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ちゅう~と半端な小説『鬼畜の家』by深木章子

2019年07月13日 | 小説レビュー


~我が家の鬼畜は、母でした―保険金目当てで次々と家族に手をかけた母親。
巧妙な殺人計画、殺人教唆、資産収奪…唯一生き残った末娘の口から、信じがたい「鬼畜の家」の実態が明らかにされる。
人間の恐るべき欲望、驚愕の真相!第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞、衝撃のデビュー作。「BOOK」データベースより


『鬼畜の家』というタイトルから、とてもおどろおどろしい雰囲気を想像しますが、中身はいたってソフトです。小説なんやから、もっと「ガーンっ!」とくる鬼畜ぶりが描かれているのかと思っていましたよ。少し拍子抜けでした。

作者の経歴は・・・、

「1947年東京生まれ。東京大学法学部卒業。元弁護士。60歳を機に執筆活動を開始、2010年に「鬼畜の家」で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。」
とのこと。
本作がデビュー作品なんですね。

さて、物語ですが、湊かなえ方式で、私立探偵『榊原』が、事件の関係者に対して順番に話を聞いていくという書き方です。

しかしながら、この文章自体が稚拙で、セリフも軽いし、なんとも気持ちが乗らないままページを捲りました。そして、大どんでん返しからの、犯人の独白でエンディングとなるのですが・・・。

全ての展開がイマイチで深みもなく、色んなところに「?」がつきます。
殺人という重大な犯罪に至るまでの心理描写や殺意の燃え上がり、そして殺害方法、その後の捜査の杜撰さ、保険金のエエ加減さ、トリックの種明かし等々、どれも中途半端なこじ付けでしたね。

前評判が高かったので、図書館で借りてきましたが、完全に空振りでした。

★★☆2.5です。

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