〜九つの時に失明し、やがて琴曲の名手となった春琴。
美しく、音楽に秀で、しかし高慢で我が侭な春琴に、世話係として丁稚奉公の佐助があてがわれた。
どんなに折檻を受けても不気味なほど献身的に尽くす佐助は、やがて春琴と切っても切れない深い仲になっていく。
そんなある日、春琴が顔に熱湯を浴びせられるという事件が起こる。火傷を負った女を前にして佐助は―。
異常なまでの献身によって表現される、愛の倒錯の物語。
マゾヒズムを究極まで美麗に描いた著者の代表作。「BOOK」データベースより
とっても薄い小説なんですが、文字が小さく、昔言葉で、句読点も少なく、さらに難解な漢字が多くて・・・、読了するまで大変な時間を費やしました。
友人から薦められて、谷崎潤一郎氏の作品を初読したのですが、とても美しい日本語表現を使われます。
特にこの『春琴抄』では、美しい単語、表現、描写など、どこを切っても哀愁と刹那的な雰囲気が漂っています。
霞か靄がかかったような雰囲気で、中盤ぐらいまでは読むことに時間がかかりました。
読み進めるにつれて、段々と慣れてきて、事件後あたりから、春琴の心の氷が溶けていくように、最後の方には気持ちよくなっていました!今更ながら、これは名作ですね!
「マゾヒズムを究極まで美麗に描いた・・・」と、紹介されていますが、マゾヒズムというよりも、『究極の師弟愛』という感じですね。
ドロドロした感じはなく、むしろ佐助から春琴へ身も心も捧げた、潔癖で完全無比の愛し方です。
そして、二人が『同化』してからは、穏やかな陽だまりのような温もりさえ感じ、エンディングでは爽やかな木漏れ日を感じます。
まるで実話のように思える物語で、谷崎氏の筆力に感嘆しました。
また、心のゆとりがあるとき、春先の日当たりの良いカフェで、一人静かに読んでみたい作品ですね。
★★★☆3.5です。
美しく、音楽に秀で、しかし高慢で我が侭な春琴に、世話係として丁稚奉公の佐助があてがわれた。
どんなに折檻を受けても不気味なほど献身的に尽くす佐助は、やがて春琴と切っても切れない深い仲になっていく。
そんなある日、春琴が顔に熱湯を浴びせられるという事件が起こる。火傷を負った女を前にして佐助は―。
異常なまでの献身によって表現される、愛の倒錯の物語。
マゾヒズムを究極まで美麗に描いた著者の代表作。「BOOK」データベースより
とっても薄い小説なんですが、文字が小さく、昔言葉で、句読点も少なく、さらに難解な漢字が多くて・・・、読了するまで大変な時間を費やしました。
友人から薦められて、谷崎潤一郎氏の作品を初読したのですが、とても美しい日本語表現を使われます。
特にこの『春琴抄』では、美しい単語、表現、描写など、どこを切っても哀愁と刹那的な雰囲気が漂っています。
霞か靄がかかったような雰囲気で、中盤ぐらいまでは読むことに時間がかかりました。
読み進めるにつれて、段々と慣れてきて、事件後あたりから、春琴の心の氷が溶けていくように、最後の方には気持ちよくなっていました!今更ながら、これは名作ですね!
「マゾヒズムを究極まで美麗に描いた・・・」と、紹介されていますが、マゾヒズムというよりも、『究極の師弟愛』という感じですね。
ドロドロした感じはなく、むしろ佐助から春琴へ身も心も捧げた、潔癖で完全無比の愛し方です。
そして、二人が『同化』してからは、穏やかな陽だまりのような温もりさえ感じ、エンディングでは爽やかな木漏れ日を感じます。
まるで実話のように思える物語で、谷崎氏の筆力に感嘆しました。
また、心のゆとりがあるとき、春先の日当たりの良いカフェで、一人静かに読んでみたい作品ですね。
★★★☆3.5です。