思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2016年5月 ③ 川原泉

2022-06-22 17:14:52 | 【読書メモ】2016年
<読書メモ 2016年5月 ③>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。


『メイプル戦記』川原泉
女子プロ野球球団のお話し。
野球はまったく興味ないが、川原作品なので。
なんとなくセリーグパリーグの違いとか、オールスター戦とか、
ちょっとわかったような気が。
るりこちゃんが幸せになるといいなと思います。

(読書メモ、基本的に漫画はメモらないのですが
 たまに出現します。
 川原泉氏は、昔から好きなのです。大好きなのです(2回言った)。
 
 『笑う大天使』とか『バビロンまで何マイル?』とか
 『空の食欲魔神』とか『小人たちが騒ぐので』とか、
 学生時代に読んだときはびっくりしました。
 出てくる単語やギャグが高尚っぽくてかっこいい!って。
 少女漫画をまったく読まない子供時代だったので、
 良い意味で少女漫画への偏見を打ち砕かれたというか。

 若い頃夢中になった作家とか作品って、
 若さとともに卒業することが多いですが、
 川原泉氏はいまも好きです。大好きです(2回言った))
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【読書メモ】2016年5月 ②耳袋シリーズ

2022-06-21 14:31:23 | 日記
<読書メモ 2016年5月 ②>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。

『深川芸者殺人事件』風野真知雄
かぜのまちお。
<耳袋秘帖>シリーズというものらしい。
「耳袋」の作者である根岸肥前守が主人公。
さらにシリーズ内シリーズとして、
殺人事件モノと、妖談モノがあるらしい。
変わった筆名なので覚えのあった作家だったけど、
多分これが初読かと。
吉原炎上と花魁道中が目的と言いつつ、そこの描写が地味だったのは
ざんねんだったな。

(そもそも『耳袋』というのは、江戸後期の南町奉行
 根岸鎮衛(しずもり)が書いた“雑話集”です。
 庶民から武士階級まで幅広い身分とのおしゃべりの内容なので、
 噂話から怪談まで話題も幅広い。
 個人的には“耳袋=怪談集”のイメージが強かったので、意外。
 (京極夏彦の『旧怪談 耳袋より』の印象も強かった)

 で、風野真知雄の<耳袋秘帖>シリーズは、
 耳袋作者であり、実在の人物である根岸鎮衛が主人公の小説です。

 その傘の下で<耳袋秘帖 殺人事件>シリーズと
 <耳袋秘帖 妖談>シリーズがあるわけです。
 まぎらわしいな!と思いますが、
 それぞれタイトルに「殺人事件」「妖談」と入っていますので
 ギリギリわかります。いや、わからんがな。

 『深川芸者殺人事件』はシリーズ四作目で、比較的評価が高い作品。
 一応、本筋の事件(売れっ子花魁が行方不明?吉原で陰謀?みたいな)
 があって、ついでに江戸の怪異も描かれていたりして、
 エンタメ量多めのお話しです。)
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『猫のお告げは樹の下で』ほっこり系連作短編

2022-06-20 18:57:59 | 日記
『猫のお告げは樹の下で』
青山美智子

ほっこり系人情短編集。
こういう連作短編集は一大ジャンルになりつつあるな。
なんか、これだ!というジャンル名は付いてないもんですかね?

こちらの小説は、
ちょっと凹んでいる人がいて。
神社でハチワレ猫の「ミクジ」に会うのが転機となって
ちょっと、気持ちや視界がクリアになる。というお話しです。

神社の神主さんは姿を見たことがない「ミクジ」。
迷える人が来ると、猫はタラヨウの木の周りをぐるぐる回ってトン、
葉っぱが一枚落ちてくる。
葉っぱには単語がひとつ書いてあり、
それがお告げというか、キーワードになる。

って、ちょっと、フォーマットが細かすぎぎません?
猫が人語を解するっぽいのは良いとして、
いちいち木の周りをちびくろさんぼバリに回ってトン、って。
猫に背負わすには格式張りすぎではなかろうか。
そして猫は笑わない。笑うのは犬だ。
(猫の挙動には煩いのである)

まあいいけど。

登場人物はみんな、疲れて凹んでいるけれど、
本質的には良い人というか、自分のなかに救いのヒントを持っている。
なので、読んでいてこちらまで凹むこともない。
むしろ読後感は良い短編集です。
元気をもらえると思います。

とはいえ、
60代のおじいちゃんの一人称が「ワシ」なのはどうかと思う。
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【読書メモ】2016年5月 ①瀬尾まいこ

2022-06-17 16:53:49 | 【読書メモ】2016年
<読書メモ 2016年5月>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。


『僕らのごはんは明日で待ってる』瀬尾まいこ
短編集かと思ったら、連作だった。
始まりが高校生なのだけど、葉山くんと上村のやりとりが
ぽかーんとして、あけっぴろげで
10代でこんなバランスの良い絶妙な会話が
できるものなのかなと思ったけど
世界はこれくらい素直なものなのかもしれない
と思えるくらい気もちの良いお話しでした。

(読書メモを読み返して、なに言ってんだ私と思いましたが、
 まあ、そんな感じです。
 無気力男子高校生の葉山くんと、能天気(っぽい)女子高生
 小春ちゃんのラブストーリー(試練多め)です。

 相変わらず、筋立てというかプロットというか
 ハードモードな設定なんですけど
 読んでいて気分が沈むことはない。むしろ清々しくなる。
 瀬尾まいこマジック!

 体育祭の「米袋ジャンプ」が印象的で良かったなあ。
 連作短編っぽく章立てがされて、二人が成長していきます。
 10代から20代にかけての、二人の立ち位置の変化も
 共感できるというか、成長を感じるというか。

 あと、誰かと食べるごはんはおいしいよね)
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『自由研究には向かない殺人』

2022-06-16 12:11:16 | 日記
『自由研究には向かない殺人』
ホリー・ジャクソン
服部京子:訳

17歳の高校生ピッパが自由研究(卒業単位になる)の課題として、
5年前に起きた女子高生失踪事件に取り組むというもの。

失踪したアンディの恋人で犯人と目されているサル(自殺している)の
汚名を濯ぐためであり、サルの弟ラヴィとコンビで取り組みます。

主人公のピッパが明るく真っ直ぐでウィットに富んでいる性格で
家族も超明るいし、とにかく読みやすい。
フェアであることに対して一生懸命なところが、良いですね。
(交通事故に関しては、結局どうした?と思うけど)

イギリスの高校生の生活ってこんな感じなんだなあ、
というのもあって、面白かったです。
大半のティーンエイジャーはじぶんのクルマを持っていて、
深夜まで友人宅に出入りできて(門限深夜1時ってセリフを二度見した)、
飲酒は普通な感じ。
欧米か!

友人知人に対してオープン(アポ無しで訪ねて行っても家に上がれる感がある)
の一方で、人種や社会ヒエラルキーの差別意識もたくさんある。
まあ、どの国もそうかもしれないけど。

とはいえ犯人と思われているサルは性格もよく頭も良い、
非の打ちどころがないイケメンなのだけれど、
こんなにも殺人鬼扱いされちゃうものかな。
メディアやSNSのパワーってこと?

そして被害者アンディはたった17年の人生を通じて
本当に性格悪いんだけど、なんでそういう噂が出ないんだろうか。
さすがにそれはおかしくないかと思っちゃうけど、そんなもんかな。

フェイスブックで情報収集するとか、
スマホの「友人を探す」機能で犯人追跡するとか、
いまっぽくて、とても面白かった。

通信が進化しすぎてトリックしんどいから
わざわざ70年代設定にするミステリもあるけれど、
この作品は新時代ミステリって感じがあって、そこも良かった。

児童向け文学に区分されることもあるみたいだけど、
読み応えのある良いミステリ小説でした。
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