インドと言えば紅茶だと思ってしまいます。
たしかに紅茶の生産量も消費量もインドは
世界一なのですが、実はインドはコーヒー
もすごいんです。
コーヒー豆の産地と言えば、ブラジル、
コロンビア、ケニヤ、グアテマラ、ジャマ
イカ、エチオピアなどの国名が頭に浮かぶ
のですが、実は、コーヒー豆の生産量の
ランキングは、ブラジルが圧倒的にトップ
なのですが、二位はベトナム、三位はイン
ドネシア、四位はコロンビア、そして五位
がインド、エチオピア、メキシコなどです。
コーヒー豆の産地は、実は北回帰線と南回
帰線の間のコーヒーベルトと呼ばれる地域
に集中しています。気候の関係なんですね。
インドのコーヒーは実は紅茶よりも歴史が
古く、1670年にババブダンというイスラム
の巡礼者が、イエメンからカルナタカ州の
マイソールにコーヒー豆を持ち込んだのが
最初と言われています。カルナタカ州は、
ITで有名なバンガロールのある南部の州で
すが、インドでコーヒーが生産されている
のは、カルナタカ、ケララ、タミルナドゥ
などの南部の地域です。アラビカ種とロブ
スタ種のコーヒー豆が生産されているよう
です。
インドの南部の地域は、以前からコーヒー
が飲まれていたようなのですが、コーヒー
が注目を浴びてきたのは、Cafe Coffee Day
(CCD)というチェーン店の存在でしょう。
Amalgamated Bean Coffee Trading
Company Ltd. (ABCTCL)という会社が経営
しているのですが、実はこの会社、1万エー
カーという広大なコーヒー農園を所有して
いるんだそうです。
1996年の7月に、Cafe Coffee Dayの第1号
店がバンガロールのブリゲード・ロードに
オープンするのですが、ここからインドの
カフェ市場の急成長が始まります。Cafe
Coffee Dayだけで、1200以上の店舗展開を
しているのですが、インドのカフェ市場は
年30%のペースで成長が続いています。
インドでCafe Coffee Day以外は、バリスタ
や、コスタコーヒー、コーヒービーンなどが
展開しているのですが、スターバックスは
インド未進出。小売り業に対する投資規制と
原材料の現地調達規制などで、外資は不利
だったようです。スターバックスは、タタ
財閥関係の会社との合弁で、年内にインド
進出を計画しているのですが、はたして
Cafe Coffee Dayの前でどの程度の成果が
出せるのでしょうか?
Cafe Coffee Dayには、KKR(Kohlberg
Kravis Roberts & Co.)が2億米ドルを出資。
さらに高級アウトレットのCCD ラウンジを
展開し、スターバックスの参入に対して、
万全の体勢で対抗しようとしているようです。
こちらがCafe Coffee Dayのロゴ。
会話の吹き出しのような、あるいは人が
喋っているようなデザインですが、コーヒー
を超えて、コミュ二ケーションの場を提供
するというメッセージになっています。
スローガンは"A Lot Can Happen Over Coffee"
(実に多くのことがコーヒーから生じるかも)。
インドでコーヒーショップが流行だした
きっかけは、インドのIT化とともに、シリ
コンバレーなどからの外国帰りの若者が
増えたこと。元々コーヒーの文化のあった
バンガロールで、それがCafe Coffee Day
という形になって広がったのですね。
さらに台頭するインドの若者世代と、フェ
イスブックなどのSNSの普及。無料WiFiなど
がカフェでのSNS利用をさらにサポートしま
す。こういう理由で、Cafe Coffee Dayは
インドの若者文化の中核的存在となりつつ
あります。
Cafe Coffee Dayのフェイスブックは、今年
の4月末現在、ファン数は約178万6千で
インドで第12位。Tシャツやカップなどの
グッズ展開にも力を入れています。
さらに面白いのは、Cafe Coffee Dayの
CCD Lettersというオンライン企画。
一般人が、カフェから、個人的な恋の思い
出などを手紙の形でウェブサイトに送ると
いうもの。「ジュリエットへの手紙」みた
いな感じなんですが、失恋の話あり、恋が
成就した話あり、インドの現代の若者たち
の気持ちがかいまみられて面白いです。
英語なんですが、こちらがそのページ。
CCD Letters
CCDの周辺を探っていくとインドの若者
たちのことがリアルに見えてきそうですね。
こちらもよろしくお願いいたします。
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