まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

アジア8カ国の広告状況を調べてみて感じたこと

2020-12-30 17:33:39 | 広告

2020年はパンデミックで大変な年でした。広告業界や展示会業界も大きな打撃を受けます。1月にシンガポールで起業したばかりの私の会社も大変な状況でした。

そんななか、とある大手日系企業のアジア統括拠点の方から仕事の依頼が入ります。アジア各国への将来的なビジネス展開に備えて、各国のメディア状況を調べてレポートしてほしいとのこと。

アジア各国での広告ビジネス経験の長い私のもとには、媒体情報が蓄積されていましたし、ネットワークの繋がりもまだ切れずに存在していました。蓄積されていた情報は古くなっていたので、アップデートする必要はありました。

ここ数年、デジタル広告が急伸していて、従来のマス広告は影が薄くなっていたので、きちんと情報が集まるだろうかという不安はありました。しかし、情報収拾を初めてみると、力まかせではありましたが、すぐに情報が集まり、二ヶ月くらいで、8カ国のレポートが完成しました。

このトップ画像にある8カ国、つまり、シンガポール、台湾、バングラデシュ、ベトナム、フィリピン、タイ、インドネシア、インドの8カ国です。それぞれがパワーポイントで100ページ以上のレポートなのですが、各国の国の状況(人口、言語、人種、宗教等)や、直近の政治状況から始まって、広告費の推移、媒体別出向量の動向、新聞、テレビ、ラジオ、デジタルなど主要媒体の状況などをまとめました。

国によって状況は大きく違いますが、東南アジア、南アジアでは、従来メディアの広告がまだまだ強いというのをあらためて認識できました。中国、韓国、オーストラリア等では、デジタル広告が圧倒的なシェアとなっています。しかし、アジアでは、テレビや新聞、屋外広告などの従来メディアがまだまだ強い国が多いです。いずれの国もデジタル広告比率が徐々に増えているのですが、アジア各国においては、従来メディアはまだまだ重要度が高い状況が続いています。

もちろん、新聞社や、雑誌社、テレビ局なども、デジタル化を取り入れることで、媒体としての価値を維持しようと努力しています。活字離れや、テレビ離れは、どんどん進行はしているので、生存競争のために、従来メディアも既存の枠を超えて、自身を変革していかなければならないのです。

今回、様々な統計データや、調査データを入手した中で、面白いデータがありました。デジタル広告は、ターゲットを明確にできるし、効率的にメッセージを伝達でき、投資効果を数値化することが可能です。しかし、広告の信頼度という視点でみると、従来広告のほうが信頼度が高く、デジタル広告の信頼度は従来メディアに比べて若干劣るということがわかりました。これはアジアだけのトレンドではなく、ニールセンなど複数の調査がそれを示していました。アメリカでの調査も同様の結果が出ていました。使う媒体によって広告の信頼性が影響を受けるというのも面白いですよね。それをうまく利用するには?これに関しては、また詳しく取り上げてみたいと思います。

東南アジアや南アジアは、他の地域に比べて、従来メディアがまだまだ健在なのですが、ソーシャルメディア(SNS)に関してみると、世界でもトップクラスの地域となっています。こちらのグラフは、2020年7月時点のフェイスブックユーザー数の国別ランキングです。



単位は100万人ですが、1位はインド。3位にインドネシアが入り、6位がフィリピン、7位がベトナム、8位がタイ、10位がバングラデシュです。トップ10の中に、今回レポートでカバーした国が6つも入っているのが驚きです。また、SNSの1日の利用時間が一番長いのはフィリピンなのです。

こんなデータを見ていると、東南アジア、南アジアの国々のビジネスがどんどん拡大していくであろうことは明確です。インドネシアや、マレーシアではまだコロナの感染が続いていますが、東南アジアのいくつかの国で、感染はすでに収束しています。世界2位の累積感染者数のインドも、すでにピークアウトして、感染者数は減少傾向にあります。100万人あたりの感染者数でいくと、インドは12月に入って日本よりも少なくなっています。

100万人あたりの感染者数で日本がインドを抜いていた!

バングラデシュも100万人あたりの感染者数が11月に日本より少なくなっています。コロナが収束した後に、これらの国々は急速に経済がV字回復していくであろうことは予測できます。

今後、アジアにビジネスを拡大していこうと考えておられる皆さんの中で、アジアのメディア状況などを知っておきたい方がおられましたら、是非ご連絡を。媒体のアレンジなどもワンストップで可能です。アジアの成長を追い風にして、ビジネスを拡大していけたらいいなと思っております。よろしくお願いいたします。

2021年がみなさまにとりましてもよい年となりますよう、お祈りしております。
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