人目を気にせずに「泣くオトコ」が世に登場して久しい。ここで言う「泣く」とは、俗に言う「男泣き」のことではなく、女の子にフラレて泣くとか、映画を見て泣くと言った類の「泣く」である。
以前勤めていた会社で、朝、顔を合わせた途端に「昨日の××見た?泣けたよなぁ」などと、ドラマやドキュメンタリーを見て泣いたことを、皆にふれまわる男の子を目の当たりにした時には、”世の中は変わっ
たもんだ”とつくづく感心してしまった。その昔、男は人前で泣くもんじゃないと言われた。ゆえに、「涙」と言えば女の専売特許だった。なにせ子供向けアニメの主題歌に♪真珠の涙を浮かべたら、男の子な
んてイチコロよぉ~♪なんていう歌詞があったくらいだから、その威力は凄かったに違いない。そう、涙は
いつだって女の子の強い味方だったのだ。その証拠に、「彼女の涙に負けてしまって……」と言う話は世間にざらにあったではないか。また、涙の効き目がなくて、男の子を引き止められずに「さよなら」を言われ
てしまった女の子は、部屋に閉じこもると食うものも食わずに(その後、猛烈な食欲に襲われるのだが)わんわんと泣いた。何日も何日も。そしてその何日かが過ぎて、大量に流した涙が乾く頃、彼女達は何故か例
外なく次の恋に突入していくのである。どうして、彼女達はこんなにも簡単に、心の痛手が癒えてしまうのだろう。その秘密は「涙」にあるようだ。涙には二種類あって、感情からでた涙と物理的刺激(目に塵が入
つた時など)から出た涙だが、この二つは成分が違うそうだ。感情の涙の方が成分が濃く、べとべとしているという。つまり、物理的涙はただの洗浄液だが、感情の涙のほうは排泄行為であるということらしい。
なるほど、ね。失恋した時、耐える男の子よりも、わんわん泣く女の子のほうが立ち直りが早いのは、泣くことによって感情の全てを排泄し、すっきりしてしまうからだったのだ。
となるとこのごろの泣き虫男たちも、別れの場面が来たら、昔の女達のように”排泄の涙”をふり絞るのだろうか。何だか冴えないね。おまけに「男は耐えて…」の体質が若干は残っているから女たちのようにわ
んわんとは泣かぬ。サメザメだろうな。あーあ、ますます冴えないね。おまけに、「思い切り泣いた。すっきり!」なんてことになると、全くらしくない話だ。
いずれにしても「泣くオトコ」の出現で、今や涙は女の武器にはならなくなった。その結果、もはや偽りの涙を流す女の子は、魅力的でなくなる。
これからは、映画を見て涙を流す男の子に黙ってハンカチを渡してあげ、泣いている男の子の肩をそっと抱き寄せ、「私の胸でお泣き」と言える女の子のほうが、モテモテの時代になるのかもしれない。
以前勤めていた会社で、朝、顔を合わせた途端に「昨日の××見た?泣けたよなぁ」などと、ドラマやドキュメンタリーを見て泣いたことを、皆にふれまわる男の子を目の当たりにした時には、”世の中は変わっ
たもんだ”とつくづく感心してしまった。その昔、男は人前で泣くもんじゃないと言われた。ゆえに、「涙」と言えば女の専売特許だった。なにせ子供向けアニメの主題歌に♪真珠の涙を浮かべたら、男の子な
んてイチコロよぉ~♪なんていう歌詞があったくらいだから、その威力は凄かったに違いない。そう、涙は
いつだって女の子の強い味方だったのだ。その証拠に、「彼女の涙に負けてしまって……」と言う話は世間にざらにあったではないか。また、涙の効き目がなくて、男の子を引き止められずに「さよなら」を言われ
てしまった女の子は、部屋に閉じこもると食うものも食わずに(その後、猛烈な食欲に襲われるのだが)わんわんと泣いた。何日も何日も。そしてその何日かが過ぎて、大量に流した涙が乾く頃、彼女達は何故か例
外なく次の恋に突入していくのである。どうして、彼女達はこんなにも簡単に、心の痛手が癒えてしまうのだろう。その秘密は「涙」にあるようだ。涙には二種類あって、感情からでた涙と物理的刺激(目に塵が入
つた時など)から出た涙だが、この二つは成分が違うそうだ。感情の涙の方が成分が濃く、べとべとしているという。つまり、物理的涙はただの洗浄液だが、感情の涙のほうは排泄行為であるということらしい。
なるほど、ね。失恋した時、耐える男の子よりも、わんわん泣く女の子のほうが立ち直りが早いのは、泣くことによって感情の全てを排泄し、すっきりしてしまうからだったのだ。
となるとこのごろの泣き虫男たちも、別れの場面が来たら、昔の女達のように”排泄の涙”をふり絞るのだろうか。何だか冴えないね。おまけに「男は耐えて…」の体質が若干は残っているから女たちのようにわ
んわんとは泣かぬ。サメザメだろうな。あーあ、ますます冴えないね。おまけに、「思い切り泣いた。すっきり!」なんてことになると、全くらしくない話だ。
いずれにしても「泣くオトコ」の出現で、今や涙は女の武器にはならなくなった。その結果、もはや偽りの涙を流す女の子は、魅力的でなくなる。
これからは、映画を見て涙を流す男の子に黙ってハンカチを渡してあげ、泣いている男の子の肩をそっと抱き寄せ、「私の胸でお泣き」と言える女の子のほうが、モテモテの時代になるのかもしれない。