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古都奈良の通称「お水取り」「お松明」と呼ばれる春を告げる行事は、正式には修二会と言うが、3月1日から14日まで東大寺二月堂で行われる。
東大寺二月堂への指標 お松明を待つ二月堂(まだ周辺照明は照らされている)
修二会は、東大寺の開山「良弁僧正」の高弟「実忠和尚」が、「兜率天(とそってん)」で天人たちが十一面観音の悔過(けか)を行ずる様子を見て、これを人間界でも行いたいと願い、天平勝宝4年(752年)から始まり、今年で実に1265回目となる。
修二会の本行は、二月堂の本尊十一面観音に、11人の練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる精進潔斎した行者が過去の罪を懺悔し、その功徳により仏法興隆、天下泰平、万民豊楽、五穀豊穣などを祈願するもので、練行衆が登廊を昇る際にお松明が清めと明かりとして焚かれ、童子が松明をかざして練行衆を堂内に送り込んだ後、その松明を廊下に持出し火を振り回すのが習わしとなり、今日多くの観光客を呼び込む行事となっている。
連日10本のお松明が上堂するが、3月12日は一回り大きな籠松明を含め11本のお松明が上堂することもあり、TV等のニュースで取り上げられる。
上堂の廊下を駆け抜けるお松明の踊る炎
「お水取り」が済むと春到来と昔から言われるが、この「お水取り」は3月12日後夜の咒師(しゅし)作法の中で、13日午前1時に5人の練行衆と共に閼伽井屋(あかいや、別名若狭井)に向かい、香水を汲み、内陣に運び込んで須弥壇下の香水壺に蓄えご本尊に供える行事。
この水は若狭の遠敷明神が参集に遅れたお詫びに、二月堂本尊に献じたと伝えられ、若狭の神宮寺ではこの井戸に送水する「お水送り」の行事が行われている。
上堂の廊下を駆け抜けるお松明の乱舞する炎 左手から新たなお松明が。計10本のお松明
行ったのは3月6日。初夜上堂(松明上堂)を見ようと数千人の人々が集まっている。
照明に照らし出された二月堂が、午後七時に一斉に消灯され、お松明と共に練行衆の登廊が始まる。登廊が終わるといよいよ童子によるお松明の炎の乱舞が始まる。
童子の経験がお松明の炎、火の粉の乱舞を左右する。10本のお松明による20分ほどの炎の乱舞が終わると、多くの観客が引き上げるが、二月堂内で行われている作法を垣間見ることも出来る。東西南北四つの局口から堂内に入り、内陣から聞こえる声明(しょうみょう)の調べや練行衆の動きの気配を感ずることが出来る。また、お松明の燃え滓に功徳があると信ずる人達は、燃え滓集めに精を出している。
午前11時50分にから始まる六時の行法(日中・日没・初夜・半夜・後夜・晨朝)が終わるのが、午前零時40分頃。
左:出番待のお松明(根っこ有「さだまさし氏」奉納の竹) 中:12日の一際大きい籠松明(60kg) 右:通常の松明(40kg)
登廊から見る二月堂 上堂の廊下 局口から本堂内部へ
局口から入って内陣での行を聞きいる 六時の行法(3月6日の例)
上堂から見る夜の奈良市内(手前に大仏殿の屋根が) お松明の燃え滓(御利益があるのでこぞって拾う人も)
春は、もうそこまで来ている。 「水取りや 籠りの僧の 沓の音」 芭蕉
(参考:京都感動案内社 代表 小嶋一郎氏資料)
修二会(しゅにえ) 東大寺二月堂のお水取り
練行衆たちの十一面悔過行
2018.03.06
古都奈良の通称「お水取り」「お松明」と呼ばれる春を告げる行事は、正式には修二会と言うが、3月1日から14日まで東大寺二月堂で行われる。
東大寺二月堂への指標 お松明を待つ二月堂(まだ周辺照明は照らされている)
修二会は、東大寺の開山「良弁僧正」の高弟「実忠和尚」が、「兜率天(とそってん)」で天人たちが十一面観音の悔過(けか)を行ずる様子を見て、これを人間界でも行いたいと願い、天平勝宝4年(752年)から始まり、今年で実に1265回目となる。
修二会の本行は、二月堂の本尊十一面観音に、11人の練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる精進潔斎した行者が過去の罪を懺悔し、その功徳により仏法興隆、天下泰平、万民豊楽、五穀豊穣などを祈願するもので、練行衆が登廊を昇る際にお松明が清めと明かりとして焚かれ、童子が松明をかざして練行衆を堂内に送り込んだ後、その松明を廊下に持出し火を振り回すのが習わしとなり、今日多くの観光客を呼び込む行事となっている。
連日10本のお松明が上堂するが、3月12日は一回り大きな籠松明を含め11本のお松明が上堂することもあり、TV等のニュースで取り上げられる。
上堂の廊下を駆け抜けるお松明の踊る炎
「お水取り」が済むと春到来と昔から言われるが、この「お水取り」は3月12日後夜の咒師(しゅし)作法の中で、13日午前1時に5人の練行衆と共に閼伽井屋(あかいや、別名若狭井)に向かい、香水を汲み、内陣に運び込んで須弥壇下の香水壺に蓄えご本尊に供える行事。
この水は若狭の遠敷明神が参集に遅れたお詫びに、二月堂本尊に献じたと伝えられ、若狭の神宮寺ではこの井戸に送水する「お水送り」の行事が行われている。
上堂の廊下を駆け抜けるお松明の乱舞する炎 左手から新たなお松明が。計10本のお松明
行ったのは3月6日。初夜上堂(松明上堂)を見ようと数千人の人々が集まっている。
照明に照らし出された二月堂が、午後七時に一斉に消灯され、お松明と共に練行衆の登廊が始まる。登廊が終わるといよいよ童子によるお松明の炎の乱舞が始まる。
童子の経験がお松明の炎、火の粉の乱舞を左右する。10本のお松明による20分ほどの炎の乱舞が終わると、多くの観客が引き上げるが、二月堂内で行われている作法を垣間見ることも出来る。東西南北四つの局口から堂内に入り、内陣から聞こえる声明(しょうみょう)の調べや練行衆の動きの気配を感ずることが出来る。また、お松明の燃え滓に功徳があると信ずる人達は、燃え滓集めに精を出している。
午前11時50分にから始まる六時の行法(日中・日没・初夜・半夜・後夜・晨朝)が終わるのが、午前零時40分頃。
左:出番待のお松明(根っこ有「さだまさし氏」奉納の竹) 中:12日の一際大きい籠松明(60kg) 右:通常の松明(40kg)
登廊から見る二月堂 上堂の廊下 局口から本堂内部へ
局口から入って内陣での行を聞きいる 六時の行法(3月6日の例)
上堂から見る夜の奈良市内(手前に大仏殿の屋根が) お松明の燃え滓(御利益があるのでこぞって拾う人も)
春は、もうそこまで来ている。 「水取りや 籠りの僧の 沓の音」 芭蕉
(参考:京都感動案内社 代表 小嶋一郎氏資料)