これで完結です。長いですが、よろしくお願いします。
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翌朝チェックアウトして、丸尾滝 、坂本龍馬・お龍新婚湯治碑は車中から見物。緑豊かな山あいを走り抜けたけど、紅葉してたのは街路樹のカエデくらいだった。それでもモコモコと茂った木々を見ながらアクセルを踏むのは気持ち良かった。
ほどなくして着いたのは、JR肥薩線 嘉例川(かれいがわ)駅。1903(明治36)年開業で築104年の木造駅舎だ。そこへ運良く観光特急「はやとの風」がホームに入ってきて停車。がしかしある理由により、列車編成に一般車両が連結されてた。ある意味レアケースだな。
▲名誉駅長 福本さんの手描き?フライヤー(クリックして拡大表示でドーゾ)
駅構内では弦楽アンサンブルが、駅前広場ではチビッ子の合唱が。バザーもやってたっけ。とにかく観光客などでにぎわってた。名誉駅長の福本さんはいたかもしれないが、オレは駅舎ばかりに気を取られて忘れてた。駅構内には福本さんの手描き?をコピープリントしたフライヤーというかチラシが置いてある。心のこもったそれは、グラフィック・デザイナーのオレとしては、なんというかこう、魂を揺さぶられるものがあったわけで‥。そのチラシの裏に記念スタンプを押して持ち帰った。人気の駅弁(土日限定)は先を急いでたので、お店まで行く時間がなかった。
駅舎から歩いてパーキングに戻る途中、「昨日は空港やら霧島神宮の坂道を歩いてくたびれたバイ、ばってん今日もよく歩きよるけど、ど~もない。」と母。宿のチェックアウトのとき、玄関に流れでる「神水・霧島」を飲んだからだと母は言ってたけど、温泉の効果だろ。オレの肩凝りもおさまってるし。
お次は高速道路にのって、川内市樋脇町にある田苑酒造の焼酎工場見学。3人のために、女性社員の方がわかりやすく工場内を案内してくれた。ちょうど仕込みの最中で、フルオートメーションかと思ったら、おばちゃん達20人がコンベアに流れる原料の芋、黄金千貫(こがねせんがん)を猛スピードで下処理してるのは驚いた。
仕込みタンクと熟成樽にはクラシック音楽を波動に換えて流されてると、一応は知ってたけど実際に見て感心。その波動で発酵が早く進むそうです。クラシックが流されている仕込みタンクを上から覗いたら、ポコポコと醸(かも)されてたよ。こっちのタンクは黒麹、そっちのタンクは白麹と。
300年前の酒蔵を移築した焼酎資料館では母と妻が田苑酒造のさまざまな焼酎を、オレは芋が原料のもろみ酢を試飲した。鼻に抜けるとき、お芋さんの甘い香りがしたヨ。土産用に資料館限定焼酎(五百年のロマン/玄米)を買った。サイトの特別販売でも買えるんだけど満足である。
帰りの飛行機の時間がせまってたので空港へ。総走行距離190kmくらいだったかな。カーナビも大活躍。高速道路の料金も音声で案内してくれるし、見知らぬ土地でも心強かった。妻・母(かぁ)ナビだったら、きっとケンカに(笑)。観光はオレのワガママにつき合ってもらったカタチになってしまい、ちょっと反省。
福岡空港に着陸後、そこからそれほど遠くない我が家に戻りジャックと再会。いっぷくして片道1時間強の道のりで母を田舎へ送り届ける途中、「楽しかったぁ、また行きたいけど今日のが最後になるかもしれんね。」と言う母の言葉に涙がひと粒こぼれた。そんなとき、帰りの鹿児島空港のうどん屋でハエにしつこく付きまとわれたのを思い出し、「あれって‥父さんじゃ‥」みたいなことを母に伝えると、同じように思ってたようで「♪しぇんのか~じぇ~に~」と歌いだした。でもハエは死んだ夫(父)に対してあんまりやね。ソフトバンクのCMの犬ならまだしも。まとにかく、母さん元気でな。
おわり。