森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

マイペースという言葉の罠

2006年06月13日 08時48分47秒 | 過去ログ
昨日は疲れているせいか、すぐに帰宅。
慣れ親しんだサッカーを観戦。
しかし、前半を終え、「1-0」だが、これはダメだなと思い、横になる。
予感は的中。スコアも。

結果はご存知の通り。
一番苦手とするチームだったと思う。


どうも、動き始めが遅い。
これは、0.秒の世界だが、感覚的(潜在的)なものか、意識的(顕在的)なものかの違いだと思った。
どうも、探索している。
感覚を入れて、その場で判断しようとしている。
過去の経験記憶が生かされていない。
「自由意志」は、そのときの「心」により改変されてしまうのか?
だとすれば、操り人形ではないのか・・・・いや、操り人形なのか・・・・Libetの顔が浮かんできた。

これには、戦略的情報の与え方(受け方)に少し落ち度があったように思える。
感覚情報を制限し、相手の脳を操作するというものである。
相手に「想像」させ、「不安」にさせる。
そして、当日に「感覚」を入れようと「探索」させるようにする。
これでは、場当たり的なものであり、どうしても動き始めが遅れる。
「力」のスポーツでなく、なかなか点の入らないサッカーは、将棋のように何手先まで読む。さらに、それを将棋のように顕在的には行えず、潜在的に行わなければならない。顕在化できるのはハーフタイムだけである。
これが、「野球」や「バスケットボール」「バレーボール」などの他の競技とは違う点である。
少々乱暴な言い方だと「馬鹿」にはできない。

これがプロである。
どうも「情報」に問題があったのではないか?
相手にもすべて与えていたし。
それが、俗っぽく言うと「気持ち(感情)」の問題に反映されるのである。

自分の力とは「マイペース」な力というのではなく、そのときの意識を自己制御できる自己制御能のことである。
相手の「干渉」に対して、合わせるのでもなく、それをまったく意識せず、プレーする(マイペース)のでもなく、相手の意識を干渉させ、プレーや判断を遅らせるようにすることである。

自己意識とは、他者との間に生じるものである。


いずれにせよ、選手が今一番苦しいと思う。
楽しいだけでスポーツ(仕事)はできない。
私のような素人よりも、それを感覚的、感情的、論理的に肌で感じていると思う。
これをプロセスとして、未来のために、次の「クロアチア」との戦いに挑んでもらいたい。
プロセスを結果に変える。
それは日本人の得意とするところです。
みなさん、ほんとに先を読む眼力を持っている人たちだから。






これは、万人、どのような職場にも言える。

私の世界とあなたの世界、それを討議して備える。
症例検討など、いろいろやられているが、患者の結果でなく、私(セラピスト)の世界(私がそのとき、どう感じ、どのような思考をし、どのような論理で解決しようとしたか、そして、それはどのように変わっていったか)を討議してみては?


いずれにしても、近くにも「動き始めの遅い者」、つねに「感覚入力を与えないといけない者」、「他者意識はどうでもよく、マイペースという名ばかりで生きている者」など、学生にフィードフォワード制御を求めるのであれば、新たな問題に出たとき、それをどう制御するのか?それはみなさんに課せられた問題である。

臨床、研究、教育とよく分けられるが、そこには境界線がない。
「仮説検証」をとるのであれば、すべて一緒である。
未来のために「戦う集団」を作るのであれば、その言葉の罠を感じ取っていただきたい。


一番効くやつをくれ!

2006年06月12日 19時14分34秒 | 過去ログ
年々,疲労が遅れてくる.
朝すでに前兆は出ていたが,身体が動かず.
職場には行くが,精神は動かず.
そのまま授業をするが,劇場型授業には届かず.
それでも伝えたいことはいうが,少し歯切れが悪い.
これは,伊豆の講演でも感じた.
同じことを繰り返し言っているような現象である.

大学院申請書類がいくつもあり,いろいろ書かないといけないと思いつつ,手が動かず.
明日までだが,なんとかなるだろう.
今日はしない.

大学院,私学にしては「リーズナブル」だと思います.
畿央大学大学院健康科学研究科
健康科学専攻運動行動学部門神経リハビリテーション研究室をよろしくお願いします.


昼休みに隣のエコールマミの薬局で恥も外聞もなく,「一番効くやつをくれ!」と言った.
一日でいいから「ゴロゴロ」したいという些細な欲求が生まれている.
復調しない限りはいい仕事ができない.
やっつけでなく,クリエイティブな.
マズロー欲求階層が記憶からよみがえる.

こういうときは「感情」は動き,逆にいい講義となる場合も時にはあるが(つまり情報が自分のものに整理されている),「理路整然」なクレバーな講演が本望なので,時間がないと,それは演出できないな.

伊豆では三田先生の新車WISHに乗せていただいた.
最近,半年ぐらい,車を運転していない自分に気づく.
蛍を見た環境から,大阪のアスファルトな人混みに.
環境との相互作用を行う有機的な生物なら,この環境の違いは心身に現れるはずである.
この平面,垂直な環境では,ボディはとぎすまされない.
凹凸を感じとる身体.
日頃使わない感覚を使う.
それは身体感覚だけでなく,嗅覚などで感じる共感覚的なものもである.
都会では不快な嗅覚は作動するが,伊豆では心地よいと感じるものが作動した.
それを人工的に生み出そうとしても限界があると思う.
公園など,さまざまなところで工夫がされているが,そうした共感覚的なものは生み出されないと思う.

そうであれば,隠喩的な表現の乏しい,ますます創造力のない,子供たちが大量に生産されるのではないか?
そうすれば,世の中,物理的なもののみに左右される価値観が生まれる.
その前兆は現れている.

「きれいな世界」に見えるが,それは「機械」の住み着く場所である.




神経系理学療法学実習A 6月12日

2006年06月12日 10時57分01秒 | 過去ログ

神経系理学療法学実習Aは、6月8日(木)に予定していた神経系理学療法学Aの講義資料に基づき進めます。

木曜に使う予定だった資料を持参してきて下さい。

「脳卒中最前線」もです。

神経系理学療法学実習A’は前回の続きを行いますが、少し「症例」の情報を変えています(これからの話の展開が安易になるため)。

本日のPDF資料を森岡研究室よりダウンロードして持参してきて下さい。

なお、グループワークとし、次週より発表・討議を課す予定です。

その際、みんなから要望のあったフィードバックを行いたいと考えています。

自由な討議を期待します。

本日、グループを構成して下さい。

なお、発表内容・討議態度は、前期の単位認定の一部の素点とします。

それに関しては、本日伝えます。


共感覚と意識

2006年06月11日 23時13分20秒 | 過去ログ
昨日より中伊豆に.
静岡の勉強会で3時間あまりはなす.
メタファーに関しての紹介があったので,それにひっかけ,共感覚からスタートする.
最近では頭頂葉,側頭葉,後頭葉の境界線にあるTPOが,その領域との仮説があること,新しい連合野として注目され,異種感覚統合が行われ,隠喩的言語表現が生まれるところとしても考えられていることなどなど.

その後,記憶,ワーキングメモリ,注意,自由意志と意識の問題に触れる.
詳しくふれたいが,今,奈良に帰ってきて疲れたので,またの機会に.

伊豆では,蛍に接触することができて,いい空気を吸うことができた.
みんなに感謝します.
いい経験ができました.
静岡のメンバーは人柄がでて,心地よいです.

癒しになったが,帰りの新幹線で,これからのスケジュールを考えればブルーに.

なるようになる.
とはいわないが,前向きに.

少し休みます.
明日は2コマ,ほどほどにしゃべります.


心身ともに復調といったところかな

2006年06月09日 22時34分01秒 | 過去ログ
今日は朝7時に出て、近鉄、環状線、新幹線と乗り継ぎ岡山に。
毎週だが満員電車には慣れない。

ディベート授業、
(わかる)と(できる)を行う。

結構楽しんでもらえたらしい。
関心を抱く、言語を使う、コミュニケーション、時には感情的になる。
そして、論理を使う。

いろいろ感覚としていれてください。

夜間部には(感覚)と(概念)について話す。

少し余裕か、心身が疲れているが、なんとか休まっている。

明日は伊豆に向かう。

しかし、VAIO Tが強盗に遭い、久しぶりにVAIO Uを利用しているが、キーボードが打ちにくい。

多くは打てないな。

明日は自由に講演させてもらいます。
ホワイトボードで。


しかし、あることが気になる。

静岡県認知運動療法研究会

2006年06月08日 19時18分43秒 | 過去ログ
プログラム
6月10日(土)
13:30~    受付
14:00~15:15 第3回マスターコースの伝達講習 『メタファー』について
15:30~17:00 脳科学の最新事情:森岡 周(畿央大学)
17:30~19:00         :森岡 周(畿央大学)

6月11日(日)
9:30~10:30 症例検討1   進行:内田先生 アドバイザー:森岡
10:40~11:40 症例検討2
11:40~    まとめ

中伊豆温泉病院が会場かな?
それすら把握しておらず。
もちろん、講義資料、スライドなど・・・ いきなり「感じる」まま話すと思う。
準備時間がないというものは、おそろしい。



神経系理学療法学実習A 6月12日

2006年06月08日 18時15分19秒 | 過去ログ
6月12日の「神経系理学療法学実習A」は、「神経系理学療法学A」が学会などで進行が遅れていますので、そちらに変更します。よって、6月8日(木) の資料を持参してきてください。また、追加の資料を6月12日(月)AM11時までにUPします。各自、それもダウンロードし持参してきてください。

マジック

2006年06月08日 18時07分17秒 | 過去ログ
今日は授業をし、会議に。
授業はせずに、卒論のこと、ゼミのことで話が終わった。

1.学習と姿勢制御
2.知覚と認知
3.予測的運動制御機構
4.ミラーニューロンシステム
5.言語と他者理解&心の理論
6.運動の準備電位と意識の問題
7.認知神経リハビリテーション

これらについては流れが悪く、わかりにくかったと思うが、興味ある人は一緒に勉強していきましょう。
結果よりプロセスが大事です。
ありきたりな研究をしても意味がない。
創造力を存分に発揮してください。
理系脳のみでは、人間の脳と身体は解決できません。
両者を生かしたアイデアを期待します。
柔軟な脳のうちに、存分に想像してください。
退化していきますよ。

時代を変える。
パラダイムを変える。
それが大学でしょう。
既存の基礎が、本当に確証なのか。
それを解明することが研究機関に所属する学生の力です。
入りびたりで研究してください。

すべてが片手間になれば、確実に実習でもひびくよ。
今は診療報酬改定などもあり、パラダイム転換の時期。
かつて特例教育から、専修学校教育に変わった時期に似ている。
マッサージ主体の治療から、運動療法が生まれた時期。
こんどはその機械運動を変革する時期。

リハビリテーションが全人教育(古いが)なら、理学療法も「理学的」から脱却すべき。
いつも思う。

音楽療法に興味を持つ学生に遭遇。
あもしろい。
これからの展開に期待します。
微力ながら、お手伝いします。
「精神医学」に光明を。
「理学療法士」はいつまでも「理学療法」を行うから「理学療法士」なんだというフレーズがよぎる。
そうはいうもの「おまえ」はなんだ?!と言われそうだが、とりあえず「人間」だ。「わたし」だ、と答えるだろう。

「専門家」の前に「人間」であることは間違いでない。
「博士」だろうが、「理学療法士」だろうが関係ない。
「保険」みたいなもんだ。
その効力も「時代」が変わればなくなるかもしれない。


高知で実習を終え、奈良で二期を行っている学生が「にこやかな笑顔」で研究室に。
高知の実習施設に就職したいとのこと。
セラピストの「大切さ」を感じ、学習することを心底喜びにできたらしい。
これこそ「教育」の力である。
臨床家マジック!
学校の教官では、それは体験させることができない。
これこそ、臨床家の教育力である。
片岡先生をはじめ、愛宕病院のスタッフに感謝します。
あのような生き生きとした学生の目は「本気」でうれしいです。


重箱の隅をつつき、自己中心的かつ、学生の容姿や人格を否定するといった、かつての徒弟制度的教育をする、若者セラピスト! おまえが法律か?

「恐怖」だけを味あう生産性のない、刺激-反応主義をいつまで続けるんだ。
協会の教育部では盛んに実習をどうするかが議論されているが、本質が変わらない以上、どうしようもない。
「こころ」それをもう一度、その幹部の連中に思ってもらいたい。

見かけ上のシステムだけ変えても、表面しか変わらないよ。
深部は腐ったみかんだ。