森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

生物としての適応と進化

2009年02月05日 08時41分34秒 | 過去ログ






昨日、ふと本棚を見ると、
卒業生から贈られた色紙に目がいく。
そこには、私から「常に挑戦し続ける姿勢を学んだ」と。
特に1期生はそれが多い。

1期生は先輩がいない中、学校のカラーを作った面々である。
何事も前例がなく、コピーはできない。
勉強にしても、クラブにしても、学祭にしても。
とくに、クラブなどの設立は、
「設立」というまさに白紙の状態から、
必要な情報を仕入れ、企画し、実行し、
そして、常に循環しながら改良・更新する。
それがカラーになり、大学の性格となり、
いわゆる「畿央大学らしさ」を作った。

彼らならではの言葉だと思った。
自分が挑戦し続けているかは不明だが、
新しいものを創作している自分ではあると思う。
年をとってはきつつあるが、
つねに、エンハンスにならないように、
磨いていけばと思う。

何ごとにも挑戦.
目標はすぐには見つからない.
しかし,もがけばもがくほどそれは近づく.

しかし、その挑戦は、
時として、対称性のくずれを引き起こすこともある。
ビックバンが起こったように、
ねじれ・くずれから解体が起こる。
社会に置き換えると、
問題意識が生まれる瞬間でもあるが、
基盤がまったくもってなにもないのであれば、それは「無」になる。

雪の結晶体はすべて形が違う(自由)けれども、
それをきれい(美)と思うのも、そのもの自体に秩序(対称性)があるからである.
学生のみんなも、自由と秩序(ルール)を生きてもらいたい。
相応という言葉があるように、
美しさはある秩序のなかに生まれる。
今、テストの真っ最中であり、
国家試験まえであるが、
それを意識してもらいたい。

また、社会人になっているみなさんも、
それを意識してもらいたい、と、「色紙」をみながら思った。

色紙を見るということは、
そろそろ、3月になることを意識しはじめたのだろう。
教員にとってはうれしくもあり「センチメンタル」でもある時期だ。



昨日は、その前日に宣言したとおり、
原稿を1本終わらせた。
2日間で今週末の講習会の資料と同時にやるとは、
時間が有効に使え始めた。






忙しさのなかに適応する。
人間とは実に適応能力をもった生物である。
自己が更新されていることを内部世界で感じる。
これは「私」にしか出会わない感覚である。
外からは「結果」しかとらえることができない。
「内」「外」この両者を意識するから、
人間はこれだけの適応性をもっている。

3月末日に、「大西秀明・森岡 周(編):理学療法MOOK16 脳科学と理学療法(三輪書店)」が刊行される予定です。
私は第1章「脳科学の進歩と理学療法の接点-現在から未来」と第2章「大脳皮質における感覚情報処理と運動制御の神経基盤」を担当し、
その他の原稿を編集しています。




「身体運動学-知覚・認知からのメッセージ」が3刷決定になりました。

ご愛読感謝します。