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アレハンドロ・ホドロフスキー作品は1作も観たことないけれど、カルト映画の巨匠という印象を持っていて、それぞれの予告編を観る限り、あまり自分には理解できないかな~
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そのホドロフスキーが、撮影する寸前に制作中止となった、幻のSF超大作『DUNE』についての裏側を明かすドキュメンタリーというのが今作。
ストーリーボードから、ビジュアル、アングルはもちろん、キャストやスタッフも監督がこの人しかいないという信念に基づいて決定されていたのにはびっくり。
その中には画家のサルヴァドール・ダリや名優オーソン・ウェルズがキャスティングされていたのにも驚きです。
ただし、“この人しかいない”という考えが、やや行き当たりばったりな感じを受けたのだけど、タイミングよくその人に会えた監督が幸運なのか、ただの思い込みなのかが謎です
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もう語りつくされているけれど、もしもこの映画が実際に作られていたら、『スターウォーズ』は作られていなかったかもしれない、というのには納得です。
ここまで明確ながあり企画書がありながらも、それでも制作会社がOKを出さなかったのは、やはり監督がホドロフスキーだったから。
まあ、今まで撮ったのが『エル・トポ』や『ホーリー・マウンテン』という監督が、いきなりSF超大作を撮ると言っても信用できないのはしょうがないかな、という気がしますが…
制作されなかったにしろ、『DUNE』の企画段階でその後に及ぼした映画への影響は計り知れません。
映画の中の城などのデザインで、スタッフとして指名された画家のH・R・ギーガーは後に『エイリアン』のデザインでアカデミー視覚効果賞を獲りました。
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その他にも、当時スタッフとして名前の挙がっていた人物が、その後の映画でさまざまな賞を獲って認められるなど、ホドロフスキーが採用していた人物の活躍がめざましいです。
当時彼が作り出したビジョン、カメラワークも、『スターウォーズ』『フラッシュ・ゴードン』『ブレードランナー』『ターミネーター』『マトリックス』など、今では当たり前のように使われるようになりました。
だからラストで彼が言ったように、今でも『DUNE』の企画書はある、自分の死後にでも作れるとの言葉は、残念ながら実現しないような気がします。
彼が編み出した手法は、今では当たり前のように使われまくっているので、今更作られたところで目新しいことはないように感じるからです。
ホドロフスキーの企画が中止になったあと、『DUNE』の映画はデヴィッド・リンチ監督によって、『デューン/砂の惑星』として制作されましたが、評価は散々なものでした。
ホドロフスキーがその映画を観に行って、「自分が作りたかった映画を観るのがつらかったけど、観てるうちにだんだん元気が出てきた
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だけど、これに関してもホドロフスキーは、「リンチなら完璧に映画を作れるはずだった。あんな出来になったのは製作者側のせいだ」とも言っています。
現にリンチは『デューン/砂の惑星』に関して、「最終決定権が監督自身になかったことから、大変悔しい思いをしたし、残念な結果を迎えたのだ」と自伝に記しているということです。
実際に作られなかった幻の作品だったにも関わらず、映画の歴史に多大な影響を及ぼしたと考えるだけで、彼の映画の凄さを実感しますね。
ホドロフスキーの23年ぶりの新作『リアリティのダンス』は、今年の映画ランキングでも名前が挙がるだろうと思われるほど高評価です。
『DUNE~』の映画を観た劇場でも、予告編を観ました。
だけど予告編を観る限り、やっぱり自分には合わないだろうなあ~…と思ったので、たぶん観には行かないだろうと思います
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