陶子の心の窓

今日わたしの心の窓は開いていたかな?あなたはいかがでしたか?

賢者の贈り物、とは。

2017-07-21 06:39:55 | 
ロシア語のレッスンであるテキストを読みました。
以下あらすじです。

海辺にひとりの若い女性がいました。
岸に船が近づいてきて泊まりました。
船から水夫たちが降りてきて、海辺や街に出かけて行きました。

水夫の中の一人の男性が海辺にいた女性に近づき、二人は知り合いになりました。

その後、2年間二人は文通をして、お互いに好きなのだと気がつきました。

あるとき、水夫はクリスマスに女性に会いに行くよと手紙を書きました。
女性はとても喜んで、クリスマスには、ガチョウの丸焼きとアップルパイを用意しようと決めました。

でも、女性はあまり裕福な暮らしをしておりませんでした。
そこで、彼女は自分の母親からプレゼントされた小さな金の指輪を宝石店に売りに行きました。
指輪はそれほど高い金額では売れませんでした。(それでもクリスマスのごちそうは準備できたでしょうね)


クリスマスの日、水夫は彼女の住む街にやってきました。
街の宝石店で水夫は小さな金の指輪を見つけました。その指輪は高価なものではありませんでした。水夫はその指輪を彼女のために買いました。

二人は再会し、水夫は彼女に小さな金の指輪をプレゼントしました。
すると彼女は少し微笑んでたずねました。

「あなたはこの指輪をどこで手に入れたの?」
「僕はこの指輪を君のために買ったんだ」 と水夫は答えました。

という内容です。
貧しいカップルがお互いのためにクリスマスの贈り物をする・・・思い出すのがO.ヘンリーの「賢者の贈り物」です。
あのおはなしはたしか、夫が長い髪の女性のために、自分が大切にしている懐中時計を売って得たお金で櫛を買い、女性は髪の毛を売って懐中時計の鎖を買った・・のだったでしょうか。
せっかくお互いのためを思って買ったのに、その「もの」はもうない。

でも、このロシア語のテキストで出会った物語は、彼女の金の指輪がうまく幸せをもたらしていますよね。
男性のためにクリスマスのごちそうの用意ができて、男性は知らないうちに女性の大切な指輪を買って、また彼女の元にかえすことができたのですから。さらにいえば、宝石店の店主もわずかながら商売できた。

O.ヘンリーの方は相手を思うがための自己犠牲、を感じて胸がキュンとしますが、こちらのロシアのお話はちょっとニッコリします。ハッピーエンドですね。
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