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なかなか心に響きます。『GO』by金城 一紀

2021年11月11日 | 小説レビュー

『GO』by金城 一紀 

~広い世界を見るんだ―。僕は“在日朝鮮人”から“在日韓国人”に国籍を変え、民族学校ではなく都内の男子高に入学した。小さな円から脱け出て、『広い世界』へと飛び込む選択をしたのだ。でも、それはなかなか厳しい選択でもあったのだが。ある日、友人の誕生パーティーで一人の女の子と出会った。彼女はとても可愛かった―。感動の青春恋愛小説、待望の新装完全版登場!第123回直木賞受賞作。「BOOK」データベースより

 

評判が高い作品だったので図書館で借りました。後から気付いたら、直木賞受賞作品であり、行定勲監督で映画化されており、主人公の杉原を窪塚洋介、彼女役の桜井を柴咲コウ, 母親の道子役が大竹しのぶ、ボクサー上がりの父親を山崎努らが出演する映画にもなっていました。映画の評価も高いんですね、観てみたいですが、全く知りませんでした

中国的思想作品を読んだ後に、在日朝鮮人や在日韓国人が出てくる作品を読むのも、なかなか興味深かったですね。全く違う角度から国家とか民族とかを見つめ直す良い機会になりました。

さて、ストーリーですが、大方の予想通り、国籍によって差別を受けている少年が、その運命や宿命に抗って強くたくましく生き抜いていくという内容です。

杉原と桜井がお互いに惹かれ合って、エエ感じになっていくところは心地いいですし、同胞である友達や家族との交わりも熱いものがあります。

読後感は爽やかですし、あらためて国籍や婚姻などについて考えさせられる作品です。

★★★☆3.5です。


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