まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

卓球女子シングルス金メダルの陳夢は黄暁明の親戚だった

2021-08-01 12:38:04 | オリンピック
7月29日、東京オリンピックの卓球女子シングルスで、中国の陳夢(チンム、チェンムン、Chen Meng)選手が金メダルを獲得。



日本は、伊藤美誠(いとうみま)選手の銅メダルで沸いていたので、陳夢選手の金メダルはそれほど話題にはなりませんでした。

たまたま7月30日のシンガポールの新聞(The Straits Times)を見ていたら、こんな記事が出ていました。



卓球選手を英語では“Paddler”というのですね。「卓球選手の陳夢は俳優のホァン・シャオミン(黄暁明)のいとこ」という見出し。え、そうだったの?と思って記事をよく見ると、お互いの祖母が姉妹で、陳夢選手とホァン・シャオミンは、“second cousin”であると書いてあります。日本では「またいとこ」あるいは「はとこ」という関係になるんですね。



ホァン・シャオミンは1977年11月13日山東省青島(ちんたお)市で生まれた中国の俳優です。「ラスト上海(大上海)」や「新上海グランド」など数々の映画やドラマに出演している俳優ですが、2015年10月8日にアンジェラ・ベイビーと結婚して話題となりました。



上海で行われたその結婚式は総額38億円とも言われ、その豪華さは数々のメディアで話題になりました。



アンジェラ・ベイビーは、上海生まれですが、子供の頃、香港に移住。モデルとして一躍世界的に有名になり、「アジア一の美しさ」、「なりたい顔No.1」として話題になっています。

卓球の陳夢選手は、1994年1月15日生まれで、同じ青島市の出身なので、17才くらいの差があるのですが、「ホァン・シャオミンの妹」と呼ばれていたそうです。

またこの新聞記事によれば、俳優のAllen Renも以前、山東省の卓球チームで陳夢選手のチームメートだったようだとも書かれています。Allen Renは怪我をした後、卓球を辞め、芸能の道に進んだのだそうです。

陳夢選手は、中国卓球界のトップに君臨してきたのですが、中国は卓球では強い選手がひしめいているので、順風満帆ではなかったようです。金メダル獲得選手もいろんなドラマがあるんですね。しかし、こんな親戚関係というのもすごいですね。
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カヌーのスラローム女子カナディアンシングルで金メダルを獲ったジェシカ・フォックス

2021-07-31 18:07:17 | オリンピック
現在開催されている東京オリンピックは、いろんな競技種目があり、各国の選手がそれぞれの夢を叶えようと集まってきています。日本でテレビ放送されているのはほんの一部で、日本選手が活躍しそうにない種目、視聴率が取れそうにない種目は放送もされないし、新聞とかで報道されることもありません。

しかし、日本のマスコミでは報道されない選手にも、いろんなドラマがあり、そういうのを少しでも知ってほしいと思ったりします。もちろん、自分の情報源は限界があり、そんなにいろんな話を知っているわけではないのですが、たまたま自分が知ったことを中心にご紹介していきたいと思います。

7月29日カヌー・スラローム女子カナディアンシングルで、オーストラリアのジェシカ・フォックスが金メダルを獲りました。まずはこの方に関してのお話です。

実は、2016年に仕事でオーストラリアのシドニーに行ったのですが、その時、ジェシカ・フォックスに会っていたのです。たまたま撮影の仕事で、オーストラリアのスポーツフォトグラファーに仕事を依頼したのですが、彼が手配した被写体の一つがカヌーのスラロームでした。

その時まで、カヌーに関しては全く何も知らなかったのですが、カヌーには、スプリントとスラロームという種類があり、それぞれがカヤックとカナディアンという種類があります。カヌーに関しての詳細は、こちらの動画にわかりやすくまとまっているので、こちらをご覧ください。

https://2020.yahoo.co.jp/video/player/2333856

シドニーの西の郊外にペンリス(Penrith)という町があり、そこにPenrith Whitewater Stadiumというカヌーのスラロームの競技設備がありました。



2000年のシドニーオリンピックの時に作られた設備なのですが、それがオリンピック以降、カヌーの練習設備として活用されてきていたのです。



カヌーのスラローム用の設備をその時初めて見たのですが、広大な敷地の中に人工的に作られたものでありながら、激しい渓流を作り出すテクノロジーに驚きました。長さは320メートルくらい、高低差が5.5メートルの渓流が見事に作られています。一般の人も利用できるようですし、ラフティングなどもできるのですが、オーストラリアのカヌー選手はここを練習の拠点にしていたのです。

ちなみにこちらが今回の東京のスラローム設備。オーストラリアに比べると、ちょっと窮屈な感じはしてしまいますね。



カヌーのスラロームの撮影モデルとして、そこにやってきたのは、ノエミー・フォックス(Noemie Fox)というまだ十代の少女でした。今回の東京オリンピックで金メダルを獲ることになるジェシカ・フォックスの妹でした。



ノエミー一人のためだけに、水流がセットされ、何度もスラロームを行いました。間近で見ていたのですが、激しい水しぶきの中を鮮やかに漕いでいくノエミーの姿に感動しました。

途中、クラブハウスでお茶を飲みながら休憩していると、そこに通りかかったのが、ジェシカ・フォックスでした。当時21才でした。その時はすでに、ロンドンオリンピック(2012年)で銀メダルを獲っていて、その年に開催されるリオでも銅メダルを獲ることになる有名アスリートだったのです。

その時はそんなすごい人だとは知りませんでした。ジェシカ・フォックスは1994年の6月11日にフランスのマルセイユで生まれます。父親のリチャード(Richard)は英国人、母親のミリアム(Myriam)はフランス人で、二人ともカヌー選手でした。母親は1996年にフランス代表として銅メダルを獲っています。父親は国際カヌー連盟の2代目のバイスプレジデントで、オーストラリアのカヌーの強化マネージャーを務めています。

そんなカヌー選手一家に生まれ、スラローム施設のすぐそばのペンリス市内に住み、こんな恵まれた設備で思う存分練習できるのでは、メダルを取れて当然だという気がします。

2016年に訪れた時、シドニーオリンピックから16年も経っていたのですが、このカヌー・スラローム設備をはじめ、競技場が素晴らしい状態で維持されていて、市民やアスリートが練習できるようになっているという話を聞いて、さすがだなと思いました。

7月30日のシンガポールの新聞に出ていた記事がこちらです。この日は、卓球のユ・メンユが三位決定戦で負けてメダルを撮れず、前回リオで金メダルを獲った水泳バタフライのジョセフ・スクーリングが敗退したというニュースが大きく扱われていたのですが、そんな中に出ていたのがこのジェシカ・フォックスの金メダルの記事でした。



ちなみにこの記事のヘッドラインのFOX OUTFOXES SLALOM TO WINという意味なのですが、「フォックスが過去の自分に勝りスラロームに勝利」というような意味になります。“outfox”という動詞は、「自分を出し抜く」とか「一枚上手」という意味なのですが、名前が”Fox”なので、この単語を使ったものと思われます。7月27日に行われたカヌー・スラロームの女子カヤックシングルでは、予選ではトップだったジェシカ・フォックスは銅メダルに終わっていたので、カナディアンで獲得した金メダルでリベンジを果たしたということを意味しているのだと思います。

こちらのサイトに、彼女の動画が紹介されていますが、トレーニングの様子、母親がコーチであり、アトランタで銅メダルを獲ったこと、また犬が好きということなど紹介されています。

https://olympics.com/ja/featured-news/olympic-canoe-slalom-tokyo-2020-games-2021-five-things-preview

調べてみたら、カヌー・スラローム女子カナディアンシングルが種目として採用されたのは今回の東京オリンピックが初だったのですね。それまではこの種目は男子しかありませんでした。あまり注目されていないことですが、女子種目が増えて、ジェンダーの平等を進めていることは素晴らしいと思います。
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オリンピック開会式で流れたスーザン・ボイルの「翼をください」英語版

2021-07-29 19:21:16 | オリンピック
東京オリンピック開会式で、ピクトグラムの実演が世界的な話題になりましたが、その直前に上空から紙でできた鳩が舞い降りてくるという演出がありました。バッハ会長の演説に続いて、天皇陛下の開会宣言、そしてオリンピック旗の掲揚の後のことです。

一瞬の静寂があり、青っぽい照明の中で響いてきたのは、スーザン・ボイルが歌う“Wings To Fly”の曲。一瞬我が耳を疑いました。すごい!この曲がここで使われるとは!天空から聞こえてくる澄み切った歌声。それは紛れもなくあのスーザン・ボイル。そして、上空を舞う無数の紙の鳩。私にとっては、この開会式の演出の中で最も甘美なる一瞬でした。歌声はほんのワンフレーズだけだったので、もっと長く続けて欲しかったと思いました。



実は、私は昨年2020年の1月22日に、シンガポールで自分の会社を登記したのですが、その会社名がWings2Fly Pte. Ltd. (ウィングズ・トゥー・フライ・プライベート・リミテッド)で、自分の中でのテーマ曲が、スーザン・ボイルの“Wings To Fly”だったのです。

コロナ感染が世界に拡大する直前のことで、まさか世界がこんな状況になるなどとは思ってもみなかったのですが、大学を卒業してから約40年お世話になった広告代理店を退職し、シンガポールで再びチャレンジしてみようと思いました。遠く離れた異国の市場に、クライアントの願いを届けるための翼に自分自身がなりたいということで、この名前を社名としたのです。

クライアント自身が、わざわざ移動しなくても、私が代わりに翼となり、目指す市場で広告活動の実施をお手伝いしますよというメッセージでした。そして自分に与えた役職が、Chief Navigation Officerというものでした。水先案内人のようなイメージでした。

このようなことを考えながら、検索をしていたら、スーザン・ボイルの“Wings To Fly”に出会ったのです。もちろんこの曲のオリジナルがフォークグループ、赤い鳥の「翼をください」というのは知っていました。こちらが、スーザン・ボイルの“Wings To Fly”の動画です。



若い人はスーザン・ボイルと言ってもご存知ない方も多いかもしれません。ちょっと説明しておきますが、スコットランドで1961年に生まれています(おっと自分より年下でした!)2009年4月11日に放送されたイギリスの素人オーディション番組の「ブリテンズ・ゴット・タレント」に出演し、見かけは田舎のおばさんのような風采なのに、レミゼラブルの「夢破れて」を見事に歌い上げたことで世界中の話題をさらいました。こちらがその時の動画です。



一昔前の出来事ですが、何度見ても感動します。無名の女性が、その才能を世界に認めさせた瞬間です。東京オリンピックの開会式で一瞬流れた曲は、この人が歌っていたのです。

東京オリンピックの開会式にスーザン・ボイルの曲が使われたというニュースは英国のマスメディアで話題になりました。こちらのサイトには、実際のオリンピックの開会式のシーンの動画も引用されています。

https://www.classicfm.com/artists/susan-boyle/unexpected-olympics-wings-to-fly-stole-show/

また、上の記事にも出てきますが、スーザン・ボイルも自身のツイッターで、この“Wings To Fly”の楽曲の使用許可を東京オリンピック委員会から打診された際の喜びを表明しています。



こちらが最近のスーザン・ボイルの写真ですが、随分垢抜けてしまいましたね。



オリジナルは「翼をください」という日本の曲です。もともとはフォークグループの「赤い鳥」が1971年に「竹田の子守唄」のB面曲として発表。作詞は山上路夫さん、作曲および編曲は村井邦彦さんですが、1970年に三重県志摩市の「合歓の郷」(ねむのさと)で開催された「合歓ポピュラーフェスティバル」のために作られた曲です。



私が高校生の頃は、フォークブーム全盛期で、「翼をください」はあちこちで歌われていました。その後、いろんなミュージシャンにカバーされました。1998年サッカーの日本代表がフランス大会を目指す時のテーマソングにもなっていたんですね。こちらの映像も懐かしいです。



フランス大会出場を決めたのは、マレーシアのジョホールバルで行われた試合だったのですが、その時シンガポールにいた私は、この試合を見に行ったのを思い出しました。

その時のことを書いたブログ記事はこちらです。

https://blog.goo.ne.jp/singaporesling55/e/4b37834b72835508d4ea14a6e22e2d7a

この「翼をください」の曲は、劇場版エヴァンゲリヲンにも使われていました。空から降ってくる破片は、開会式の時の鳩のようでもありますね。開会式を演出をした人はこれを意識していたのでしょうか。



この曲はいろんなところで使われていたんですね。オリンピックの開会式の中の一瞬の出来事でしたが、この機会に記録しておかないと記事にするチャンスを逸してしまうと思いましたのでここにまとめてみました。

よろしければ、私の会社のWings2Flyのフェイスブックにもお立ち寄りください。

https://www.facebook.com/wings2fly.co
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オリンピック関係者よ、バッハ会長の演説に学べ!

2021-07-24 19:11:21 | オリンピック

2021年7月23日の東京オリンピックの開会式。直前まで、いろいろとゴタゴタがあり、どうなることかと心配しておりましたが、開会式の映像を見て、感動しました。オリンピック開催にはどちらかと言うと反対でしたが、困難を乗り越え東京に集まった世界各国のアスリートの嬉しそうな笑顔を見ていたら、実現できてよかったと思いました。どんなに非難を受けようが、諦めなかった関係者の皆さんに賛辞を送りたいと思います。また、これに関わったボランティアの皆さん、ありがとうございました。

開会式に関しては、よかったところもあり、悪かったところもあり、いろいろと書きたいところではありますが、話を広げすぎると結局論点がボケてしまうので、一つのことだけに絞って書きたいと思います。

それは、アナウンスで何度も登場した、“Ladies and gentlemen”という呼びかけでした。オリンピックでは伝統的にフランス語と英語が使われますが、フランス語で、“Mesdames et messieurs”と言った後に、“Ladies and gentlemen”が来るというのが慣例でした。

前に「ノンバイナリー」の時代の英語表現に関して、触れたのですが、ダイバーシティやインクルージョンが重要なオリンピックやパラリンピックでは、“Ladies and gentlemen”はもう使われないのではないか、それをするとしたらこの東京2020が非常によいタイミングだと思っていました。しかし、残念ながら、それは実現しませんでした。



日本の国歌を歌ったMISIAさんの虹色の衣装は明らかにLGBTの「レインボーフラッグ」を連想させるものでした。今回のオリンピック・パラリンピックは「多様性と調和」がテーマになっていて、性的少数者(LGBT)だと公表した史上最多の選手が出場しているのだそうです。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/118827

このような時代にあって、“Ladies and gentlemen”という言葉を世界中に発してしまった東京オリンピックは、世界中から冷ややかな目で見られてしまうのが残念です。せっかく困難な状況を乗り越えて実現されたオリンピックという伝説ができつつある中で、このような汚点を残してしまうのを悲しく思います。誰かアドバイスできなかったのでしょうか。

2020年10月1日から、JALが空港や機内のアナウンスで“Ladies and Gentlemen”という表現を止めるというのがニュースになりました。東京ディズニーランドとシーの園内アナウンスも、2021年3月18日から“Ladies and Gentlemen, Boys and Girls”長年使っていた表現を取りやめ、「Hello Everyone」など性別を特定しない文言に変更し、性的マイノリティーの来園者などにも配慮した表現にしています。欧米では、すでに数年前から、公共交通機関で“Ladies and Gentlemen”という表現は廃止しているところも多いと聞いています。

今回の開会式で、バッハ会長の演説が長すぎたと非難を浴びていますが、バッハ会長の演説の出だしは、伝統を踏まえた上で、LGBTにも配慮した素晴らしいものでした。彼は、こんな感じでスピーチを始めます。

“Your majesty, the Emperor, dear athletes, dear Prime Minister Suga Yoshihide, dear governor Koike Yuriko, dear president of the organizing committee and fellow Olympian, Hashimoto Seiko, your excellencies, dear Olympic friends, welcome to the Olympic Games Tokyo 2020.”

天皇陛下、管首相、小池都知事、橋本オリンピック委員会会長など、列席されている方々の名前を並べるのは、英語のスピーチの定型ですが、最後に“your excellencies”ときたら、“ladies and gentlemen”と来るのが通例でした。それをバッハ会長は、“dear Olympic friends”と繋げます。

これは素晴らしいと思いました。“dear friends”というと、バッハ会長のことを快く思っていない人たちは、「あなたに友達と呼ばれる筋合いはないよ」と思ってしまいます。最近はバッハ会長のことを非難する人も多くいましたので、こう思う人は相当数いたと思われます。

ところが“dear Olympic friends”と言えば、バッハ会長の友達でなくとも、オリンピックを通して繋がっている全ての人というような意味になります。参加しているアスリートもそうだし、関係者やボランティアの人もそう、そして世界中でテレビを視聴してオリンピックや自国の選手を応援しているすべての人々が含まれます。

バッハ会長のスピーチのこの部分に着目している人はあまりいないと思うので、これは自分で解説しないといけないと思いました。バッハ会長のスピーチはちょっと長すぎたかもしれません。しかし、この導入の部分だけとっても、バッハ会長が“Ladies and gentlemen”を使わずに、オリンピック精神に則り、性的少数者にも配慮したという姿勢にスタンディングオベーションをしたいと思います。

オリンピック委員会の皆さん、この後、続く閉会式や、パラリンピック関係者の皆さん、まだ時間はありますので、この件、一刻も早く議論していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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サヨナラ、夢の東京オリンピック

2013-05-04 11:18:25 | オリンピック

猪瀬都知事のNYタイムズ取材での不適切発言が
波紋を呼んでいます。IOCが倫理規定で禁止
している他都市の批判、他都市との比較を展開
し、またイスラムの宗教問題にも踏み込んだ
コメントをしてしまいました。それが4月27日
付けのNYタイムズ紙に掲載されたのです。

こちらがその時の記事の原文。
In Promoting His City for 2020 Games, Tokyo’s Bid Chairman Tweaks Others

猪瀬都知事は「競技者にとって一番いい場所
はどこか。インフラも整っていない、洗練され
た設備もないほかの国と比べてみてください」
として、東京の優位を強調しました。また、
「イスラム諸国は共有しているのはアラーだけ
で、互いにけんかばかりしている。また階級の
問題もある」とも述べたことが致命傷でした。

29日には猪瀬都知事はツイッターとフェイス
ブックで、「インタビューの文脈と異なる
記事が出たことは非常に残念だ」また、
「真意が正しく伝わっていない」として、
NYタイムズ側に責任を転嫁したものの、
同紙はただちに「記事には完全な自信がある」
と反論。猪瀬知事は発言を訂正、謝罪しました。

4月30日に猪瀬都知事はフェイスブッック
で、次のように発言しています。

残念ながら、ご指摘の記事は他の立候補都市
について触れたごくわずかなコメントに焦点
があたり、私の真摯で広い意味での2020年
招致への想いは完全には反映されませんでした。
しかしながら、私は自分のコメントの一部が
不適切と認識される可能性があることを認め、
心よりお詫び申し上げたいと思います。


問題の箇所は英文では次のように表記されています。

Unfortunately, the article in question focused
on a small number of comments relating to
another bid city and therefore did not reflect
my sincere and wider thoughts on the 2020
bid campaign.


英文の中の"small number of comments"という
言葉は「ごくわずかなコメント」に対応している
のですが、あいつらはどうでもいいような言葉尻
をとっているだけという責任転嫁の雰囲気が
感じられ、トルコの人たちからしたらいい気が
しません。

IOCは事実関係の確認などを求め、東京側の
招致委は4月30日に竹田理事長名のメールで
「ルールの順守を約束する。知事は他都市に
言及し、IOCルールに抵触する可能性のある
不適切な表現が一部あったことを認め、
謝罪した」と説明。

これを受けて、IOCは1日、東京招致委員会
の説明を受け入れ、処分はしないとの回答を
送ったことを明らかにしました。IOCは
「ルールを守るよう念を押し、この問題は
終結すると東京に通知した」と説明しています。

一見、事件は収束したかに見えていますが、
猪瀬都知事の怒りは治まりません。5月1日
の自身のTwitterで次のように発言します。



「今回の件で誰が味方か敵か、よくわかっ
たのは収穫でした」とつぶやき、さらに波紋
を広げることになります。

そして二日の定例会見。



各社の記者が質問しているのですが、逆切れ
状態で、「だから、これから気をつけると言っ
てるでしょ」と謝罪の気持ちは皆無。また
過去のTwitterでの不適切なコメントを削除した
件に対しても、「知事になってからオリンピック
招致をやりだした。それ以前は関係ない」という
無責任発言。

こちらがその動画です。



一時間以上もあるのですが、この映像を見ると、
猪瀬都知事が謝罪しているのは、IOCに対して
ルール違反だったということのみで、トルコに
対して、イスラムに対しては全く申し訳ないと
言う態度を示していません。また、これで
オリンピック招致にとって大きなハンディー
となることで、迷惑を被ることになる招致
委員会に対しても、夢と税金を託していた
国民に対しても、全く謝罪をしていません。
そして、「世界史を語りあいたい」という
傲慢な態度。世界各国はそれぞれの歴史観を
持っているので、日本の歴史観を語っても
どこまで通じたかどうか...

質疑応答に関しては、猪瀬都知事の自身の
フェイスブックにも出ていますので、ご覧ください。

東京都知事 猪瀬直樹 の部屋

私は、かねてから東京のオリンピック招致
に対しては否定的だったのですが、これで
東京招致はさらに遠のいた感じがします。
ちなみに私のオリンピック関連のブログ記事
はこちらにまとめてあります。

スイスでオリンピックとの接近遭遇

フェイスブックに関する本も書かれている
熊坂仁美さんが、ブログで東京五輪招致の
英語サイトの問題を指摘されています。
マーケティングの分野で著名な著書の
デビット・ミーアマン・スコット氏が、
英語のサイトとしては最悪と指摘している
ことを紹介しています。

「ドラえもんが五輪誘致の特別大使」というセンスは国際的に通用するのか

ドラエもんをキャラクターとして使っている
ことに加えて、英語表記が画一的で全く機能
していないという指摘です。

私も、東京のオリンピック招致は、日本人の
ことしか考えていない気がしていました。
日本人の、日本人による、日本人のための
東京オリンピック。世界のアスリートは
それを盛り上げるための脇役としか考えて
いないような雰囲気。このような国際的
センスだと、今回のことがなくても、無理
だったんじゃないかと思います。

さて、こちらは、イスタンブールの招致サイト。



ISTANBUL 2020

スローガンの"BRIDGE TOGETHER"という言葉
に真摯なメッセージを感じます。東洋と西洋
を繋ぐ架け橋、宗教を超えて文化を繋ぐという
位置づけ。猪瀬知事に象徴される、日本こそが
優れているという時代錯誤の世界観。東京に
オリンピックを招致するという行為がとても
]恥知らずのことのように思えてきます。

トルコの招致ビデオを見て、オリンピックを
招致すべき都市は、東京ではないということが
よくわかります。



国民的支持とはこういうものだというのがよく
理解できると思います。猪瀬都知事には申し訳
ないですが、私は誇りを持って「敵」になりたい
と思います。

こちらもよろしくお願いいたします

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