想像できるとおり、女子高を舞台にした、女子同士の「いや~なミステリー」です。このジャンルでは、湊かなえさんが第一人者といえるでしょうが、この真梨さんもなかなかの「イヤミスの女王?」ぶりです。
女子同士の何ともいえない、表面と内面とのギャップや、心の中で思っている嫉妬心や虚栄心、自己顕示欲などが、まざまざと描かれています。
『名門女子高』や、『お嬢様学校』という呼ばれ方は、決して手放しで褒めている呼称ではないですよね。ある種の憧れを持ちながらも、「自分はこういう学校に通う人とは違うわ」と、思っている人もいるでしょう。
さて、本書の内容ですが、暦上はありえない「6月31日」に開催される「同窓会」の案内状が届き、その案内状を受け取った人には、厳しい「お仕置き」が行われるというミステリーです。
登場人物が10人ぐらいいるのですが、その親族も合わせると、中々の数になり、しかも全員が女性で、年齢も特徴も区別が付きにくい設定になってます。よって、読んでいても頭の中がこんがらがってきて、更に時系列も組み替えてあったりして、より複雑になります。
それぞれの一章ずつは面白く興味を持ちながら読んでいけるのですが、章をまたぐ際に、一瞬頭が混乱して、「これは誰?いつの話や?回想か?」などと、ストーリーに集中できません。
あえて複雑にした作者の意図があるのでしょうが、ここはシンプルに時系列で並べて、視点だけ変えるぐらいで、登場人物も5名程度に抑えれば、もう少し内容の濃い、良い小説になったかも知れません。
最後の仕掛けも「ふぅ~ん、まぁまぁ、そういうことですかね。」と、どんでん返し感や、あっと驚くラストではありませんでした。
真梨さんの熱烈なファンもおられると思うので、あまり言いたくありませんが、好みの差ですかね?
★★☆2.5です。
~神奈川の伝統ある女子校・蘭聖学園の89期OGが連続して不審な死を遂げる。
同校出身の弁護士・松川凛子は、同窓生の証言から真相を突き止めようとするが―
学園の闇と女たちの愛憎に、ラスト1行まで目が離せない!
女子校育ちの著者が、かさぶたを剥がしながらダーク過ぎる“女の園”を描く、ノンストップ・イヤミス! 「BOOK」データベースより
真梨幸子さんの作品は、周り全員悪人『殺人鬼フジコの衝動』以来、2作目です。
タイトルや表紙からも想像できるとおり、女子高を舞台にした、女子同士の「いや~なミステリー」です。このジャンルでは、湊かなえさんが第一人者といえるでしょうが、この真梨さんもなかなかの「イヤミスの女王?」ぶりです。
女子同士の何ともいえない、表面と内面とのギャップや、心の中で思っている嫉妬心や虚栄心、自己顕示欲などが、まざまざと描かれています。
『名門女子高』や、『お嬢様学校』という呼ばれ方は、決して手放しで褒めている呼称ではないですよね。ある種の憧れを持ちながらも、「自分はこういう学校に通う人とは違うわ」と、思っている人もいるでしょう。
さて、本書の内容ですが、暦上はありえない「6月31日」に開催される「同窓会」の案内状が届き、その案内状を受け取った人には、厳しい「お仕置き」が行われるというミステリーです。
登場人物が10人ぐらいいるのですが、その親族も合わせると、中々の数になり、しかも全員が女性で、年齢も特徴も区別が付きにくい設定になってます。よって、読んでいても頭の中がこんがらがってきて、更に時系列も組み替えてあったりして、より複雑になります。
それぞれの一章ずつは面白く興味を持ちながら読んでいけるのですが、章をまたぐ際に、一瞬頭が混乱して、「これは誰?いつの話や?回想か?」などと、ストーリーに集中できません。
あえて複雑にした作者の意図があるのでしょうが、ここはシンプルに時系列で並べて、視点だけ変えるぐらいで、登場人物も5名程度に抑えれば、もう少し内容の濃い、良い小説になったかも知れません。
最後の仕掛けも「ふぅ~ん、まぁまぁ、そういうことですかね。」と、どんでん返し感や、あっと驚くラストではありませんでした。
真梨さんの熱烈なファンもおられると思うので、あまり言いたくありませんが、好みの差ですかね?
★★☆2.5です。