「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

もう少し煮詰めて『夜行』by森見登美彦

2018年01月27日 | 小説レビュー
〜『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』『きつねのはなし』代表作すべてのエッセンスを昇華させた、森見ワールド最新作!旅先で出会う謎の連作絵画「夜行」。
この十年、僕らは誰ひとり彼女を忘れられなかった。「BOOK」データベースより


森見登美彦氏の作品なので、楽しみに読みましたが、やや消化不良です。

「夜行」と「曙光」という銅版画がキーになっているんですが、版画とは彫った部分が白く残り、それ以外の部分は黒くなりますよね。

それを反転すると絵が裏返るという訳で、この「夜行」という世界の裏側に「曙光」の世界があり、それは繋がっているということです。

こうして文章で書いても、あんまり意味がわからんと思いますが、いま自分達が生きている世界には、正反対のもうひとつの世界が存在していて、同じ人間が全く逆の運命を辿って生きているという話です。

まぁ、森見登美彦氏が描きたかったストーリーはおぼろげに見えてきますが、いかんせん書ききれなかったという感じですね。

登場人物のそれぞれのストーリーも中途半端な終わりかたですし、イマイチ納得出来ません。

せっかくの摩訶不思議な新しい世界観が生まれようとしていたんやから、もう少し煮詰めて、整合性を取れるようにしてから世に出して欲しかったです。

★★☆2.5ですね。
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読ませるねぇ~「盤上の敵」by北村薫

2018年01月26日 | 小説レビュー
~自宅に殺人犯が篭城、妻が人質に!?警察が取り巻き、ワイドショーのカメラが中継するなか、末永純一は唯一人、犯人との取引に挑む。
先手を打って城内の殺人者を詰め、妻・友貴子を無傷で救わなければ。
盤上の敵との争いは緊迫のうちに進み、そして取引は震驚の終盤を迎える。
静諡と憂愁。極上の北村魔術。「BOOK」データベースより


北村薫氏の作品は「ターン」に続く2作目です。

ターン」は、交通事故に遭ったヒロインが、誰もいない世界に飛ばされてしまい途方にくれるが、ある定時刻になると、またもとの同じ午後3時15分に戻っているという、不思議なミステリーでした。
でも、ヒロインの直向きに生きようとする姿や、相対して「絶対的な悪:柿崎」との対決は見ごたえがありました。

今回の「盤上の敵」は、表紙から推測すると「チェスの物語?」と思ってしまいますが、作中に実際にチェスを打つ姿は一度たりとも出てきません。(囲碁を打つシーンは申し訳程度に出てきますが

一人称の語り手が章ごとに入れ替わるタイプの小説で、最初の2クールぐらいまで、「誰が主人公で、誰が対決するの?」と全くわかりません。

しかし読み進めていくごとに、「これはとんでもない大作の予感」がプンプンしてきます。

おもしろくて、怖くて、不安で、でも先が気になって・・・、とうとう夜中の1:30までかかって読了しました。

久しぶりに傑作ミステリーとして、素晴らしい作品に出会えたことを喜んでいます。

もう一度、読み返してみると、伏線も散りばめられていて、その回収もしっかりなされています。

何よりも、ヒロインの友貴子が本当にピュアで、硝子細工のように繊細で透き通っていて、主人公の純一でなくても守ってあげたくなる存在です
それだけに数々の事件が悲しすぎて・・・ 犬も出てきますし、もう感情移入しまくりでしたね

それに対する、「絶対悪:ミキ」、そして「石割」の存在ですが、とても不安定で、何を考えているのか掴みづらい雰囲気が漂っています。それだけに恐怖感が増し増しになるんですが。

しかし、この二人のキャラ設定が少し浅くて、「何故そこまで悪になれるん?」と問いたくなります。もう少し二人の過去などを掘り下げてくれていれば、物語に深みと凄みが増したかと思うと少し残念です。

クライマックスの逃走劇は、少し強引な感じもしますし、結末も「んで、大丈夫なんかい?」と心配になりますが、小説の世界ですから、あまり細かいところは気にせず、二人の幸せを願いましょう。

読後感は爽やかとまではいきませんが、「面白い小説を読んだね」という充実感はあります!

★★★★4つです。
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娘からのプレゼント(^o^)

2018年01月25日 | 家族・友達
高三の長女が、年末にアルバイトに行って稼いできた『初任給』で、かわいいしおりを買ってきてくれました。

もちろん嫁さんと妹にも、それぞれ心のこもったプレゼントを買ってきてくれていました。

わが娘ながら、本当に良い娘です(^o^)

ちなみに、森見登美彦の『 夜行』は、現在読んでいる本なんですが、なかなかのホラーミステリーみたいです。
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ミステリー要素なし『教場』by長岡弘樹

2018年01月22日 | 小説レビュー
〜君には、警察学校を辞めてもらう。
この教官に睨まれたら、終わりだ。全部見抜かれる。
誰も逃げられない。前代未聞の警察小説!「BOOK」データベースより


ミステリー小説で、評判が高かったので借りてきました。

警察学校を舞台にした連作 短編集です。

警察学校で学ぶ、年齢も性格も様々なタイプの生徒達が、それぞれに小さな騒動を起こすのですが、些細なことも見逃さない神様のような「風間教官」によって、見事に治められていきます。

「警察官に憧れて・・・」なんていう甘い幻想を抱いて入学してきた若者に対して、「人の生命と財産を安守るということはどういうことか?」ということを一つ一つ丁寧に、時には脅しともとれる厳しい態度で生徒達を矯正していきます。

そしてクライマックスでは、「ベールに包まれた風間教官の真の姿が明らかに!?」と期待して読みましたが、期待はずれでした(-_-;)

ミステリーというくくりはいかがなものでしょうか?どちらかと言えば心温まる爽やかな学園ドラマですね。

世の中の警察官は、みんなこんなに厳しい学校生活を終えて卒業し、市民の安全を守ってくださってるのかと思うと、警察官を見る目が少し変わりましたね。

エンディングは爽やかで気持ち良かったですが、期待しすぎていたので、★は減りました。

★★★3つです。
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万華鏡ミステリー『丸太町ルヴォワール』by円居挽

2018年01月21日 | 小説レビュー
〜祖父殺しの嫌疑をかけられた御曹司、城坂論語。彼は事件当日、屋敷にルージュと名乗る謎の女がいたと証言するが、その痕跡はすべて消え失せていた。
そして開かれたのが古より京都で行われてきた私的裁判、双龍会。
艶やかな衣装と滑らかな答弁が、論語の真の目的と彼女の正体を徐々に浮かび上がらせていく。
「ミステリが読みたい!」新人賞国内部門第2位、「このミステリーがすごい!」国内部門第11位。「BOOK」データベースより


『丸太町ルヴォワール』というタイトルが示す通り、京都が舞台になっているミステリー小説です。

巻末の解説にも書いてある通り、どんでん返しというか、種明かしの内容については、それほどのインパクトはありません。

解説者曰く「この小説は万華鏡のようである・・・
」と。

筒を回すと、「クルクル、コロコロ、キラキラ〜」と、美しい模様を見せてくれるが、いざ蓋を開けて中身を見ると、ビーズや紙切れ、ビニールの切れ端などである。

中身自体にそれほどの魅力がある訳ではないが、それらを写し出し乱反射させる鏡にこそ、この物語の味があり、絶妙なエッセンスはを加えているともいえるでしょう。

さて、ストーリーですが、祖父殺害(死因自体は自然死として処理されているので、実際に罪に問われているわけではないが)の嫌疑をかけられた少年「城坂論語」が、京都に古くから伝わる『双龍会』といわれている、古式ゆかしい模擬裁判のようなもので、その疑いを晴らし、自身の思いを遂げることが出来るのか?という話です。

被告人に「城坂論語」、検事側に妖艶な美女「龍樹落花」を筆頭とした、龍樹家の撫子、大和。
弁護士側に、「額賀流」、その後輩の「御堂達也」が挑むという双龍会の「法廷闘争」が物語の大半を占めています。

アナグラムというか、名前のこじつけのような、ダジャレのような・・・、言葉遊びが過ぎて、ストーリーの本質を楽しむことが出来ませんし、何となく鼻につきますな(^o^;)

冒頭に書いた通り、仕掛けというか、タネ自体は、ある程度予想のつくオチでしたし、大したことはありません。

しかも、終盤にかけて、「二転三転、四転、五転、六転・・・」と、コロコロと目まぐるしく真相に近づいていく様は、本当に面倒くさいです(^_^;)

まぁしかし、エピローグでは、晴れやかに気持ちよく終わらせてくれたので、「まぁエエかなぁ?」という、何とも感想の述べにくい作品でした。

難しいところですが、
★★★3つです。
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京都チーム残念(T_T)2位

2018年01月15日 | スポーツ
毎年楽しみにしている『都道府県対抗女子駅伝』ですが、今年も「京都チーム、連覇へ万全の体制」との触れ込みだったんで、期待して見守りました。

しかしながら、直前の風邪なので、メンバー交代があり、序盤から苦しい展開でした。

それでも中盤から追い上げ、アンカー勝負に持ち込んだんですが、優勝チームの兵庫との1分以上の差を詰めることができず、惜しい2位でした。

しかし、ずっと並走していた京都の一山さんと、長崎チームのアンカーとは、最後のトラック勝負になり、抜きつ抜かれつのデッドヒートは、まさに意地と意地のぶつかり合いで見応え充分でした。

それにしても、長崎の4区区間新の広中さん、5区区間賞の森さんの走りは見事であり、特に広中さんの将来性には大いに期待できますよね!

いずれにしても、毎年毎年、中学生から実業団のトップ選手がタスキを繋ぐ女子駅伝は、本当に盛り上がります。

来年は現場に応援に行きますよ!
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やっぱり好きな世界観『ペンギンハイウェイ』by森見登美彦

2018年01月10日 | 小説レビュー
〜ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。
毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。
ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。
このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした―。
少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。「BOOK」データベースより


年末年始に色々ありすぎて・・・、小説も読みかけのまま止まっていました。

ようやく一昨日から再開して、とうとう読み終えました。

相変わらず、森見登美彦氏の作品は不思議な世界観で好きですね。

主人公の「アオヤマ君」の思考とか会話が、かなり面白くて楽しめます。

ストーリーとしてはSFなので、現実感は全くありませんが、それでも楽しめますよ。

★★★3つです。
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長らくご無沙汰しておりました。

2018年01月08日 | 家族・友達
「最近、ブログの更新がないなぁ〜」とか、「Shuから年賀状が届かへんかったなぁ〜」等々、ご心配をおかけしていたと思います。

実は、昨年の12月12日に突然、母が倒れて、しばらく入院をしておりましたが、12月29日に亡くなってしまいました。

最期は苦しむことなく、本当に眠るように息を引き取りました。

年の瀬の慌ただしい時期であり、12月31日の大晦日に喪主として告別式を執り行うという、とてもハードな年末でありました。

2018年が明けてからも、色々な手続き等でバタバタしており、ようやく落ち着きました。

これからも、春までは法要などで、色々と段取りをしていかなければならないことがあり、しばらくは悲しんでいる間もないと思います。

父が亡くなって11年が経ちましたが、母も亡くなってしまい、とても寂しくなります。

元気で気丈で、何でもテキパキと、こなす母でありました。

昨年の11月頃から、少し身体の不調を訴えていたのですが、「まぁ、それほどでもないやろう」と、あまり心配してませんでした。

「親孝行、したいときには親はなし」ということわざがありますが、まさにそんな思いです。

もっと色々な場面で労り、手助けをしてあげれば良かったと後悔してます。

天国で父や祖母達と仲良く暮らしていてくれることを願います。
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