日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザ。その阿岐本組長が、兄弟分の組から倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。
舞い上がる組長に半ば呆れながら問題の梅之木書房に出向く日村。そこにはひと癖もふた癖もある編集者たちが。
マル暴の刑事も絡んで、トラブルに次ぐトラブル。頭を抱える日村と梅之木書房の運命は?「任侠」シリーズ第一弾(『とせい』を改題)。「BOOK」データベースより)
で書いた、今野敏の『任侠〇〇』シリーズ二作目です。
そもそも、この『任侠書房』が、シリーズの一作目らしく、『任侠学園』、『任侠病院』、『任侠浴場』、『任侠シネマ』と続いているようです
いずれも、真っ当な?ヤクザである「阿岐本組」の面々が大活躍する、経営の立て直しが世直しに繋がっていくという痛快なストーリーです。
今野敏氏の代表作『隠蔽捜査』シリーズのような、ヒリつくような緊張感は全くありませんし、読んでいて「軽いなぁ~」と思う小説です。
しかしながら、そこは今野敏氏ですので、しっかりとメッセージ性も強く出ていますし、経営を再建していくアイデアや、阿岐本組長を中心とする日村や若手組員たちの仕事ぶり、忠節ぶりが、とても小気味良いです。
任侠団体が主人公ですが、登場人物の節度ある行動や言動を見るにつけ、これから社会に出る若者たちにも読んでもらいたい作品ですね。
★★★3つです。
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