東日本各地の水道水から
放射性物質が検出
3月23日には、東京都にある浄水場の水道水から、乳児の摂取制限の規制値を超える放射性ヨウ素が検出・・・乳幼児には、汚染された水道水の飲用は控えるようにと指示がありました。
茨城県産のほうれん草、福島の牛乳からも高濃度の放射性物質が検出され、出荷停止。
今後の農産物の流通への影響が懸念されます。
いよいよ、我々の生活に影響が出始めています。
現在、事故の対策が行われている福島第一原子力発電所
震災当初から原子炉内のガスを放出する「ベント」がしきりに言われていましたが、一回のベントによってどれだけの放射性物質が放出されたのか、また、1号機、3号機、4号機の水素爆発、2号機の冷却槽の破損部分からどれだけの放射性物質が飛散しているのか・・データは全くありません。
大気中の放射性物質濃度は「ただちに」健康に害はないと言われ続けています。
汚染された農産物を1年間摂取し続けても健康に問題は無いと言われながら、実際には回収され、水道水は飲料を控えるようにとの指示が出ています。
放射能は放射性物質から放射されます
放射性物質は不安定で、自己崩壊をしながら放射能を出していく・・
永久に放射能が出るわけではなく、崩壊の度合い(半減期)があって、出す量が減っていく・・
この放射能に当たることを被バクと言います。
放射能が危険なのは、放射能が細胞内の遺伝子を傷つけ、染色体異常により、発がん性や奇形率が高まることです。
放射能が放射能を出すわけではなく、大元の放射性物質を取り除けば、被バクから逃れることが出来る。
雨に直接当たらない・・というのは正解で、昔、子供の頃に
「雨にあたるとハゲになる」
と言われた覚えがありますが、広島や長崎の放射性物質から身を守るための言い伝えだったようです。
空気中にただよう放射性物質が雨の時に取り込まれて地上に降ってきます。
外出時は肌の露出を押さえ、外出時についた放射性物質を落とせば、被バクは少なくて済みます。
問題なのは、体内に放射性物質が入った場合の内部被バクです。体内に入った放射性物質が放射能を出し続け、細胞を痛める・・
これをなるべく抑える工夫をしなければなりません。
放射性物質には種類があります
ヨウ素131に関しては、半減期は8日と短いものの、体内に吸収されると甲状腺に蓄積され、発がん率を高めます。チェリノブイリ原発事故では、子供達の甲状腺異常が問題になりました。
基準を上回る放射性ヨウ素が検出された場合、放射性ヨウ素を(なるべく)取り込まないために、非放射性のヨウ素剤を服用し、体内のヨウ素を飽和状態にする対策がとられます。
また、ヨウ素は海草にも多量に蓄積されることから、水道水や農産物のみならず、水産物への影響も懸念されます。
ヨウ素より問題なのはセシウム137です。こちらは半減期は30年です。
農産物から放射性物質が検出されたということですが、それが何なのか・・ヨウ素なのかその他の元素なのか・・その辺りはまったくデータを明かさないのがズルイところです。
セシウム137の検出された農産物、海産物を回収した後、どうやって処理するか、廃棄するのかも基準すらありません。焼却すれば、大気中に放散され、循環して濃縮されていきます。
どれだけの放射性物質が放出されたのかわかりませんが、その汚染をどうやって浄化するかが、これからの課題になります。
ひまわり畑が放射性物質を吸収する
海草や植物(や光合成細菌)に放射性物質を固定させ、放射性物質だけを分離できる技術の開発が急務です。
食の安全に関しても、国産の農産物が安心して摂取できるようになるまで時間がかかりそうです。
地震の起きる少し前に、設備屋さんに
「これから、伸びる産業は何か」
とたずねられた時に、すかさず
「水です」
と答えたのですが、その時の答えがこれからのニーズに沿っていたのも偶然かどうかは分りません。安全な水の確保・・それも、これからの課題の一つになります。
もくじへ・・