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「ハルキテイスト」満載の作品『騎士団長殺し 上・下巻』by村上春樹

2019年05月17日 | 小説レビュー
『騎士団長殺し 上・下巻』by村上春樹

~その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。
夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降っていたが、谷の外側はだいたい晴れていた…。
それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕れるまでは。「BOOK」データベースより


久しぶりの村上春樹です。『海辺のカフカ 上・下』以来(2006年読)なので、10年以上ぶりです(^_^;)

うん、なかなか面白かったですよ!スラスラと読めましたし、登場人物も個性的で興味深い面々で、ストーリーもわかりやすかったです。
騎士団長のキャラが中々良かったですし、表情や仕草が手に取るようにわかる描写で見事な筆力ですね。

上下巻に分かれていて、どちらかといえば、上巻の方が好きです。どうしても下巻になってくると、「どういうエンディングなんや?うん?」と期待しながら読みますので、その期待が大きすぎると、どうしても尻すぼみ感が出てきて辛いんですよね

村上春樹氏の小説らしく、どこか摩訶不思議なファンタジー要素と、こちらも良く出てくる「クラシック好き、料理上手、きれい好き、映画も小説も好き・・・etc」というパターン通りの主人公と、少し影のある謎めいたヒロイン像など、「ハルキテイスト」は存分に発揮されており、なかなか頑張ってくれた方だと思いますが、「素晴らしい!」と拍手を送るほどではありませんでした。

★★★3つです。


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