森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

ささやかな社会貢献

2009年02月18日 10時05分46秒 | 過去ログ
昨日は9時より大学4年ゼミ生に対する国家試験対策を行う.
精神医学や臨床心理学といった終末記憶で対応できる内容を行う.
ここから1週間,計画だって,悔いない1週間を過ごしてもらいたい.
記憶の初頭効果,終末効果を使いながら.
1日,8時間以上の勉強,そして,1000問以上,説いて説いて説きまくる.
運動学習の長期抑圧と違って,認知学習は長期増強がまずは基盤だ.
4年生は手を抜くことなく,注意をフルに使い,一心不乱に勉強をしてもらいたい.

3年生が臨床実習に向かって2日間たつが,
今年度は国家試験に自分自身の意識がとられているのも事実だ.
専門学校時代の気持ちに戻る.

はっぱかけるだけのストラテジーでは,
行動主義心理学になるために,
具体的な手続き(認知)ストラテジーに基づかないといけないと,
反省している.

10時より前井さんの修士論文審査.
彼女は高知時代の教え子であり,
その成長,すなわち2年間の成長を肌で感じた.
文才をもっており,それを今後はボキャブラリーに活かしてほしい.
副査の峯松先生よりあたたかいことばをもらった.

そののち,不二製油の方々がお見えになり,
いろんな今後の展開を話した.
ペプチド研究を進めないといけない.
大学の教員は結構大変なのである.


16時より林部さんと(寝ぐせ頭の)藤田君の修士論文の審査.
両者ともに,スムーズに進行した.
あとは,深く切り抜いていく視点を今後に期待したい.
副査の田平先生より示唆にとむことばをもらった.


これにて,12名の研究室のメンバーの修士論文の審査が終了する.

お疲れ様と同時にGood Jobとなるよう,最後の最後まで手を抜かないでちょうだい.


それを終え,19時過ぎより,同僚の松尾先生,冷水先生,そして店に家が近い前岡先生が遅れてみられ,一緒に飲んだ.


いろんな思いを「吐き出す(整理・清掃)」することが,
人間の心には時に大事だ.

若者のように常に吐き出さず,
自分で思考・解釈したのちに,
一気に吐き出す.
そんなことが大人かなと帰り道で感じた.


さて,最近,病気療養中の方々,障害者の方々,
またそれを取り巻く家族の方々からのメールを多くいただく.
その思いは痛いほどわかる.
そうした思いをなんとか答えてあげる方法はないのかと,
自問する.
今度の月末は少し援助したいと思うが,
遠方からのメールも多くいただく.
まだまだ,育っていないのも事実.
大学院生たちには信念をもっていただき,
対象者,その家族の幸せを提供できるように,
知識・技術・こころを鍛えてもらいたい.

脳幹がやられて意識が不明瞭であっても,
大脳皮質は生きている.
アンビリバブルな世界で取り上げられるが,
そうではない.
脳は生き続けている.
脳は変化し続けている.
目先の現象(応答しないや感覚がないなど)で判断すべきでない.
それは診断であり,分析ではない.

「脳のリハビリテーション」を一般の方々に具現化していく,
作業を進めたい.



リハビリテーションは期待にこたえられないのか?
目先だけのメディアの表現で一喜一憂せず,
とにかく目の前の対象者に立ち向かってもらいたいものだ.
「よくならないのは医療者(サービスする側)の責任である(病気や障害のせいではない)」
その思いが続かないと発展はせず.


自分の心に常に向き合い,
自問し続けることが,
社会貢献だと思う.

ひとりひとり,ささやかながら,その思いをもてば,
社会はもっと豊かになると思う.