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白酒宴席にはご用心! -西安― 1995.11.07~11.10
<誰よ、この人にお酒飲ましたのは!>
「西安の案内書」
重慶発16:40のWH241便で18:40に西安着。
日本の美人女将が営む日本料理店「東中野」という店で久々の日本料理に、昼間の蛇鍋料理を味わった胃袋もさぞ安心したことだろう。
(左)拍手と共に着陸した「西安」空港 (右)西安の日本料理店「東中野」蛇鍋から解放された胃に久々の和食
華南と言われる四川省成都、重慶から華北の陜西省の省都「西安」へは険しい泰嶺山脈が横たわっている。西安の西・甘粛省蘭州には団長K氏の会社が技術交流を行っている都市ガス会社がある。
ここ、西安でのお宿は「長安城保大酒店」。
「西安」でのお宿「長安城保大酒店」(左:外観、右:ロビー)
西安・街の朝の風景
8日、9時半に西安市天然氣公司を訪問、更に11時に西安市煤氣公司を訪問する。
天然氣公司は正に天然ガスを供給する会社で周辺ガス田からの天然ガスを西安市に供給している。ここでも日本の資本と技術に対する熱い眼差しを感じ取ると共に、既に欧米資本の進出検討がなされており、したたかな中国商人気質を垣間見るのである。
西安市煤氣公司を表敬訪問
西安煤氣公司は石炭ガスを西安市に供給しており、地域によって天然ガス、石炭ガス、更に液化石油ガス(LPG)の3種類のガスが供給されている。いずこの都市もガスの値段は安く、国や地方都市から補助金が出ている。しかし、近代化が進む中でエネルギー消費も拡大し、それに伴い補助金額も増加の一途で、いずれ地方財政を圧迫するのは必至との見方が多い。
会議風景 名刺交換しない出席者(共産党員)が2人いる
お昼は例によって市内レストランで歓迎の宴。今日は作戦を立て、年寄組みのテーブルと若者組のテーブルに分かれて座る。それでも結局白酒を7杯も飲むことに。比較的おとなしい年長組みのテーブルに反し、若者組のテーブルは大いに盛り上がって、乾杯の嵐が吹いている。大丈夫かなあ?と心配をする。
お昼から乾杯!乾杯!乾杯!
この日は7回杯を乾した。白酒の器は透明ガラス製。上げ底でないことを見せるため。
はっきり言ってこちらの人も本当はこの風習は好きではないらしい。やれ体調を壊しているからジュースで、と最初からジュースに決め込む人も多い。中途半端が一番いけないようだ。少し飲んで後は軽い飲み物ということが許されない。まだまだ俺の酒が飲めぬのか!という風習が、内陸部ほど根強く残っている。
さすがに沿岸部は西側諸国との様々な関係構築の中で西側の風習も取り込まれているが、「内陸部に行くと大変よ」と上海ガスが言っていたのを思い出す。
様々な白酒(パイチュー) (左)白酒の代表格 マオタイ酒 (右)白酒の廉価版
昼食後、全員赤い顔で煤氣公司の工場見学を終えたあたりで、事務局のF君の様子がおかしい。
とりあえず一度ホテルに戻ることにしたが、その途中で手足が真っ白、首を苦しいと掻き毟る、手足をばたつかせる等、今にも死ぬのではないかと思われる程、のた打ち回る有様である。
大急ぎでホテルに戻り、フロントで直ちに救急車の手配を依頼する。が、しかし何と全て出払っており手配不可能との返事。となれば仕方がない。チャーターしているバスで、現地通訳と3人で外国人・政府高官用の病院に救急運搬する。
抱きかかえて医務室に運び込むと女性の医師が診察し、解毒剤らしき注射をする。「しばらく寝かせておけば治るだろう」と言う女性医師の言葉を聞いて、小生の疲れがどっと沸いてくる。「それにしても、この人にアルコールを飲ませたのは貴方?、この人はコップ1杯のビールも駄目よ! 気をつけて!」ときつく叱られる。
西安市中心医院(参考写真)
1時間以上経って、「もう連れて帰っても大丈夫」との医師の言葉を得て、再びホテルに連れ戻す。本人の部屋のベッドに寝かすも意識が薄れているため、背広を脱がし下着姿にして毛布を掛けてやる。やれやれ!と思うと、今度は小生も酔いと疲れがどっと出て、隣のベッドに横たわるとそのまま眠ってしまった。正直、小生も7杯くらい乾杯をやったので、アルデヒド分解酵素を持ち合わせない小生は、このことがなければ多分ダウンしていたであろう。
陝西省人民医院(参考写真)
物音で目を覚ますとF君が顔を洗っている。何と時刻は既に夜の8時。やれ、やれである。恐縮するF君の様子にもう大丈夫と思うとやたらと空腹を感ずる。自室に戻ってルームサービスを取る。
それにしても、飲み過ぎに支払った治療費は日本円で5000円ほど。現地の人の数か月分のお金である。
ついでに白酒宴席に関する日本での面白い話。日本で開催された歓迎宴席でのこと。
松井さんも出席者の一人。中国人客と乾杯やお話をするのだが、松井さんは彼らのいない所で何か気に入らぬ様子。松井の松はsong、井はjingと中国語で発音する。
Songjingさんは、ソンチンさんなのだが、何故か「ソチン」に聞こえる。何と失礼な奴だ!とご立腹。男性にしかわからない話しかも。
長い長いとんでもない西安の一日であった。
白酒宴席にはご用心! -西安― 1995.11.07~11.10
<誰よ、この人にお酒飲ましたのは!>
「西安の案内書」
重慶発16:40のWH241便で18:40に西安着。
日本の美人女将が営む日本料理店「東中野」という店で久々の日本料理に、昼間の蛇鍋料理を味わった胃袋もさぞ安心したことだろう。
(左)拍手と共に着陸した「西安」空港 (右)西安の日本料理店「東中野」蛇鍋から解放された胃に久々の和食
華南と言われる四川省成都、重慶から華北の陜西省の省都「西安」へは険しい泰嶺山脈が横たわっている。西安の西・甘粛省蘭州には団長K氏の会社が技術交流を行っている都市ガス会社がある。
ここ、西安でのお宿は「長安城保大酒店」。
「西安」でのお宿「長安城保大酒店」(左:外観、右:ロビー)
西安・街の朝の風景
8日、9時半に西安市天然氣公司を訪問、更に11時に西安市煤氣公司を訪問する。
天然氣公司は正に天然ガスを供給する会社で周辺ガス田からの天然ガスを西安市に供給している。ここでも日本の資本と技術に対する熱い眼差しを感じ取ると共に、既に欧米資本の進出検討がなされており、したたかな中国商人気質を垣間見るのである。
西安市煤氣公司を表敬訪問
西安煤氣公司は石炭ガスを西安市に供給しており、地域によって天然ガス、石炭ガス、更に液化石油ガス(LPG)の3種類のガスが供給されている。いずこの都市もガスの値段は安く、国や地方都市から補助金が出ている。しかし、近代化が進む中でエネルギー消費も拡大し、それに伴い補助金額も増加の一途で、いずれ地方財政を圧迫するのは必至との見方が多い。
会議風景 名刺交換しない出席者(共産党員)が2人いる
お昼は例によって市内レストランで歓迎の宴。今日は作戦を立て、年寄組みのテーブルと若者組のテーブルに分かれて座る。それでも結局白酒を7杯も飲むことに。比較的おとなしい年長組みのテーブルに反し、若者組のテーブルは大いに盛り上がって、乾杯の嵐が吹いている。大丈夫かなあ?と心配をする。
お昼から乾杯!乾杯!乾杯!
この日は7回杯を乾した。白酒の器は透明ガラス製。上げ底でないことを見せるため。
はっきり言ってこちらの人も本当はこの風習は好きではないらしい。やれ体調を壊しているからジュースで、と最初からジュースに決め込む人も多い。中途半端が一番いけないようだ。少し飲んで後は軽い飲み物ということが許されない。まだまだ俺の酒が飲めぬのか!という風習が、内陸部ほど根強く残っている。
さすがに沿岸部は西側諸国との様々な関係構築の中で西側の風習も取り込まれているが、「内陸部に行くと大変よ」と上海ガスが言っていたのを思い出す。
様々な白酒(パイチュー) (左)白酒の代表格 マオタイ酒 (右)白酒の廉価版
昼食後、全員赤い顔で煤氣公司の工場見学を終えたあたりで、事務局のF君の様子がおかしい。
とりあえず一度ホテルに戻ることにしたが、その途中で手足が真っ白、首を苦しいと掻き毟る、手足をばたつかせる等、今にも死ぬのではないかと思われる程、のた打ち回る有様である。
大急ぎでホテルに戻り、フロントで直ちに救急車の手配を依頼する。が、しかし何と全て出払っており手配不可能との返事。となれば仕方がない。チャーターしているバスで、現地通訳と3人で外国人・政府高官用の病院に救急運搬する。
抱きかかえて医務室に運び込むと女性の医師が診察し、解毒剤らしき注射をする。「しばらく寝かせておけば治るだろう」と言う女性医師の言葉を聞いて、小生の疲れがどっと沸いてくる。「それにしても、この人にアルコールを飲ませたのは貴方?、この人はコップ1杯のビールも駄目よ! 気をつけて!」ときつく叱られる。
西安市中心医院(参考写真)
1時間以上経って、「もう連れて帰っても大丈夫」との医師の言葉を得て、再びホテルに連れ戻す。本人の部屋のベッドに寝かすも意識が薄れているため、背広を脱がし下着姿にして毛布を掛けてやる。やれやれ!と思うと、今度は小生も酔いと疲れがどっと出て、隣のベッドに横たわるとそのまま眠ってしまった。正直、小生も7杯くらい乾杯をやったので、アルデヒド分解酵素を持ち合わせない小生は、このことがなければ多分ダウンしていたであろう。
陝西省人民医院(参考写真)
物音で目を覚ますとF君が顔を洗っている。何と時刻は既に夜の8時。やれ、やれである。恐縮するF君の様子にもう大丈夫と思うとやたらと空腹を感ずる。自室に戻ってルームサービスを取る。
それにしても、飲み過ぎに支払った治療費は日本円で5000円ほど。現地の人の数か月分のお金である。
ついでに白酒宴席に関する日本での面白い話。日本で開催された歓迎宴席でのこと。
松井さんも出席者の一人。中国人客と乾杯やお話をするのだが、松井さんは彼らのいない所で何か気に入らぬ様子。松井の松はsong、井はjingと中国語で発音する。
Songjingさんは、ソンチンさんなのだが、何故か「ソチン」に聞こえる。何と失礼な奴だ!とご立腹。男性にしかわからない話しかも。
長い長いとんでもない西安の一日であった。
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