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旅行記、世相独言

さんふらわー de 九州北部の歴史旅 (その9)別府温泉・地獄巡り

2018年06月13日 16時34分52秒 | 異文化体験_日本
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さんふらわー de 九州北部の歴史旅    2018.5.16-20

その9.別府温泉・地獄めぐり


 別府の地獄めぐりは、55年前の高校の修学旅行時以来である。現在、別府の地獄めぐりと言えば別府地獄組合加盟の7つの地獄を言うらしい。近くに山地獄があるが加盟しておらず、どちらかと言えばミニ動物園に近いようだ。加盟7地獄は、個人大人2,000円で共通券を販売している。通常1割引クーポンがあちこちにあるので利用すること。

                    

 豊後風土記によると、鉄輪・亀川の地獄地帯は千年以上前から噴気・熱泥・熱湯などが噴出していたと記されている。

 まず、「海・鬼石坊主・かまど・鬼山・白池の5地獄」は、このうちのどこかに駐車すれば徒歩圏内で回って見れる。このうち「海・白池地獄」は国指定名勝である。

「海地獄」は、1200年間の鶴見岳爆発により出来たコバルトブルーの池で、98℃もあるという。また、熱帯性睡蓮が見事に開花している。

          
                   地獄巡りスタートの「海地獄」 駐車場も一番広い

  
                    熱帯性睡蓮(外池と温泉熱利用の温室)   

「鬼石坊主地獄」は、地名が鬼石、熱泥が坊主ということで名付けられたようだ。熱泥が大小の球状をなして沸騰するさまが見れる。620円で鬼石の湯に入ることも出来る。

          

「かまど地獄」
は、氏神竃門八幡宮の大祭に地獄の噴気でお供飯を炊いた習わしから名付けられたようで、泉温は90℃。煙の不思議実験が面白い。ここのお湯が青く見えるのは、数十~数百nm(ナノメーター)のシリカ微粒子が青い光を反射するためで、非晶質シリカが柱状成長した白い塊状析出物が見られる。

  
         かまど地獄は1丁目から6丁目まで、左:2丁目、中:4丁目、右:6丁目。煙の実験が不思議。

          
         3丁目、5丁目のコバルトブルーの原因は、ナノメータークラスのシリカ微粒子のせい

「鬼山地獄」は、別名ワニ地獄。大正12年に我が国初の温泉熱利用のワニ飼育はじめ、現在約70頭を飼育している。泉温は99.1℃。飼育中のワニの赤ちゃんも見れる。

          
          鬼山地獄は、地下187mから湧き出る沸騰泉99.1℃で、ワニの飼育も

          
        飼育中の子供ワニ                   本物の卵だそうです

「白池地獄」は、噴出時は無色透明の熱湯が、温度・圧力の経時変化で青白色に変化するようだ。泉温95℃で、ホウ酸食塩泉を含む。ピラニア等の各種熱帯魚が見れる。

  
           熱帯アマゾンに生息する肉食ピラニアから大王魚ピラルクまで、見ることが出来る

 次は、ここから車で5分、約3km走って、「血の池・龍巻の2地獄」へ。どちらも国指定名勝である。
「血の池地獄」は、豊後風土記に「赤湯泉」と記された日本最古の天然地獄。煮えたぎる赤い粘度は噴気まで赤く、この粘土で皮膚病に効く血の池軟膏が売られている。泉温は78℃。

  
              55年前はもっと赤々としていて気味悪い感じだったが。

「龍巻地獄」は、天然の間欠泉で市指定天然記念物になっている。地下の150℃の熱水が約30~40分間隔で、105℃の熱湯と噴気となって約6~10分噴出する間欠泉である。

          
                到着時に丁度間欠泉が噴出するグッド・タイミング

 天台宗僧侶で大阪水間寺住職であった今東光氏(もはや若い人には馴染みがなかろうが)が、別府の地獄を地獄讃として記している。



 2時間半ほどで地獄巡りを終え、杉乃井ホテルに戻る。


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