去る1月19日(土)、20日(日)に、東京から伝統構法の権威である、増田一眞先生をお招きして、講習会を開催しました。
「越後に生きる家をつくる会」の構造研修の一環と「伝統木構造の会」との意見交換を兼ねて、月2回、3月までの全6回の講座となっています。
まだまだ、はじまってばかり、これから長い勉強会となりますが、伝統木造の構造設計を行うのに十分な知識の吸収をしたいと思っています。
先生も東京にて月2回の講座を持ち、さらに無理を言ってお越しいただいています。
・・というのも、伝統構法が来年度、再来年度の法改正によって存続が危ぶまれているという危機意識からです。
それ以上に、日本の伝統文化である「伝統構法」を残していきたいという強い願いがあります。
国土交通省が「200年住宅」という構想を打ち出す中で、これから伝統構法がどのような形で生き残っていくかという瀬戸際でもあります。
こうした勉強会を通して、全国に「伝統木造」を残す動きを発信していきたいところです。
1回、2回目では、概論と少し数式が出る構造の詳細が説明されましたが、全体として、壁ばかりに頼るのではなく、構造部材である「柱」を効かせる方法が伝統木造の考えにあるということです。
数式のオンパレード
山形から増田先生が受け持つ「伝統木構造の会(事務局:東京)」の剣持さんがかけつけ、1/6模型を使っての実験も急遽行われました。
伝統木組みと在来の筋違いの壁の強度の差を実感できました。
破壊された1/6模型
破壊部分が金物部分に集中していることから、金物に頼った場合はこうなるということがわかります。
伝統木組の場合は、柱で十分耐えていました。
こういう優れた技術が伝統構法の中に織り込まれているのですが、現在の法改正で全てが否定され、排除される動きとなっています。