新宿御苑 菊花壇展は明治37年(1904)から皇室の伝統を受け継ぎながら栽培されています。昭和4年(1929)から観菊会が行われる様になり～一昨年(2018年)は明治150年という年を迎え「明治150年六角花壇」も見れました。菊花壇展は1本の茎から数百輪もの花を咲かせる「大作り」、特色ある「嵯峨菊」「丁子菊」「伊勢菊」「江戸菊」「肥後菊」など、伝統の技法と新しい手法により丹精込めて作り上げられた様々な菊花壇が秋の日本庭園を彩ります。
新宿御苑 新宿口に大作り菊花壇
日本庭園の第一露地花壇
懸崖作り花壇懸崖作り
菊は小菊で、分枝性の旺盛なものを摘心によって仕立てられています。
小菊のなかでも一重咲きの山菊とよばれる品種。
伊勢菊、丁子菊、嵯峨菊花壇
伊勢菊 三重県松坂市など伊勢地方で発達した菊で、無数の細い花びらが垂れ下がって咲く。咲き始めは縮れている為に、花が枯れている様にも見えるが、この縮れ具合も伊勢菊の特徴。
丁子菊 関西地方を中心に作られた菊で、花の中心が丸く盛り上がって咲き、小さな帽子を思わせる花形で花の中心の筒状の花びらが香料の丁子の花に似ている事から、名前がついた。キンポウゲ科のアネモネの花に似る事から、外国では「アネモネ菊」と呼ばれ、人気の高い品種のひとつ
嵯峨菊 嵯峨天皇の御愛の菊として、京都の大覚寺に植えられたのが始まり・・・もっとも古い歴史をある古典菊で、花びらが平たく、咲き始めは乱れ咲きに開き、次第に花びらがよじれて立ち上がり、全部立ちきって満開。雅趣に富んだ菊です。 伊勢菊とは対照的に花びらがまっすぐ立ちあがる。 
大作り菊花壇 屋根とよしず張りの上屋の中に、5株が横並びに展示。
菊花壇のなかでも豪華絢爛な美しさでした。大作りは1本の株から何百という沢山の花を咲かせる様に仕上げたもので、菊のなかでも特に発達の旺盛な品種を用いれているそうです。個々の花に於いても枝や葉が均一で、花の大きさが揃い開花期が同時でなければならない。 仕立てには高度の技術が必要とされている。菊花壇の中でも見ごたえのある花壇です。全国各地の菊花壇展の千輪作りの先駆けにもなっている。
大作りは1本の株から何百という沢山の花を咲かせる・・・
江戸菊 花が咲いた後、花びらが立ち上がったりねじれたりと、変化していくのが特徴で、咲き進むごとに表情を変えていく事から「狂菊」という別名もある。 くるくると幾重にも折り重なった花びらが開くと、中央に抱かれた花弁が顔をのぞかせました。種類によって花びらの変化は異なり、それぞれに｢追抱｣、｢褄折抱｣、｢丸抱｣、｢乱れ抱｣、｢自然抱｣｣、｢管抱｣という７通りの名前がつけられている。 
一文字菊、管物菊花壇 一文字菊は一重咲きで、花びらが平たく幅広く伸びるのが特徴。この菊は御紋章菊ともよばれている。管物菊とは、すべての花びらが管状になっている菊で、花びらの太いものを太管物菊、細いものを細管物菊、中間の太さを間管菊とよんでいる。
肥後菊花壇 肥後菊は、18世紀末に肥後(熊本)地方で、藩主・細川公が藩政施行の文化政策の一つとして、栽培が始められ発達した古典菊です。清廉なこの菊を例に、武士道の意義を説いたといわれています。藩外への流出を固く禁じるなど、長い間門外不出の秘花でしたが、藩士・秀島英露が栽培方法や花壇様式の作法を考案した、「養菊指南書」を著し、全国に広まりました。花は一重咲きで花びらは平たいものと管状のものがあります。花びらと花びらの間に隙間があるのが特徴です。
大菊花壇 厚物は、花びらの先端が中心に向かってうろこ状に丸く盛り上がって、手まりのような形になるのが特徴です。厚走りは、一番外側の花びらが長く飛び出ています。 1本1本の花の美しさ、各列に並んだ花の整形美や色彩の変化を鑑賞。
2018年に飾られた「明治150年六角花壇」明治時代に作られていた花壇を復刻したもの六角花壇です。
