昨日は東日本大震災から半年が経ち、慰霊祭や式典が各所で開催されました。半年経った今でも、津波の爪あとが色濃く残ったり、そのままの状態の所もたくさんあるようで、今後の対応策が望まれます。
今年の夏は新潟・福島豪雨に始まり、台風12号では甚大な被害があり、局地的豪雨、水害の恐ろしさを思い知らされています。
大災害になると災害の後の復旧・復興も多大な労力と時間がかかります。
何時、自分の住む所が災害にあってもおかしくない時代となっています。
災害に対応した耐震改修等大規模な経費をかけられない場合はあきらめずに、被害を少しでも食い止める「減災」の方法も導入し、人的被害を最小限にする努力や知恵も今後は必要になってくるでしょう。
新潟・福島豪雨の対応工事を行っていますが、新潟市A邸の基礎工事も着々と進行しています。
地盤調査を行っています
地盤調査の結果、3mから5m付近まで腐植土が堆積していることが判明しました。腐植土の層にセメント系の地盤改良を行った場合、固化が不完全になると同時に発がん性物質である「6価クロム」が生成され、土壌を汚染するということが、最近問題になっています。
国土交通省発表資料
今回は、この点に留意し、自然素材である砕石による地盤改良を採用することお客さんに提案し、了承を得ました。砂質地盤なので、地震時の液状化の懸念もあり、液状化する水を速やかに逃がす砕石工法は有効であると思われます。
地面をオーガー(ドリル)で穴を開けていきます
土を取り出します
筒状になった穴に、砕石を入れながら閉め固め、
柱状の砕石層を形成していきます
セメント系の柱状改良の場合、今回の東日本大震災で津波等で上部構造が流され、地盤が残っても、柱状改良が残り、この部分にドリルが刺さらず、新たに新築等を行う場合に支障になるということが問題になっています。
土地を転売する時も、その処理分が値引かれると、土地としての価格がほとんど残らない・・また、処理してから売却する場合でも多大な費用がかかります。柱状改良を引き抜く際も、意外と容易に引き抜けたということも聞いています。「摩擦杭」として設計されていて、容易に抜けるということは摩擦抵抗が不十分なわけで、現在の地盤改良が以外に効果を発揮していない可能性もあります。
姉羽事件以来、構造的瑕疵問題を理由に瑕疵担保保険に入らないと住宅が建てられなくなっていますが、その根底にある地盤保証制度が思わぬところで弱点が見えてきているように思われます。
そういう場合は、とにかく自分で出来る、工夫する所はないか考えて最善の方法を選択していく・・それ以外には無いように思えます。
地盤や基礎に頼らない、木造自体の強さを探求しなければならないと考えます。
(当然、基礎も最良の方法を選択しますが・・)
掘削されて出てきた腐植土
ドロの臭いが立ち込めます
おびただしい数の木屑が含まれています
腐らずに原型のまま保存されています
この腐植土も、短時間に密閉された場合に形成されるものだと思います。通常、土は長時間掛けて熟成され醗酵して良い土壌となりますが、河川や海に流されても、このようには堆積しません。この腐植土はどちらかというと大量の土砂が流されて短時間に堆積したような感じがあります。今回の水害で床上浸水のドロの独特な臭いが気になりましたが、それと同じ系統の臭いが立ち込めています。
長岡でも、
縄文の古木が発見されましたが、短時間で埋まった形跡があります。年代が同じならば、2000年前頃に大規模な土砂災害が、ここ新潟で起こった可能性があり、それは今までの水害をはるかに凌駕するような大規模な天変地異だったことになります。大規模な地震、津波を伴った壮大なスケールのイベントだったでしょう・・
それは、いずれ、調べることにしましょう。今回、サンプルに採った土も詳しく調べてみたい所です。
目次へ・・