べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

深沢W邸 構造材 部決め

2007-02-26 18:20:31 | 長岡市深沢町 山の木


本日は、昨日に続いて快晴。
日が差すところはとても暖かいのですが、外は風がまだ寒い1日でした。

長岡の志田材木店に、今年の春に刻み始める深沢町W邸の材料をマルユーから持ち込み、寸法を決めます。

搬入された構造材が通常の家のボリュームに比べて多いのと志田材木の社長さんも言っておられました。
これに、工場にある小屋丸太や指鴨居が加わるので、さらに多い構造材になります。
雪国の伝統構法は材料が多くなってしまうのです。
それゆえの、耐震、耐雪強度なのです。

志田材木店には4面プレーナーがあり、精度よく部材を削ってくれます。
村松のマルユー木材にて、本来の構造材の寸法に5㎜ほど大きく割って、冬の間天然乾燥してもらいました。
乾燥に伴って、材料が収縮していくのを見計らって、少し大きめに注文しておきました。
乾燥後は、狂ったり、平均に収縮していないので寸法はまちまちですが、これを部決めして精度のよい材料に仕上げます。
マルユーさんの出荷直前に強度測定もしてもらっています。
これが越後杉ブランド材・天然乾燥バージョンです。
乾燥に燃料も使わず、天然のエネルギーのみで乾燥させる自然のサイクルに沿った材料づくりです。

乾燥にて曲がりが出ていると思っていたら、意外とまっすぐだと志田材木さんの職人さんが言っておられました。
葉枯らし乾燥材なので、狂いが少ないのでしょうか?
今年は暖冬で晴れの日が多く、じっくりと冬の間、乾燥させた効果が出たのかもしれません。
通常、冬期間はなかなか乾かないものです。春にはどんどん乾燥します。

そういった意味では暖冬でよかったところもありました。


この材料を工場に運んで、墨つけをします。


4面プレーナーに材料を入れようというところです。
材料調書と照らし合わせながら作業をしていきます。


部決めされた材料がどんどん出てきます。
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栄町T邸 内玄関

2007-02-24 18:27:24 | 旧栄町 T邸(越後杉)


今日は、冬型の気圧配置となり、少し寒い1日でした。
2月としては標準なのだろうけれど、毎日暖かい日が続くので、時々寒くなると応えます。

旧栄町T邸は、完了検査も無事終わり、引渡しを待つのみとなっています。
時々、見学に来られる方々の応対となりますが、85坪の伝統構法の家は見ごたえがあります。

みなさん口々に

      料亭に来たようだ

と、言われます。
玄関を入ると、桜のフロアーや黒く塗った梁、柱、羽目板、白壁の古民家風の落ち着いたホールが迎えてくれます。
玄関を入ってすぐ脇に、格子建具があり、明けて入ると、内玄関があります。
家の人は、ここから靴やコートを脱いで、廊下へあがります。

乙吉町T邸で採用されたこの内玄関を見て、ここのお客様もプランに盛り込んで実現しました。

この内玄関が見学者にとっても、やはり大好評でした。下駄箱が要らないので玄関先がきれいになるとのこと。
コートもかけておく棚があるので、外出用具は全てここでまかなえるので便利です。
料亭だと、靴置き場みたいなスペースなので、より料亭らしく見えるのでしょう。

玄関に少しスペースがあったら、是非、おすすめします。


  廊下側から見た内玄関 コート掛や下駄箱があります


 玄関との間仕切りは格子戸


  廊下側の建具には鏡が付いていて、姿が見れます

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畳屋さん 苦戦・・

2007-02-16 21:36:15 | 旧栄町 T邸(越後杉)


今日は・・疲れた・・めちゃくちゃ疲れた・・のでコメントは短めに・・
旧栄町T邸もいよいよ佳境!

今日は、畳屋さん、電気屋さん、設備屋、左官屋に建具屋・・そして極めつけの掃除屋さんを同時に入れる大技を繰り出した!!
現場は修羅場と化してました・・
たまには、こういう強引な事もやってのけるのでした・・

建具屋さんは100枚弱の建具。
畳屋さんは、全部で60枚以上の畳。
なにしろ、大きな建物なもので、しかも面倒な仕事ばかりで、四苦八苦です。
(私の現場は根性が鍛えられるのだ!)

1階居間の畳は、真ん中に丸柱があって、それをまたいで畳を敷かなければならない・・
普段はノミなど使わない畳屋さんも、調整に柱を削っていました。

今日は、とりあえず畳が敷き終わり、建具も9割くらい入れました。
掃除屋さんははかどりませんでしたが、晴れていたので窓拭きができました。
電気も照明スイッチの点検が終了。
左官屋さんも、壁仕上げがもう少し・・

やっと、家らしくなったのでした。
仕上がりは・・自分で言うのも何ですが・・素晴らしいです。感動物です。
(後日、ブログにて掲載予定)


    苦労のあげく、うまく収まりました


  台形の畳もあるのよ・・通路として畳が邪魔だから・・
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木造準耐火建築の設計

2007-02-15 00:47:48 | 1時間耐火の増築~本町K邸



長岡市柳原町の塩の谷鮮魚店を手がけて1年半が経とうとしています。
この建物は、木造3階建ての特殊建築物に位置し、長岡でも始めての木造3階建て準耐火建築物となっています。
残念なことに、1階部分は鉄骨造となっていますが、下地は全て木軸となっています。(1階部分も)
木造部分には県産杉をふんだんに使用し、県の補助事業を使いました。
市街地で、この手の建物を作るときは、大抵が鉄骨ですが、あえて木造にすることで、暖かみのある店舗に仕上がっています。

竣工後は、休みもなしにお客さんが入っているとのこと、特に奥座敷の木組みの部屋は予約でいっぱいだそうです。
手がけた店が繁盛するのは気持ちの良いことです。

奥の部屋は、いつもの通り「家内安全、商売繁盛」を願いながら丸太や羽目板を仕上げました・・



  木造準耐火建築物

準防火地域では、いままでは鉄筋コンクリート(RC造)か鉄骨(S造)しか認められませんでしたが、木材に耐火被服をすれば、構造計算をすることで木造の準耐火建築物を作ることが可能となりました。

通常の木造建築物では、層間変形角が1/120で壁倍率を設定していますが、準耐火建築物では1/150以下となっています。

層間変形角とは、1階、2階の地震等の横加重を受けた時、1階~2階の傾きがどれくらいの角度かということです。
高さ3mの壁の上端を130kgで押し、1/120となった壁を「壁倍率1」としています。構造用合板では2.5倍、ダイライト12ミリでは3倍で、5倍が最大値です。

層間変形角1/150を実現するには、1/120で考える場合の1.25倍の壁量が必要となります。
そのため、3階建ての1階部分は壁だらけになってしまい、大空間や開口がとれなくなってしまうのです。
本当は木造3階建てにしたかった「塩の谷」も、1階には広い玄関ホールや調理室を設けるためにやむなく鉄骨造にしたのでした。
耐火被服は通常、ロックウールを使うのですが、アスベスト問題もあり、吹きつけは怪しいので、手間のかかるボード貼りを採用しています。

今年は、この近くにRC像の建物に木造準耐火建築物の玄関を増築する計画があります。
確認申請時に、
「何でコンクリートや鉄骨にしないんだ?」
と言われていますが、
「玄関や階段を作るのに、何で高価なRCやSにしなければならないんだ?」
という反骨精神が思わず出てしまいました。
木造にだって、可能性はあるのです。
ボードで覆ってしまうのは、意に反しますが、「燃えしろ計算」をして大断面の木材を使えば、被覆しなくても採用可能です。

夜な夜な、構造計算しておりますが・・どうなるか・・
なにぶん多積雪地域なもので、計算が複雑なのです。

(私は伝統構法やったり、構造計算したりと・・いったい何者?)

昔は、この本町通りは長岡のメインストリートで、城下のもっとも栄えた場所でもあります。妻入りの問屋が軒を並べていた由緒ある地域です。
今では、郊外型の大型店舗に圧されて、建物がポツポツとあるくらいですが、その伝統を引き継ぐような木造のデザインにしたいところです。

    
      人気のある古民家風の客室
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珪藻聚楽 仕上げ

2007-02-13 14:35:51 | 旧栄町 T邸(越後杉)


週末は若干冬型が強まり、雪が少し降ったものの、例年には程遠い積もりで、今朝はほとんど溶けていました。

今日はうって変わって、快晴。
本当に2月なのか不思議なくらいです。

「これは地球温暖化ですね~」

と、ラジオや世間話では、その一言で済まされてしまうのが、とても歯がゆい・・
話題のひとつとして温暖化を取り上げられ、全てがそれで完結してしまう・・

「じゃあ、どうするんだ?」
対策は?京都議定書どおり二酸化炭素の排出量を90年の5%削減が達成できるのか?海抜0地点での食糧生産は?温暖化による気象の激変の対策は?
景気が良くなると、どうしても隠れてしまいがちな環境問題・・
「温暖化」で終わらせなくて、さらにもう一歩入ってほしいのであります。


旧栄町T邸では、内装工事も大詰めとなっています。
和室は「珪藻土」を入れ込んだ聚楽壁を左官屋さんが塗っています。
珪藻聚楽は、だいぶ前から普及していますが、最近では和室自体が減っているので採用されることが少ないようです。
珪藻土が配合されているので、室内の空気中の有害物質を吸収してくれるそうです。

写真だと、少し色が濃い感じがしますが、乾くと若干白っぽくなります。

   
     左官屋さんによる珪藻土塗り作業
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チャフウォール塗布

2007-02-09 10:15:56 | 旧栄町 T邸(越後杉)


旧栄町T邸にて、内装工事を行っています。
和室の壁は珪藻土聚楽ですが、他の廊下、縁側、台所の天井は、チャフウォールを塗っています。
表具屋さんも、塗装屋さんに近い仕事をしています。

チャフウォールはホタテ貝の殻をすりつぶした素材で、貝加工工場で大量に出る廃棄物を利用しています。
天然素材で、貝殻成分が空気中の汚染物質を吸収してくれるのです。

珪藻土や木炭、和紙、貝殻など・・いろいろな天然素材をふんだんに使った健康住宅となりました。

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越前和紙

2007-02-07 09:20:53 | 旧栄町 T邸(越後杉)

快晴です。本日、屋根の張り替えをする現場があるので、最適な日和となりました。
2月でも気温が高く、仕事もはかどるでしょう。
昨年では考えられない事態ですが・・

旧栄町T邸では、内装工事が着々と進んでいます。
2階の和室(寝室)天井にはお客さんの意向で、和紙を貼ることとなりました。

玉紙は、越前和紙に裏打ちをして表具屋さんでも容易に貼れる製品です。
撥水性があり天然素材が売りの表具です。

和室の天井は、通常、いわゆる和室天井で、目透かし天井や竿縁天井等が一般的ですが、この家の場合、丸太梁が出ていたり、小屋束が天井にからんでいたりして、普通の天井仕上げは難しく、こういう感じの天井になっています。
他の和室は、網代風の表具を貼って仕上げました。

常識を超えた建物なので、それはそれで乙なものです。
まあ、天井ってあんまり見ないものなのですが・・

寝ているときとか、上を見上げると和紙が貼ってあるというのも、心が和むのではないでしょうか?1日の疲れを癒してくれる空間になればいいと思います。
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オガファーザー貼り

2007-02-06 12:25:44 | 旧栄町 T邸(越後杉)


季節はずれの移動性高気圧によって、春並みの暖かな陽気になるという予報です。
2月なのにどうしたことか・・?

三条市では、APAグループの物件が構造設計を偽装したということで、マンションが建設中止になるさわぎとなっています。
「ごまかす」からそうなるのであって、基本に忠実に仕事をしていれば、そうならないのです。
本当に家のことを考え、より強く、長持ちする家をつくることに専念していれば、そんな考えも出ないでしょう。


そして、その問題の起きている三条市の旧栄町T邸では、着々と内装工事が進んでいるのでした・・
2階の子供部屋は、お客さんの希望でエコロジー壁紙オガファーザーを天井、壁に貼っています。
これに、天然の塗料を塗るそうですが、基の白い紙の地でも褐色の梁や柱には合うと思います。

オガクスのチップを紙と一緒にすいたもので、当然ながら天然素材です。
値段も手ごろなので、「紙」が好きな方はこういう素材もいいかも・・

この部屋の腰の杉羽目板や中引はお客さんの
「自然の焼け具合も見たい」
というご意見で、塗っていません。
いわゆる「白木」の仕上げなのですが、地元材はどうしても紅白、黒、節ありでにぎやかになってしまうので、あまりおすすめしません。

そういうお客さんと施工側の意見の葛藤の中で生まれつつある家なのです。
おもしろい家になると思いますが、前回の構造見学会に見に来た方を特別にご案内するのみとなります。
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ようやくカキシブ塗り終了・・

2007-02-05 09:48:07 | 旧栄町 T邸(越後杉)


今日も快晴。放射冷却現象により、マイナス気温で朝の路面は凍結していた場所がありました。
もう、雪は降らないのかな?今年は・・

では、そろそろ基礎を始めることにしましょうか・・
今年の春からの工事も早めに段取りできるので好都合です。

ようやく、旧栄町T邸のカキシブ塗り作業も終盤となりました。
先週は、夜な夜な柱や梁を塗っていましたが、土曜日の12時に、ようやく台所、居間のカキシブ塗りが終わりました。(さすがに疲れた・・)
表具屋さんにバトンタッチできます。

建て方の前にあらかじめ工場で褐色に塗っておいた梁や柱をもう一度塗って磨き上げ、カキシブで定着させることで材料の耐久性が上がります。
カキシブは、塗ると固まり、防水、防腐作用があります。
昔の唐傘(カラカサ)は紙で出来ていましたが、カキシブを塗って防水性能を得ていたのです。よく時代劇で、浪人が塗っている光景を観ていた記憶もあると思いますが、昔の人の知恵なのです。

褐色に仕上がった梁や柱と白壁風に仕上げる壁が対比して、古民家風の落ち着いた感じの部屋になります。
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長岡市土合町K邸~風除室

2007-02-03 08:52:34 | 長岡市土合町K邸(越後杉)


雪模様の天候が続いています。
でも、積雪量はまだ少ないほうです。
道路にも2~3センチくらいしか積もっていない。

それでも、寒いのですが・・

長岡市土合町K邸は、外部の足場もはずれ(先月の初旬)、断熱材の吹き付け、内部の配管、電気配線が終了して、内部造作工事に入っています。

大雪による雪下ろしを1回くらいはしなければと思っていましたが、その必要もなさそうです。心置きなく内部工事が進められます。

このK邸の玄関先、縁側にはサッシが取り付き、風除室という雪国独特の風除け室を設けています。
玄関サッシの外にもうひとつサッシをつけることでワンクッション置いて冬場の吹雪に備え、また住宅内の断熱性を高めています。
縁側の場合は冬場や雨の日の洗濯干し場として使えます。


      玄関先の風除室
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想い出の建具の行方

2007-02-02 09:56:06 | 旧栄町 T邸(越後杉)


ようやく雪が降ってきました。
1月の積雪量が最低を記録し、晴れ間が多かった年となりましたが、2月は例年に戻るのでしょうか?長期予報でも暖冬ということですが・・

先日までヨーロッパに出張していたお客さんの話ではヨーロッパでも暖冬だそうです。が、アメリカ西海岸では厳しい寒波が来ていたそうです。
温暖化が進むと局地的な気候変化が著しくなるといいます。
干ばつの場所があれば、局部的に大雨で洪水に見舞われる傾向になります。
寒波についても、赤道側の暖気が極地の寒気団を押し上げ、勢力の弱った一部の地域からもれた寒気団が一気に噴出すような現象になるのでしょう。
暖冬と言えども、何時局部的な寒気にさらされるかわかりません。

ヨーロッパの天気は概ね1週間すると日本の天気になるそうです。
アメリカ西海岸から1週間でヨーロッパに到達するとすると、今週あたりに寒気が流れ込む計算となり、来週くらいに日本に到達する可能性も・・

最近の気象は予想が難しくなっているそうです。
気象丁の発表した予報もいつ崩れるかわからない。
それが、地球温暖化です。

それを阻止するべく、地元の木を活用しようとして6年が経ちました。
長かった6年ですが、その間に材料供給体制を切り替え、県産材使用率は90%を越えています。
旧栄町T邸に関しては、木の伐採からはじめています。
地元の木を活用する方法を模索し続け、アピールしていくのが我が社のモットーとなりました。

そして、最終目的は地球温暖化防止への貢献です。
どんなに立派な家を建てても、人類が滅んでは何の価値も無い・・
ピラミッドや万里の長城が残るくらいです。
子供たちに、この地球と文化をバトンタッチできるように最大限の努力をしていきたい。

そんな願いを込めながら、旧栄町T邸の仕上工事をしています。
杉にカキシブを夜な夜な塗っています。
「代々、この家の人たちを見守ってほしい・・」
そう願いながら、磨き上げています。


余談はさておき、写真は前の家で使っていた書院障子です。
いちばん家族の集まる居間の天井明り取りに設置してみました。
明かりが入ると、際立って見える場所です。

居間で団欒しながら、ふと天井を見上げると、なつかしい建具があり、前に住んでいた家も、いつまでも見守っているような・・そんな感じになります。
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