~僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。
昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。
死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。「BOOK」データベースより
『流星ワゴン』、『とんび』に続いて、3作目の重松清作品です。僕は大体いつもレビューや先入観なく読み始めるので、短編なのか長編なのかわからず、とりあえず第一章を読み終えて、第二章に入った時に「短編やった・・・(-_-;)」とガッカリすることもしばしば。
果たして、本作も「短編集」でして、ガッカリの作品なんですが、一つ一つの物語が、『命』をテーマにして、「余命いくばくもない人」、「それを受け止める家族や友人」という構成で全ての物語が語られています。
しかし、短編集かと思って、読み進めていくと「ん?これは登場人物がクロスオーバーするんちゃうの?」と思わせる描写があり、やはり最後のほうで、全ての物語が繋がっていきます。
切なくも苦しい盛り上がりや、悲しい描写が沢山出てきますが、涙がこぼれるところまではいきませんでした。
作者のあとがきを読んで「なるほどね」と思ったことは、本来は全く別々の作品であったが、文庫化にあたり、筆者が手を加えて、このような形になったようです。
そして、筆者は語ります、「生きること」と「死ぬこと」、「のこされること」と「歩き出すこと」を、まっすぐに描いてみたかったと。
とても心温まるお話ですし、考えさせられることも沢山ありました。
告知を受けた人のセリフに、「だから・・・においとか、色とか、音とか、肌ざわりとか、そういうのがすごく敏感になってるの。なんかカッコつけて言うと、みずみずしよーって感じなのよ。世の中のぜんぶが」と。
当たり前の日常に感謝することなく過ごしている自分、五体満足で健康に毎日を過ごしている自分、思いやりのない言葉を吐いたり、思いやってくれている人に対して失礼な態度をとったりしている自分。。。
こういう本を読むことによって、少しでも心の垢が剥がれ落ちて、真っ当な人間になれたらいいなと思います。
★★★3つです。
昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。
死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。「BOOK」データベースより
『流星ワゴン』、『とんび』に続いて、3作目の重松清作品です。僕は大体いつもレビューや先入観なく読み始めるので、短編なのか長編なのかわからず、とりあえず第一章を読み終えて、第二章に入った時に「短編やった・・・(-_-;)」とガッカリすることもしばしば。
果たして、本作も「短編集」でして、ガッカリの作品なんですが、一つ一つの物語が、『命』をテーマにして、「余命いくばくもない人」、「それを受け止める家族や友人」という構成で全ての物語が語られています。
しかし、短編集かと思って、読み進めていくと「ん?これは登場人物がクロスオーバーするんちゃうの?」と思わせる描写があり、やはり最後のほうで、全ての物語が繋がっていきます。
切なくも苦しい盛り上がりや、悲しい描写が沢山出てきますが、涙がこぼれるところまではいきませんでした。
作者のあとがきを読んで「なるほどね」と思ったことは、本来は全く別々の作品であったが、文庫化にあたり、筆者が手を加えて、このような形になったようです。
そして、筆者は語ります、「生きること」と「死ぬこと」、「のこされること」と「歩き出すこと」を、まっすぐに描いてみたかったと。
とても心温まるお話ですし、考えさせられることも沢山ありました。
告知を受けた人のセリフに、「だから・・・においとか、色とか、音とか、肌ざわりとか、そういうのがすごく敏感になってるの。なんかカッコつけて言うと、みずみずしよーって感じなのよ。世の中のぜんぶが」と。
当たり前の日常に感謝することなく過ごしている自分、五体満足で健康に毎日を過ごしている自分、思いやりのない言葉を吐いたり、思いやってくれている人に対して失礼な態度をとったりしている自分。。。
こういう本を読むことによって、少しでも心の垢が剥がれ落ちて、真っ当な人間になれたらいいなと思います。
★★★3つです。