本日は、かろうじて晴れ。
先日まで、晴れていたかと思うと、急に大降りになる「きちがい天気」でした。
まあ、11月なのでしょうがないと言えばしょうがない。
日本海側は雨、雪。太平洋側は晴れとなる。いわゆる冬型の天候となっています。
明日は、雪の降るところもあるとか・・
わずかな晴れ間を利用しては材木屋へ行って材料を運搬したりしています。
中島町H邸の墨付けもしながら・・
昼間できることは済ませて、夜にできることは、後回しにするという毎日です。
現場は、基礎のベースを打ち込み、立ち上げの型が終了して、明日は立ち上げのコンクリートを打つ予定です。
基礎屋さんも、こんな天候の中、大変ですが・・
写真は、「割栗石地業(わりぐりいしぢぎょう)」の様子です。
ベタ基礎の下に、12センチの石をまんべんなく並べています。
一個一個、地面に突き刺すように、縦に並べるため、手間がかかります。
びっしり指しながら敷き詰めた石の上は、地盤改良したように固くなります。
いや、それ以上でしょう。
砕石を敷き詰めて、転圧(ランマーやコンパクターで振動を与えて閉め固める)する砕石地業の場合、地震の時に揺すられて、流れてしまい、ベースの下が空洞となることがあります。
割栗石地業の場合は、地震時でも、石が揺れても崩れることはないので、地震にも強い地業です。
表層改良だと、地震時に割れます。
地盤改良といっても、表層の土に、セメントを混ぜて固めるだけです。柱状改良もドリルで穴を開けて、セメントを混ぜるだけ・・
別に鉄筋を入れてコンクリートを打ち込むわけでもない。
10年保証中に不等沈下を起こさないようにしているだけです。
だから、10年以上保証しろといっても、おそらく保証できないでしょう。
その後、雨水や地下水でセメント分が抜けた場合の保証など誰も見てくれないのですから・・
ひどいところは、表層改良した上に、地業もせずにベースを作るところもあるのです。よほど、表層改良に自信があるのか、コストを下げているだけなのか・・
昔ながらの、割栗石地業は、手間もかかりますが、地震には強かったのです。
上のベースや立ち上がりにはヒビひとつ入っていなかったのですから・・
新潟県中越地震、中越沖地震により自信が持てました。
でも、こうした昔ながらの方法も、姉歯さんのおかげで、2年後には認められなくなります。必ず、瑕疵保証の保険をつけなければ、建てられなくなります。
保険に適合するには、よほど良い地盤でない限り、柱状改良、もしくは杭を打たなければなりません。
昔からの、経験など受け付けなくなるのです。
よって、建築コストは上がること間違いなし!
強度を保ちながら、(いや、より丈夫にしながら)血のにじむような努力でコストダウンを図ってきたのに、法改正によってコストが上がってきます。
姉歯事件なんて、国会が動かなくても、民事上の裁判や建設業法で裁けたのに、過剰反応してしまったのが、逆効果になってしまっています。
安いものに飛びついて、欠陥住宅を購入した消費者に全く責が無いと言えば、それも無いでしょう。安いものには、何かしらの理由があるのですから・・
昔からの地場の工務店は、変なことをすれば、たちまち噂になり、商売が出来なくなります。だから、良い仕事をするように心がけているのです。
そういう、我々も「建物を作るから、悪者だ」みたいな風潮になっているのが、とても悔しい。
コマーシャルや宣伝ができず、会社のPRもできない我々零細企業は、製品の性能向上だけが武器です。それさえも、認められない世の中になってしまっているのが、とても残念です。
一本一本、材木に墨を入れ、ノミをついている大工や一個一個石を並べている基礎屋さんのけなげな姿を見てください。
その、一個一個、一本一本に安全を祈り、命をかけている姿、家づくりを見てください。
地震で自身を持った: 自信を持った