「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

まぁ、アッサリと『みんないってしまう』by山本文緒

2017年11月25日 | 小説レビュー
~大人になるにつれ、時間はだんだん早くなる。
物事は思った以上に早いスピードで流され、手のうちからこぼれおちていく。
そんな時、大切な何かをひとつずつ失ってはいないだろうか?例えばそれは恋、信頼、友情だったり…。
そうして残されるのは自分だけ。喪失を越え、人はたったひとりの本当の自分に出会う。
希代のストーリーテラーが贈るかなしくも、いとおしい自分探しの物語。「BOOK」データベースより


関ヶ原の下巻が届いてたのに、休日出勤が重なり、取りに行けず(ToT)

仕方ないので、職場の図書館で、読みたかった『みんないってしまう』を借りてきました。

『恋愛中毒』の山本文緒さんの作品で、読みたかった本でした。

短編集で、比較的薄い厚さの本の中に、12編もの短編が納められています。

推して知るべしで、まぁ、サラサラと読めてしまうアッサリとした作品ばかりでした。

どれも最後は「んで、どうなっんやろ?」という形で終わります。

短編ゆえに仕方のないことですが、軽い落ちもついてたりして、それなりに楽しめます。

今の僕のような、時間つぶしで読むにはちょうど良い作品でした。

★★☆2.5です。

虹が出た(^o^)

2017年11月23日 | 雑感・日記的な
今日は、仕事で植物園に来ました。
時折、時雨たり、突風が吹いたりしたものの、気温も高めで、おだやかな日和でした。

帰りがけに虹がかかっており、皆さん一様にカメラを向けておられましたよ(^_^)

吉兆ですな(^^)d

いざ!『関ヶ原』

2017年11月16日 | 雑感・日記的な
図書館で、いろいろなジャンルの小説を借りては、貪り読んでいますが、一番困るのが、「上・中・下巻」などの長編ものですね。

しかも、司馬遼太郎の「関ヶ原(上・中・下巻)」は、今夏に映画が公開されて人気が再燃し、僕が『燃えよ剣』を読んですぐに、『関ヶ原』の予約をウエブ上で見たところ、すでに30人以上待ちやったんですね(-_-;)。んで、中巻が20数人、下巻も10数人待ちという状況でした(-_-;)

出来れば、間を空けずに、上・中・下巻を一気に読破したい訳ですよ。しかし図書館にはルールがあって、借りた日から2週間以内に返却せねばなりません。

さらに予約している本が図書館に届いたら7日以内に引き取りにいかなければ無効となり、また最後尾に並び直さなければなりません。

上巻の人数待ちが減っていくペースを確認しながら、上巻の待ち人数が、中巻の待ち人数を下回って、さらに少し進んだあたりで、中巻の予約を入れ、更に下巻の待ちの予約を入れました。

これが中々うまくハマりまして、予定より少し早く上巻が図書館に届いたんですが、ほどなくして中巻も届き、日曜日から僕の手元に、上巻と中巻があります。

昨夜、『欲望』を読み終えたので、いよいよ待望の『関ヶ原』ゾーンに入りました!

さすがは司馬遼太郎氏ですね!何も大きな展開はないのに、最初の数ページ読んだだけで、序盤からスゥーッと、物語に引き込まれていきます。

現在のところ、下巻が『確保待ち1位』のところにあるので、今週か来週には間違いなく届くでしょう。11月19日(日)が上巻の返却日なので、この週末で一気に読んで返却します。

さて、日本人なら誰でも知っていて、東軍・西軍合わせて20万近い兵力が激突した戦国最大の合戦であり、「その時歴史が動いた『関ヶ原の戦い』」が、司馬遼太郎氏の筆で、どのように描かれるのか?楽しみでなりません。これからしばらく、『関ヶ原ワールド』に、どっぷりハマりますよ。

美しく儚い恋愛物語『欲望』by小池真理子

2017年11月15日 | 小説レビュー
〜三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に、運命を手繰り寄せられた男女。
図書館司書の青田類子は、妻子ある男との肉欲だけの関係に溺れながら、かつての同級生である美しい青年・正巳に強くひかれてゆく。
しかし、二人が肉体の悦びを分かち合うことは決してなかった。正巳は性的不能者だったのだ。
切なくも凄絶な人びとの性、愛、そして死。小池文学が到達した究極の恋愛小説。「BOOK」データベースより


読み終えたあと、「はぁ〜〜〜〜っ」って、ため息がもれました(´ー`)=3

タイトルや表紙だけ見ると、安っぽい官能小説のような印象を受けますが、そうならないところが小池文学の素晴らしいところですね。

作中は、まさに『欲望』で埋め尽くされ、あらゆる描写に『欲望』が溢れ出ているんですが、キラキラとして、凛としていて・・・、オーロラのような、とても美しい内容です。

やっぱり小池真理子さんの書く文章や台詞、そして美しくも儚い描写、まさに刹那的な作品でした。

人をここまで深く深く愛し続けることが出来るもんでしょうか?やはり、小説の中だからこそなんでしょうねぇ。

決してハッピーエンドでもありませんが、ある意味では、ふんわりと緩やかにエンディングを迎えます。

あえて筆者はそのような描写を選んでいるんでしょうが、ヒロインの回顧録のように語られる場面が多く、「もしあの時に、この思いに気がついていれば、あんなことは起こらなかったであろうと思うと・・・」的な書かれ方が大事な場面で登場し、「あぁ〜、この人はこの後で・・・」と予測できるのが残念です。

もっと引っ張って、「ええっ!」となれば、ミステリー的で良かったのかも知れませんが、そこは読み手の好みですしね(^_^;)

こういう文章が『小池真理子イズム』なんでしょうし、これはこれで、僕は好きですよ。

とても深く美しい恋愛物語でした。

限りなく4つに近い
★★★☆3.5です。

伊坂節炸裂!『アイネクライネナハトムジーク』by伊坂幸太郎

2017年11月12日 | 小説レビュー
~ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。
奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。
情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ。「BOOK」データベースより


短編集なんですが、徐々にぐるっと繋がっていき、最後には全部繋がるという、伊坂ワールド満載のハートウォーミングストーリーです。

登場人物全員が、家族とか友だち、同僚、同級生という、何とも現実にはあり得ない物語なんですが、サラサラと読めてしまうのは、さすが伊坂幸太郎氏です。

そこかしこに、名言も散りばめられていて、心に響きます。

「自分が正しいと思いはじめてきたら、自分を心配しろ」、「相手の間違いを正す時こそ言葉を選べ」等々。

そして、物語の結構重要なところで「アントニオ猪木」が登場するんです。アントニオ猪木の生き方とか名言とか、色々残っていますが、中でも有名なのが、『道』ですよね。

「この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。
 危ぶめば道はなし。踏み出せばその一歩が道となり、
 その一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ。


なかなか良いことを言っておられます。僕の周りにも「アントニオ猪木」を心から尊敬している友だちが一人いますね

色んなジャンルの小説を読んでいますが、本を読み疲れた時には、手に取りたい一冊ですね。

★★★3つです。

ホッコリします『こうふくみどりの』by西加奈子

2017年11月11日 | 小説レビュー
〜「お前んち、いっつもええ匂いするのう。」そう言った転校生のコジマケンが気になる緑は、まだ初恋を知らない十四歳。
夫(おじいちゃん)が失踪中のおばあちゃん、妻子ある男性を愛し緑を出産したお母さん、バツイチ(予定)子持ちの藍ちゃん、藍ちゃんの愛娘、桃ちゃん。なぜかいつも人が集まる、女ばかりの辰巳一家。
そして、その辰巳家に縁のある、謎の女性棟田さん。それぞれの“女”が人知れず抱える、過去と生き様とは―。
二ヵ月連続リリース第一弾。大阪のとある街を舞台に、さまざまな形の“女のこうふく”を描いた、著者渾身の一作。「BOOK」データベースより


西加奈子さんは、何気ない日常の中の『小さな幸せ』に綺麗な色とか香りとかを付けて描くのが本当に上手ですね。

『漁港の肉子ちゃん』と、町田康の『告白』をミックスしたような、心温まる物語です。

女系親子三代と、猫、犬、そして近所の温かい人たちとの心の触れ合い、そしてほのかな愛に包まれた内容に、心がホッコリしました。

物語の中に、ある女性の独白が挟み込まれているんですが、「これは誰の過去のことやろう?」と思いながら読んでいたら、段々とわかってきます。

結局、おばあちゃんとお母さんと、棟田さんの独白がバラバラに登場するんですが、順番もバラバラなので、少しわかりづらかったですね。

関西弁に抵抗がなければ、物語にもスッと入っていけると思いますし、なかなかの良作でしたね。

姉妹本の『こうふくあかの』も予約済みなので、また合わせて感想を述べたいと思います。
★★★3つです。

読んで良かった!『13階段』by高野和明

2017年11月09日 | 小説レビュー
〜無実の死刑因を救い出せ。期限は3ヵ月、報酬は1000万円。
喧嘩で人を殺し仮釈放中の青年と、犯罪者の矯正に絶望した刑務官。
彼らに持ちかけられた仕事は、記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすことだった。
最大級の衝撃を放つデッド・リミット型サスペンス!第47回江戸川乱歩賞受賞作。「BOOK」データベースより


久々に読みごたえのあるミステリーでした!
高野和明氏の『ジェノサイド』は、今一つハマリませんでしたが、この『13階段』は良かったですね。

日本の死刑制度、「罪と罰」、犯罪加罪者、被害者、矯正施設に携わる方々、そして、それぞれの家族・親族の立場や心境等々、中々考えさせられる内容でした。

刑務所で働く刑務官の南郷と、業務上過失致死で殺人を犯して収監され、2年で仮釈放を受けた三上純一が、冤罪死刑囚である樹原亮を、死刑執行の時までに救い出すことが出来るのか?というサスペンスミステリーです。

キャラクターの設定や物語の展開が絶妙で、クライマックスでは二転、三転、四転の『どんでん返し』が用意されており、設定されていたタイムリミットと相まって、ハラハラドキドキの展開に興奮しましたよ。

さて皆さん、一度、罪を犯した者、特に殺人事件を起こした者は、真の意味で改悛・更正することが出来るのでしょうか?

今、世間を騒がせている、自称「首吊り士」による神奈川県座間市の9遺体事件ですが、白石容疑者は間違いなく死刑判決を受けることになると思います。

例えばこの犯人が刑務所(死刑確定囚は拘置所ですが)の中で自らの罪を悔い改め、被害者の冥福を心から祈り、遺族への謝罪をしたとしても、それは赦されないと思います。

文中には「『人の命を奪えば、死刑になる』ということがわかっているのに、殺人を犯す者は、当然死刑になるべきだ」とあります。

死刑制度に対して「是認・否認」の意見は、それぞれによって違ってくると思いますし、たとえ加害者が死刑に処されたとしても、被害者家族の痛み苦しみは無くなる訳ではないです。

かといって、死刑制度がなくなれば、最後の防波堤のようなものが無くなるとも思いますし、本当に難しい課題です。

それにしても、『13階段』というタイトルが秀逸ですね。

西洋では縁起の悪い数字といわれる『13』ですが、もともとは、最後の晩餐の出席者がキリストとユダを含めて13人だったことに由来しているんですって。

よって、絞殺刑の絞首台の階段は俗に十三階段といわれているのですが、これは西洋の刑場に多く、日本の絞首刑の台というか刑場は、床板が外れて半地下に落下する仕組みなので、階段はありません。

また、死刑執行には、「死刑執行起案書」というのがあり、5つの部署の計13名の決裁が必要です。(もちろん最終は法務大臣)また、死刑判決の言い渡しから執行までの手続きの数も13段階あるんですって。

いずれにしても、この絞首刑の最後のボタンを押す刑務官や、立ち会う官吏の方々の「苦悩」「苦悶」等という言葉では言い尽くせない、我々には想像を絶する業務を担っていただいている方にスポットをあてた筆者の着眼点と取材力、そしてその文章力に脱帽です。

今まで、『江戸川乱歩賞受賞作』を4作読みましたが、2良1悪だったので、これで3良1悪となりました。また機会があれば、「江戸川乱歩賞受賞作」を読んでみたくなりました。
★★★★4つです。

今一歩踏み込めず『恋愛中毒』by山本文緒

2017年11月07日 | 小説レビュー
〜もう神様にお願いするのはやめよう。
―どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。
哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。
人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。
世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。「BOOK」データベースより


前評判も高く、ずっと読みたかった作品です。しかも僕好みの『吉川英治文学新人賞』受賞作品ですからね(^^)d

んで、読み終えた感想ですが、「うーん・・・」と言う感じです。「グイグイ引っ張り込まれる」というよりは、スラスラと読めてしまいます。実際に1日半で読めました。

『恋愛中毒』というタイトルは、かなりインパクトがあるので、勝手に想像していた内容とは少し印象が違いました。

プロローグでは、編集プロダクションに勤める若手男性社員が、同じ職場の『謎の独身女性・水無月さん』に対して、別れたはずの女性からストーカー被害に遭っているという悩みを打ち明けるところから始まります。

しかし、話の途中から、「水無月さん」の離婚に纏わる独白と変わります。

この『謎の独身女性・水無月さん』は、凄まじい人生を過ごしてきたのですが、要約すると・・・、
「一人っ子→自分の気持ちを率直に表現できない子ども→両親は幼い頃から向き合ってくれず→特に母親は冷たかった→中学三年生の時に決定的な事件が起こる→心の中で何かが爆発する→その感情を両親に対してぶつけることが出来ず→屈折した思春期を過ごしてきた水無月美雨。」という思春期までの出来事。

そして、「大学生の時に初めて男性に優しくされる→恋に落ちる→愛しすぎる→やがてストーカー行為へと発展→ストーカー行為が究極に→また別の男性の優しさに触れる→今度はその男性と恋に落ちる→その男性とは結婚までいく→夫に献身的に尽くす→この人と穏やかな人生を過ごす・・・。」となればハッピーエンドなのですが・・・(-_-;)

しかし、その尽くし方も盲目的なものでして、「やがて夫の心は離れていく→夫は別の女性へと走る→感情が爆発する→浮気相手への執拗ないやがらせ→ストーカー行為→犯罪行為へと・・・。」

となって、美雨の人生の第一幕が降り、新たな気持ちで出直して、冒頭に書いた「〜もう神様にお願いするのはやめよう。―どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。」と願い目立たないように、ひっそりと暮らし始めます。

しかし、本編である、小説家「創路功二郎」との何気ない出会いから、また同じことを繰り返してしまいます。

ともすれば、覚せい剤や危険ドラッグのように、一度手を染めてしまえば、これを断とうと思っても、禁断症状が表れ、また再び手にしてしまう「麻薬中毒患者」。
これをただ直向きな恋愛、自分を受け入れてくれた人を盲目的に愛し、絶対的依存をしてしまうということに置き換えれば「恋愛中毒患者」と言えるのかも知れません。

「やめよう。もう人を愛することは・・・」と誓っても、「もしも、あの時に違う道を選んでいたら?」と、過去を振り返りながら、結局、同じ行為を繰り返してしまうという話です。

それにしても『恋愛小説の最高傑作』というのはどうでしょうかね(^_^;)?

いずれにしても、小説なんですから、愛情も憎しみも暴力も、もっともっとエスカレートして、突き抜けて欲しかったと思いますし、出てくる登場人物も全員好きになれませんし、もちろん共感も出来ません。

「読後感が爽やか~」とかレビューを書いている人もおられますが、僕は爽やかというよりも、「苦笑い」という感じですね(^_^;)。

しかしながら、文章は上手く、展開もおもしろく、読者を惹きつける引力はかなりのものがありました。
★★★☆3.5です。

負けて悔いなし!

2017年11月04日 | 家族・友達
今日は長女たちのチームが京都府ベスト8に進めるかという春高予選の大切な試合でした。

ここに残っているチームは京都府下のトップチームばかりで、強豪揃いです。

もちろん今日の対戦相手も強豪校で、試合前の公式練習を見ていても、「これは強い( ; ゜Д゜)」と率直に認める攻撃力でした(^_^;)

試合の序盤こそ競っていたんですが、徐々に力の差が出て、1セット目は完敗でした。

しかし、2セット目は、長女たちのチームの持ち味を十分に発揮して、「もしかしたら取れるかも?」と思わせてくれました(^_^)

結局最後には突き放されてしまい、負けてしまいましたが、悔いの残る負け方ではなく、力を出し切っての完敗なので、ある意味ではスッキリとしましたね。

今日まで、ものすごいプレッシャーと闘ってきた長女の頑張りに拍手と労いを送りたいと思います。