イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

夏にはまだ間がある英国の美しい春、サマータイムの始まりと今年は同日、母の日

2025年03月31日 05時01分22秒 | 英国の、生活のひとコマ

昨日、3月30日は英国の母の日 Mothering Sunday でした。

また、サマー・タイム British Summe rtime の始まりの日でもありました。

写真は先週半ばから週末にかけて撮った、おなじみの不気味な木彫りのフクロウ、ヴェーラがいる住宅街の中の小さな自然保護区域のラッパスイセンの群生と、住宅街の木々に咲く季節の花です。

 

英国の「母の日」は、合衆国にならった日本の「母の日」と日付けも起源も違います。

毎年、イースター前の6週間もの節制期間である「レント Lent 」の第3週目の日曜日が英国の母の日にあたります。

本来レント期間中はキリストの受難を思って、厳密には動物由来の食べ物は禁止、いわゆるビーガン食を1日に1回しか食べられません。粗食と禁欲に励む修業期間なのですが、ちょうど、レントの折り返し点、母の日には一息入れてごちそうを食べてもいいそうです。

レントをほぼ毎年実行している人をたった1人だけ知っていますが、彼女はもともとビーガンで単なる「オヤツ断ち」をしているようです。

英国国教会では16世紀ごろから、その日は子供の時に洗礼を受けた「 マザー・チャーチ Mother Churchi 」の礼拝に出るしきたりがあったと言います。

お屋敷で働く住み込みの使用人はそのために丸1日、実家に帰って マザー・チャーチ に赴く名目の休暇がもらえたそうです。このしきたりは戦後あたりまで続いたそうですが、その頃になればもうただの、「やぶ入り」みたいな習慣になっていたはず...

もっと起源をさかのぼれば、キリスト教の伝来以前に欧州ほぼ全域を支配した古代ローマの神々の母である女神シヴィルを讃える祝祭日だったそうです。

..とは言え、今ではお母さんに感謝の気持ちを表す(商業)家族イベントであるのは日本や合衆国と同じです。

水曜日に行った、庶民派スーパーマーケット、アスダの特設、母の日向きの花束売り場です。

まるで遭難現場のような様相です。

母の日には黄色いラッパスイセンを贈るのが伝統的なのですが、近年は数種の花をアレンジしたブーケが主流のようです。バレンタインデ―には、赤い花が圧倒的に大勢なのですが落ち着いた色合いが多いですね(仏花みたい...と思ったら...)。

うわっ、人工的に着色されたエレクトリック・ブルーにショッキングピンク!

私は、目の前で枯れていく高価な切り花にはあまり興味がありません。夫も子供たちもそれを理解しているので、花束をもらうことはほとんどありません。花はもらった時はもちろん嬉しいのですが。

マグカップ、宝石箱、花瓶、お財布、エプロン、パジャマ、ボディクリームにぬいぐるみなど、バレンタインデー用のプレゼントと似たような商品が特設売り場の棚を飾っていました。

3月半ばごろから、テレビでは数分おきに高級デザイナーブランドの香水の宣伝が流れます。...香水や装身具は男女ともに恋人同士や夫婦で贈り合うもの...とかってに思っている私には香水を母親にプレゼントする感覚が今ひとつ理解できません...香水のプレゼントは英国ではとてもー般的なので、あまりこだわらない人が多いのでしょう。

私の家では、毎年、小さかった子供たちがプレゼントやカードを私にくれるように夫が気を配ってくれていたのですが、さすがに成人した子供には何も指図せず、近年、私が受け取るプレゼントはネコからだけ...ということになっています。

リヴィーが私にくれた、ウシの絵が描かれた缶に入ったショートブレッドです。(夫とマンチェスターに買い物に行ったので何をもらうか予想はついていました)

リヴィーは私の「娘」ということになっています。リヴィーの息子のティブは私の「孫」です。

それともうひとつ、甘いものをひかえている私に毎年恒例のスイス製のチョコレート1箱。

 

母ネコ、リヴィーへのティブからのプレゼントもありました。箱にフランス語が書かれた高級キャットフードです。(親子で分けて食べさせましたが)

私の「人間の娘」は、何か私にオンラインで「サプライズプレゼント」を購入してくれたそうですが、母の日までに届きませんでした!

最後に、サマータイム、家中の時計を1時間進めることのわずらわしさと言ったら...!

日曜日の深夜(なぜか)1時が2時に切り替わります。

土曜日の夜は12時半ごろ就寝しました。あと30分ほど起きていて、スマートフォンの時間表示がサマータイムに変わるのを見届けよう!と思ったのですが、不覚にも眠くて寝てしまいました!12:59から02:00に1時間リープするはずなのですが...

「標準時(冬時間)」から「サマー・タイム」にかわる時、いつも1時間どこかに消えてしまい損をした気になります。

11時に就寝して、7時に起きたら8時間寝られるはずでしょう?サマー・タイム開始の日は7時間しか寝られないんですよ!

早朝4時頃から深夜の11時まで明るい英国の夏には、早起きして仕事の始まりと終りを早め、いつまでも暮れない終業後を有意義にレジャーや社交に利用してもらい経済効果もバッチリ上げようというのがサマータイムの趣旨なのです。

花のつぼみをつけた木の枝です。

コメント (1)
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